R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」 作品20
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
フランク:交響曲 ニ短調
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
フランク:交響曲 ニ短調
※ ソリスト・アンコール:イザイ「無伴奏ソナタ」第2番・第4楽章
「名曲シリーズ」最終回は、R.シュトラウス「ドン・ファン」、ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、フランク「交響曲 ニ短調」という取り合わせ。
「ドン・ファン」は、いい曲だが、笑ってしまいたくなるほどのワーグナーの模倣作品。
シュトラウスは、当初はピアノで弾いたというのだから、ピアノ版を聴いてみたい気がする。
ブルッフのコンチェルトは、上演頻度が非常に高いためか、私の場合、普通の演奏だと余り心に響かなくなってしまっている。
今回のシモーネ・ラムスマさんの演奏は、(申し訳ないが)「普通」という印象。
ところが、アンコールのイザイに入ると、ストラディヴァリウスが目を覚ましたかのように、ホールじゅうに音が響き渡る。
これも先日の辻井さんのように、「追い込み型」、つまり「スロー・スタート」パターンにはまったためなのだろうか?
メインのフランク「交響曲 二短調」は、当初、
某音楽院教授「交響曲にイングリッシュ・ホルンを使った例など聞いたことがない。これは交響曲ではない。」
グノー「無能の主張が教義にまで達している。」
などと一部で酷評されたらしい。
とはいえ、虚心坦懐に聴くと、フランクが「第九」をイメージして作った曲というだけあって、大団円に向けて緻密に構成されたなかなかの名曲である。
こんな感じで、私などは良い選曲だと思うのだが、客席を見ると、やや空席が目立つ。
この理由としては、もちろん選曲等の問題もあるが、そればかりではないだろう。
この時期のコンサート・ホールで用心しなければならないのは、何といっても「感染症」であり、体調不良のため、あるいは感染予防のため、鑑賞を見合わせるお客さんが相当数いるのではないかと思うのである。
先週もそうだったが、明らかに風邪(又はインフルエンザなど)に罹患していると思われるお客さん(それも結構な数)が、「ゲボゲボ」とせき込みながら鑑賞しているのを見かけた。
「せっかく買ったチケットだから、体調悪いけど行ってみよう」という気持ちは分からないでもないが、こういう状況を見ると、「しばらくコンサートに行くのは控えよう」と考えるお客さんが出て来てもおかしくない。
このスパイラルが、空席率の上昇を招いているのかもしれないのである。