星新一のショートショートだったと思うが、こんな話があった
男は付き合っている女性と待ち合わせて、やる気満々だった
その女性との待ち合わせ場所に行く途中で
「これを飲めば長生きできる」と書かれたポスターを見かけた
彼は迷うことなくそれを飲んだ
そして時間が経って、待望の女性と会うことは会ったのだが
彼は本来の目的をすっかり忘れてしまっていた
そんな気にはなれずにいたのだ
長生きする人が多くなれば出生率を下げることによって
地球上のバランスが取れていると皮肉を込めたストーリーだ
最近読んだばかりの小川淳也氏の「日本改革原案2050」の中に
これと似た話が紹介されていた
(いつもこうした小話っぽいものに興味が湧いてしまう)
それは人口問題についての話で
「老化の進化論」(マイケル・R・ローズ著)では「生存」と「生殖」は
トレードオフの関係が成り立つと紹介してあるそうだ
実験によれば交尾させないハエは、交尾を行うハエよりも寿命が長い
また中国の去勢された宦官は、一般男性に比べ長生きしたという
種の保存という考え方からすれば、自らが個体として長生きするか
子孫を多く残すかのいずれしかなく、個体の生命が脅かされれば生殖に励み
個体の生存が確保されれば生殖を控えるという行動は理にかなっているというのだ
話は飛ぶが9.11の事件の後、アメリカの出生率はなぜか異様にアップしたそうだ
あの事件で多くの人が命を失った事実を、生物として危機感を覚えて
生殖活動に励んだ人が少なくなかったためだと説明している
どうやら理性の生き物と思い込んでいる人類も
実は別の何かに振り回されているのが現実なのかもしれない
ところで、気が滅入るウクライナ戦争とイスラエル対ハマスの諍い
プーチンもネタニヤフもまるで何かに取り憑かれているように
攻撃的な判断を下し続けている
そんななか上官の命令を聞かざるをえない人々は、
どんな気持ちなのだろうといつも思う
本当に理性以外の何かに振り回されすに「正気にもどれ」と思う
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