読んでいて少しばかり落ち込みそうな気分になる
その先の歴史がわかっているが、それでも読んでいる最中はなんとかならないものか
と期待してしまっていた
前の戦争(日清・日露も含む)に関してメデイア(新聞)の関与の仕方・その変化・表現などが解説されている
無謀な戦争を煽ったのは右翼だけでなく、新聞のその姿勢にもあったかも知れない
新聞も商売、どのように書けば売れるか、その誘惑からはなかなか抜け出せない
新聞紙条例、検閲、右翼の脅し(テロ)などなどで、本来の活動ができなかったのはわからないではない
でもあまりにも時の権力の軍門に簡単に下りすぎで、それは現在のこの国の姿を思い出させる
この本は田舎のリタイア組の人間が腹を建立てて読む本ではなくて、メデイアに関わる現役の人間が
自戒を含めて読むべき本だと思われる
馬鹿な経験を繰り返さないために、それぞれが何ができるか
何をしなければいけなかったのか
そうなってからでは遅すぎるので、何をその兆しとして感じ、どう伝えるか、、
最近では新聞よりはテレビが世論形成に関わっている
そのテレビメディアが、ここに書かれているような「どこか浮かれた」気分に煽られていないかとても心配
兵器の質量とも差があり、しかも食料も不足の状態ででかけたロシア出兵の大失敗は
意図的に国内には知らされていないし、都合の良い表現に置き換えられていて、一般市民は正しい評価のしようがない
戦時中の大本営発表も似たようなもので、今巷に存在する情報はこれに似ていないかとの不安がよぎる
正しい正確な情報こそが、判断の基準となるのだがこの国ではそれが平然と蔑ろにされている
当たり前の正しい情報を伝えるという意識を持ち続ける、、
これが官僚も報道陣もできていないとすると、、その先は、、、、