季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

貝の火

2013-06-17 22:09:48 | ハンドワーククラブ HandworkClub
ハンドワーククラブにて

先週は嵐のようだった、そして今週は嵐が過ぎた静けさ。
途中で上がってきた患者さんが「この前の事があるからびくびくして上がってきました。」って言ってた。あの時、一人が調子が悪くてドタバタしてて、その後一人の女の人は泣いちゃったくらいだからみんな怖かったんだな。その人は普段は殆ど感情を現さない人だったのでよけいにびっくりしたのです。「さめざめと泣く」ってのを初めて見た気がした。
私はびっくりしただけだったけど、もうちょっと早く相談員に連絡したら良かったかなあと思う。
そのバタバタしてた人もちゃんと治まったらしい、良かった。

新しい事にチャレンジしようと始めた。羊毛詰め人形作りたいって。
材料を揃えて行く。初めにメリヤスをミシンで縫う。ハンドワーククラブに寄贈されたミシンがあるので、それで出来ないかやってみる。うまく行きそうなんだけどなかなか針が引っかかったりして難しい。
それでも私はしつこくなんとかしてやり遂げようと頑張った。

人形の中に詰める羊毛は少しずつギューッと引っ張りながら硬く巻く玉が入っているのが特徴です。
それを巻くのは大変骨が折れる。難しくもあります。
それでみんなで出来る方法はないかと考えて、普通にきつめに巻いて石鹸水でフェルト化してみようと。
この羊毛はなかなかフェルト化が進まなかったけど、やってるうちに硬くなってきました。
私が作った羊毛ボールと同じくらいの硬さになっている。

       

芯が硬ければ、その上に巻いて行けばいいから出来るはず。出来ますように。

そんなこんなでチャレンジ始まりました。

その一方で編み物を進める人や布に型紙を写す人、新しいクマの色を考えて型紙を作る人などいます。
そうやって一日がまたあっという間に過ぎて行く。

患者さん達もゆっくりだけど、私までちょっとゆっくりモードだった気がする。
おしゃべりも必要以上に多かったかも。
私は仕事だからもうちょっと気を引き締めようと思った帰り道。

ハンドワーククラブの場はいつもいろんな人がいろんな個性を出していて温かくて明るくて居心地が良い気持ちの良い空間です。その中でいろいろな素晴らしいものが生み出されていく。

それは宮沢賢治の「貝の火」を思い起こさせられる。
溺れてるヒバリの子を助けたウサギの子ホモイは鳥の王様から「貝の火」と言う宝物を貰う。
それは石の玉で、覗くと中に絶えず美しい光の火が現れたり消えたり燃えたりおさまったりするのが見える(この話の中でその表現がとても美しいと思う)、動物の勇者が手にすることが出来る大切な名誉の宝物。

それを持っている事で良い気になって怠けて傲慢になったホモイ。だんだんと貝の火の勢いが衰えて、そのうちにパチンと割れてホモイの目にそのかけらが入って目が見えなくなってしまい、貝の火も他の人に渡ってしまうと言う話です。

私に渡された「貝の火」がハンドワーククラブだと思う。だから大事にしてその光を曇らせないように精進しようと思う。
日々の自分のケアや手仕事の準備や探究もそのため。

梅雨とは名ばかりでとても暑い日が続いてバテ気味だけど、自分をいたわってまた来週のハンドワーククラブに臨もうと思う。
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