季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

ながれはあつまり またひろがっていく

2013-11-23 21:12:12 | 暮らし Daily life
世界中から奈良に研究者が集まってこの一週間学会が開かれていたらしい。
その学会が終わって奈良と京都を観光するツアーのお手伝いを頼まれた。

始めは日本最古の寺院「法隆寺」。ここは私は一緒に見て周るだけでお仕事はありません。
ここにはガイドさんが16人も来て下さって、少人数で丁寧な説明を受けて周ることが出来ました。
私たちのグル―プは日本人だけだったので日本語での解説。とても詳しくいろいろ聴くことが出来た。
法隆寺、久しぶり。長い松並木のエントランスを通って南大門を抜けて中門へ。
お~、高校の美術の授業を思い出す。(習った事をまだ覚えてるってのがまたすごいと思う)
柱はエンタシス。中国様の卍崩しの高欄。左右の仁王像。

       

五重塔の裳階。図を使って構造も教えて貰った。
釈迦涅槃像の周辺の弟子たちの苦悩の様子が今も見るだけで伝わってくる。

       

金堂。中には有名な釈迦三尊像があります。四天王の姿の違いを教えて貰った。鎌倉以降には四天王は鎧を付けていかめしい姿だけれど、この時代にはまだ穏やかな衣装と表情だと言う。足の下に敷いている天邪鬼までなんだかユーモラスな顔。

       

金堂の柱に龍が。

            

夢殿では救世観音像の特別回顧の最終日で姿を観る事が出来た。全身金色の仏様、美しい!
岡倉天心・フェノロサの名前も久しぶりに聞く。

百済観音の美しさに改めて感動する。後ろにある支柱の元にある飾りが須弥山だと言う。それだけ大きな存在だと言う事らしい。気が遠くなるほどの存在だな。それだけの気高さを感じさせられる。

法隆寺、まだまだ見るところがあって物足りないほど。ちゃんと日を改めてゆっくりと周りたい。
法隆寺について調べていて見つけたこのサイトがとても詳しく書いてあります。興味のある方は是非。

急ぎ足で法隆寺を後にしてお昼を食べてから京都に向かう。
城南宮。
この学会が流体力学の集まりだと言うので、曲水の宴が催される美しい流れのある神社を選んだらしい。
源氏物語にちなんだ植物も80種類もあってその説明もわかりやすく、平安・室町・桃山と時代に沿った庭の作りも面白い。

その各所に立って来た人たちに説明するのが私たちの仕事。


私は室町の庭の担当。そのために室町の事をおさらいしたりして臨んだ。
天気も良く、庭の木々も美しさがひときわ。 いろいろな国から来た学者さん達はたくさん写真を撮っていろいろな日本の情緒を楽しんでおられた。

色とりどりの菊が咲いている小道。源氏物語の世界を思う。



高貴に薫る銀木犀。

       

フジバカマ

      

紅葉もいい具合。

       

曲水の宴が行われる流れの場所では流れの動きをシュミレートした図を使っての学術的な説明もあったらしい。さすが流体学会。日本文化を科学する。

             

日差しがまぶしいほどの行楽日和

       

流れの美しさもひとしお。

       

室町の庭の中の庵ではお抹茶の席も設けられており、毛氈に座ってのお抹茶と羊羹の味も新しい体験でとても気持ちが高揚しているよう。
五葉の松の素晴らしい事!

       

いろんな人たちと話をして私自身も楽しんで穏やかな楽しい午後が過ぎて行く。
ドイツやチョコスロバキア、中国やインドネシア、中東からの人も。
忙しい学会の後にこの美しいなごやかな庭園で過ごせるのはとても素晴らしいと言っている人が居た。
だれもがすぐに帰国しないといけない事を憂うほど日本に興味が尽きない様子。
「また是非来て下さい!」と伝える。

一緒に手伝いをした娘も事なきを得たらしく、楽しく一緒にガイドをした女の子とも話が弾んだ様子。
最後に集合して素晴らしい一日を祝福してお開きに。みんなのふくふくと豊かになった気持ちがつながって温かい雰囲気の中で解散する。

京都駅で降りて娘と帰る。
烏丸のクリスピードーナッツで少し甘いものを食べて、楽しい気持ちを反芻。

       

手伝いを頼んだ方がしきりにお礼を言って下さるけれど、楽しくて得したのは私たちだねえと。
満たされた一日。娘とのお出かけも楽し。
       
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