季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

ほおずき市とオランダの地域医療の講義

2016-07-10 20:02:23 | 旅 Journey
浜松町の朝。(東京って感じはこんなかな?って思って撮った)

       

駅にこんなのが。しょんべん小僧。十三にもあります。これも縁を感じる。

       

午前中に時間があったので、どこか行くところはないかと探してみたら、ちょうど浅草寺でほおずき市があるとわかった。
それで行く事に。
今日もまた山手線に乗る。都合昨日は一周しました。
まず上野まで。そして地下鉄銀座線に乗り換えて終点が浅草です。

降りて地上に上がってすぐに見えた。これこれ!

     

この大きい提灯の裏ってあんまり観た事ない。これです。下には木彫りの見事な龍がありました。

       

仲見世。朝早くてあんまり開いてない。

       

それがなんでも7月9と10日が特別な日だった。ほおずき市ってだけじゃなくてこの日にお参りしたら、46000回来たと同じ功徳があると言う日。
すごいなその数字、どこから?
そして一年でこの二日間だけ手に入るお守りもあります。それは雷よけ、災難よけのお守り。ほおずきを観てそれをゲットしないと!

       

ほおずき、普通は鉢植えです。たくさん売ってる。風鈴を買おうかと思ったけど、好きな絵柄がなくてあきらめた。

       

そしてお参りが済んで出てくると、素敵なほおずきを持った人が。どこに売ってるんだろう?って思うとありました。

       

店の人は開店したところ。あんまりほおずきが綺麗だから少し話をする。
そしたらどうしても買いたくなって一つ買った。
これを下げて歩くのが誇らしい。気持ち良い。江戸の風物を体験している気になる。
あんまり長いからリュックにつけて歩いた。きっと不思議な人に見えてたことだろう。

       

そして午後、ようやく目的の講座に参加できることに。
東邦大学と言う医大の校舎内で講座がある。
梅屋敷と言う駅の商店街を歩いて行きます。

そして聴いた話。それは「オランダの地域生活支援型医療」についての講義です。
オランダ。福祉ではヨーロッパでも特に進んでいる印象があります。その国の地域に根差す精神医療の実際をどうしても聴きたかった。

講師の方は日本人だけど、向こうで生まれて育った方で、講義は英語でした。(オランダ語じゃなくて良かった)
通訳の方も付いて、わかりやすかった。

なんでも精神病院の病床数と言うのは日本は世界でずば抜けて多いらしい。
世界は入院患者を減らす流れだそうです。
それは認知症の老人も合わせて。

地域で患者さん達のケアをすると言うこと。
1つはFACTと言う訪問型の医療について。
医師、看護師、ケアマネージャーやその他の医療に関わる人たちが直接患者さんのお宅に出向いて医療行為を行うと言うもの。
どんどん進んでいるらしい。難しい面も良い面もいろいろ聴く。

日本でも訪問の医師や理学療法士は増えているようです。これからまだまだ増えるだろうなあと思う。

もう一つは滞在型の治療施設。それは入院と違って、共同体で生活するという形態。
それにデイケアで通うと言う施設も合わせて説明。

建物の写真を観ると、建物もきれいだし、畑や庭やミツバチの飼育場もあって良い感じ。
シュタイナーの芸術療法と手仕事の作業が組み合わさった生活。みんなのリビングも心地良さそう。

先生やスタッフ、患者さん達の考え方や暮らし方を聴く。

興味深かった。
けど、不思議だと思ったのは私が働いているクリニックとあまりにも似ていたと言う事。
もちろんアントロポゾフィー専門の施設ではないのでいたって普通の形なんだけど、それでも先生の心構えやスタッフの考え方や行動の仕方がかなり共通しています。それで私には目新しい初めて聴いた話ではないような感じだった。聴くほどにクリニックがどれだけ日本だけじゃなくて世界的に観ても稀なところかわかる。
と言うのも、それを聴いていた精神科のお医者さんや看護師の方たちが「革新的で先進的で夢のよう!」と口を揃えて言っているので。
クリニックの院長が「うちは精神医学会では異端です」って言ってたのがわかる。それを実行しているところが本当にすごいなあ。

しかも質問の時にアルコール依存症の専門クリニックで働いていると言ったら、「そう言う極度の依存症の方はこの施設では扱う事ができないです」と言われた。
その言葉からもどれだけ難しい事をあのクリニックがしているのかが深く理解できる。
あの様式、形態、そしてそれを20年以上続けていると言う事。それがどんなにすごいことなのか。

院長先生の先見性と行動力。彼独自の哲学の深さと確かさ。ほんとにすごい。
そんな事を思いながら話を聴く。

そして私が計画していた事の浅はかさにも気付く。
このオランダの施設では患者さん達が作った木工作品やハチミツの商品を売っている。けれどもその売り上げだけで施設が運営されているわけではない。
殆どの費用は国から出ていると言うのだ。
その施設に半年も居たら復職できるくらいの精神疾患の人たちをそうやってケアと治療するだけでもほとんどを国に頼っているんだから、
もっと重い依存症の人たちの働きだけで施設を廻して行くのは無理だと。途方にくれる。
難しいし危険でもあるな。
また一から考え直しだな。

結局行って思ったのはその事。もう私の頭は白紙に戻った。
とりあえず今の仕事の中で精いっぱいやろうと心に思う。今の仕事の大切さがわかったんだから。

でもまああきらめないで何かの方向性を見出して行けたらなあと思う。
いつか何か出来ますように。ずっと少しずつ考える。









       
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