季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

鳴門で名画

2016-07-16 22:49:32 | 旅 Journey
甥っ子との美術館めぐりシリーズ。
今日は大塚国際美術館。徳島県鳴門。

日本一高い入館料。そして本物の絵が一枚もない。それなのに大人気!と言う不思議な美術館。

絵は全部陶器に彩色してある陶板です。
大塚製薬は鳴門の土を使ったその陶板製作の技術を開発したので、それを使って名画を再現しています。その再現力はかなりのもの。
ピカソの子孫が「こうやって保存して貰えたら、ほぼ永久に色が失われることなく保たれるので嬉しい!」と言ったらしい。


甥っ子はここのところ、偉人に興味がある。彼は興味があると言ったらずーっとしっかりとどんどん進んで行くので、今や偉人を元にして、世界中のいろんな時代の様々な分野の情報がどんどん彼に流れ込んでいます。まずは偉人の顔、そして何をやった人なのかを丁寧に大量の本やインターネットを駆使して調べ上げています。
いっつも偉人の事考えている。考えすぎて「オリジナル偉人」まで作る始末。なんじゃそれ?
それで芸術部門の偉人の作品をなるべくたくさん観れる所と思ってここに。

車やバスで行ったら、まず専用駐車場に停めます。そこからバスが常時出てるのでバスに乗って3分くらいで美術館へ。入口で駐車券を見せたら駐車料は無料になります。
入口が地下3階。そこから長~いエスカレーターに乗って着くのが地下3階。そこから地上2階までひたすら名画が並んでいます。

今回は2回目、1回目の体験を参考に。今回は一番下の階から観ます。前は上の階から観て、下のをちゃんと観れなくて残念だった。
一番下の階には古代~中世の展示。上がるほどに時代が新しくなって行きます。
入ってすぐの大きな空間がシスティーナホール。ローマのシスティーナ礼拝堂を実物大でそのまま再現してあります。

       

まあとにかくすごい大きい広い。迫力がある。
これはこんな風に観ないとちゃんと鑑賞したことにならない。この大きさで形のところでちょうど良く見えるように描かれているので。(たとえば曲線のところとか、見上げたらちゃんと見えるように絵を歪めて描いてある)
甥っ子はここだけでもう唖然としている。じっとず~っと観ている。
今まで観たミケランジェロの絵のいろいろを思い出しながら、あれがあそこにある!そこにも!って言いながら話している。
何回観てもマッチョな半裸の男性のてんこ盛り。
そりゃ司祭さんたちは毎日毎日マッチョマンのお尻を見せられて閉口するだろうけど、後になって描き加えられたぺらっとした布が余計に恥ずかしい感じになってると思うのは私だけであろうか?
ここがある意味この美術館の象徴ともいえると思うけど、ここには神様が居ない。あくまで美術作品として鑑賞する場。そう言う姿勢が一貫している。
でもそうだから遠慮なく心行くまで絵を観れる。感動を声に出したり指さしたり。

甥っ子にまだまだいっぱいあるから次いこう!と誘って次へ。

この階には古代の教会の再現もいくつも。しかもそのままの空間が立体で。
秘儀の間ってのもあったりする。秘儀の間のこの絵がオイリュトミーみたいだった。

       

世界中の教会の遺跡を観れる。やっぱりこれが面白くて、甥っ子たちも良く観てた。
もう一つ上の階と合わせて観ると、どれだけの教会を観れるかわからないくらい。
イコン、ジオット、聖フランチェスコだけ集めた部屋、グリューネバルト、ボス、ラファエロ、ルーベンスの部屋はネロに見せてあげたい。
受胎告知ばっかり集めた部屋が2つも。ここを観たらもしかして子宝に恵まれるかもしれないって思ったけど、妹が「いやいやお父さんいないからこれ」って。

上に上がるにつれて宗教色が弱くなって行って、人物画や風景がも増えてくる。
とにかく巨大な絵を再現しているところがすごくて、戴冠式や最後の晩餐、アテネの学堂が圧巻。作品によっては修正前と後の両方あったりする。
甥っ子はとにかく絵の中のどれがだれかを聞いてくる。聴いたことはあるけれど、全部は覚えてないのが残念。知ってたら良かったなあ。

陶器のような透き通る肌の再現がすごいので、透き通る肌の間もある。とにかくきれいな裸の女の人が部屋一面に。
やっちまったな~!って思って観る。夢そのもの。
他にもいろいろとやっちまった感満載。もしかして観る人が観たら怒るかもって思うところもある。そんな所だと思って見た方が良い。
ありがたいのとか宗教の事とか言いだしたら観れない。

小道を抜けて行った洞穴のような連続した真っ黒な部屋に、真っ黒な絵が並んでいる。作者の名前やタイトルなし。入口を確認したらゴヤの作だと。
この場所にこの設定である意味があるんだろう。ほんとうに背筋が震えるような恐ろしい絵。
調べてみたら「黒い絵」シリーズとしてあるらしい。
ゴヤが聴力を失ったあとに描いた絵らしい。その事は美術館の説明にもあったけど、あんまりその時はわからなかった。甥っ子が聴覚に障害があるので、妹がちょっとひっかかるなと思ってたってくらい。
聴覚って言うよりも、死ぬような体験をしてその後で描きたいものが変わったととらえて良いんじゃないかと思う。

中間にあるレストランがモネの庭に面してる。
この池の中に大きな広場があって、その周りに陶板のモネの大きな絵があるんだけど、暑くて乾いてて、あんまりきれいにみえなかった。あれはちょっと雨が降ってる涼しい日に観たら良いと思う。

       

途中で休憩しながらどんどん観て上って行く。
最後の2階は現代のものばかり。
ここらへんになると疲れてて、集中力が途切れる。さすがの私ももうあまり観る気がしない。
でもこれも計算済み。
現代の作品は日本に良く来るのもあるから実物を観る事ができる。
良く観るのとか自分が好きな人の作品はやっぱり実物と違うなあと思ってしまう。
だからそんなに観なくても良いかなあと私は思う。実物が来たらそれを観に行くのが一番良い。

とびきり古いもの、巨大なもの、風化が激しくて観ても元の姿がわからないようなものなどはここで観る価値があると思う。
遠くて観れないし、行っても観れないかも。

小学生の甥っ子たち二人が、嫌がりもせず全部作品を観て回ったのが偉いなあと思う。
甥っ子小は額縁とソファばっかり観てたけど。

観終わって、みんなで「えなみのうじょう」へ向かう。高速から鳴門北で降りたらすぐの所。
えなみくんはいなかったけど、ハウスの中を見せて貰った。思ったよりずっと広い。思ったよりキチンとしてる。
それでもトマトがジャングル。ズッキーニもジャングル。せっかく来たしと思って少しトマトを食べてみようと思ったら、蜘蛛の巣が多い。あっちにもこっちにも。
でもそれが良いんだと。余計な薬を使ってない証拠。害虫を食べてくれる蜘蛛を大事にしている証拠。

       

いくつか採ってみんなで食べる。木で熟したトマトのなんと美味しい事!これはなかなかない味。食べたら体に元気が補充される。

えなみくん。結局出かけてたらしく、うちにも居なくて会えなくて残念。
また行ってトマトをもいで食べて、たくさん持って帰りたい。海にも行きたかった。

大塚国際美術館。入館料は一人3,000円以上。会場を区切って1000円くらいで観れたら良いのになあと思う。
全部を駆け足で観るんじゃなくて、大きな作品の前のソファにすわって解説本など読みながら、心行くまでじっくりと観てみたい。














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