明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



三遊亭円朝は羽織の紐、湯飲み、扇子を残し、あとは着彩のみとなった。猫背気味でいくらか首を前に突き出している圓朝は膝に手をつきうなだれているように見える。怖い話しをしている、といえばそう見えるかもしれない。この状態だけで2、3、写真作品にする予定である。 まだ完成していないが、お盆の頃に展示したい、という申し出がある。圓朝だけは外光が入らない、暗めの照明にしたいがそれは可能だという。だったら幕末、明治の頃の高座を再現してみたい。背後に金屏風、下に緋毛氈を敷いて火鉢に鉄瓶。両脇に燭台。光量は不十分だろうが、LEDを点灯してみたい。できれば客席の目線の高さに展示してみたいが、こればかりは難しいだろう。 私は立っている人物の場合は見上げながら作る。意識してそうなったわけではないが、始めは正座で作っていたことにもよる。これは対象の人物を、尊敬の念を持って制作するには都合が良いのである。 まだ写真を始めていない頃、仕事でスタジオ撮影してもらうと、相手はプロだし、制作意図もあるだろうから何もいわなかったが、物ではなく、人間のつもりで撮ってくれ、といつも思っていた。
HP






















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