明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



納得できるだけの資料は読んだ。着彩開始。それが終わったら反撃開始である。頭の中ではずっと圓朝が周囲にヒトダマをはべらせながらこちらを見ている。見続けている圓朝もさぞ待ちくたびれたことであろう。 撮影は先になるが、牡丹灯籠も作り始めておかなければならない。もともとぶきっちょなので苦痛だがしかたがない。ジャズ、ブルースシリーズ時代の楽器を作った苦痛に比べればたいしたことはない。何しろ誰それはこんなギターを使用した、なんて決まっており、それをただ写して作るだけだから創作の快感など皆無である。それを考えれば牡丹灯籠に何処のメーカーの型番はいくつ、などないので私が牡丹灯籠だ、といえばそれで良い。 数年ぶりに日曜美術館を録画で観た。長谷川利行。そこに田端駅の機関車庫を描いた作品が紹介され、当時の風景写真が紹介されていた。調度その頃、ここの駅長が伊藤晴雨に、機関車の車輪に裸の女を大の字に縛り付け、線路のカンシャク玉を破裂させ、花火に火をつけ撮影したい、という申し出を許可したのかも、と思うと可笑しくて、頭の中で真面目に写生する長谷川利行の姿が霞んでしまった。

NHK番組サイトより

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