明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



着物の事は詳しくないが、羽織の紐の位置が、昔は今よりいくらか上についているような気がする。紋を描くのが嫌で紋付はいままで避けていたのだが、今回はしょうがないだろう。着彩はアクリル絵の具だが、服の色といえば一番好きなのが幼稚園の園服以来紺色なのにかかわらず、人形には紺系統を一度も塗ったことがない。どういう訳だか質感が気に入らないのである。座布団というと、朱色ばかり塗ってしまうので気になってはいたので、清方の私物だという圓朝図の座布団のような格子柄の布を貼ってみようか、とも思ったが、まだ接着はせず上に乗っているだけなので、とりあえず色を塗っておいた。 今のところ清方の圓朝図と同じような構図でも撮ってみようと考えている。国宝、重要文化財である肖像画の傑作に対して私もなかなかいい度胸である、この作品には表現という意味で随分勉強させてもらった。残された写真を見る限りまったく同じではない。しかしそこにこそ清方の表現があるわけで、似ていればいいならコンピューターで何でもスキャンすれば良いし、写真が発明された時心配さたれたように絵描きは失業していただろう。であるから清方と同じ構図で、などと大胆なことをやりたくなるのだが、それは清方の圓朝と私の圓朝が似ているからではなくむしろ違うからである。 清方の作品は薄くてペラッペラだが、こっちは厚みがあってずっと重い。本日のブログはここで笑わなければ笑うところはない。

HP

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )