職員、母を含めて160人超、80パーセントの陽性者を出し、ニュースにもなった施設に「未だに平熱は続いていますか?」と電話すると「そうなんですよ。変わりないんです。」酸素濃度98パーセントだそうで、あと数日で2週間である。90過ぎているから予断を許さないものの、とりあえずは安心した。 職員の”そうなんです。変わりないんです。“の声の調子に含まれるニュアンスですぐに判った。自分だけは他の連中と違って、職員の手助けして感謝されてるのだ、と調子良くやっているに違いがない。電話口で息子です、と名乗ると、毎回この空気を感じる。どうもすいません、と口にしそうなのを、なんとか飲み込む。区だけでなく都も介入したそうで現在1Fフロアは医療機器だらけだそうである。差し入れも可ということなので、近々送ろう。 日曜美術館は「私は天使を描かない、なぜなら天使を見たことがないから」のクールベであった。陰影から足を洗って良かった、と天使ならぬ仙人を作っている私であった。