夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

本のはなし『国宝』

2022年05月05日 16時46分05秒 | Weblog
『悪人』『怒り』など映像化された作品でも知られる吉田修一が原作の『国宝』(上・下)。
この作品は芸術選奨文部科学大臣賞と中央公論文芸賞をW受賞した。

まず言う。すごい本だと。

任侠の家に生まれながら、その美貌と素質を見そめられ上方歌舞伎の大名跡一門に預けられる。その名は立花喜久雄。
一門には、跡取りと認められた俊介がいたが、まるで兄弟かのように育ち、互いに芸を高めていく。

極道から梨園へ。宿命を背負いながらも喜久雄は、芸道に命を捧げていく。
部屋子と御曹司。やがて、激動の人生を歩むこととなり、、、。

本を読みながら、まるで歌舞伎を観ているよう。その圧倒的な筆致と表現で、一気に読み進む。
そして、喜久雄の天才であるがゆえの孤独と舞台への執念を感じつつ、ラストシーンへ。

歌舞伎文化と積み重ねてきた歴史。
自然と歌舞伎に興味をもってしまう。