カツヤマサヒコの小説を映像化。2021年12月31日公開作品。監督は松本花奈。
明大前で開かれた退屈な飲み会に参加していた“僕“(北村匠海)。「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」
の16文字が“彼女”(黒島結菜)から届く。そこから始まった、沼のような5年間。
一瞬で彼女に一目惚れした僕。下北沢のスズナリで観た芝居、高円寺で一人暮らしを始めた日。
好きで好きでたまらなかった彼女との日々。
社会人となった僕は、“こんなはずじゃなかった人生”を体験していく。夢に見ていたのとは違う
現実。彼女のことや親友との時間が懐かしい。
そして、彼女と再会したとき、僕は彼女の真実を知ることになる。
それでも歩き続けるしかない、僕は新たな夜明けを迎えて前を向く。
“明大前から始まる恋”というと、『花束みたいな恋をした』のように、大学まで持っていた夢や
理想は現実とは違う。“もう別れましょう的な“話かと思っていた。確かに、就職をして自分の思って
いたこととは違っていたというのは描かれているが、この作品には強烈な“オチ”がある。
黒島結菜が演じる“彼女“の秘密がカギを握る。
それを受け入れて、人生のマジックアワー(明け方の一瞬の美しい景色)を迎えようとする若者の話
となっている。
主題歌はマカロニえんぴつ。作品と同世代の人たちに観てほしいのだと思われる。
僕の会社の同期で親友となる尚人を演じるのは井上祐貴。偶然出会うデルヘル嬢には佐津川愛美、
僕の母・知子を高橋ひとみ、明大前で沖縄料理店の女将を演じるのは濱田マリ。
希望どおりの配属にならなかったり、変わり者の先輩がいるとかは、会社あるあるだと思う。