夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『落下の解剖学』

2024年03月12日 08時15分14秒 | Weblog

落下の解剖学

 2023年、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドール賞を受賞した

作品。長編4作目となるフランスのジャスティーヌ・トリエが監督を務めた。

 

 人里離れた雪山の山荘で、視覚障害のある11歳の少年が血を流して倒れている父親・ヴィン

セント(スワン・アルロー)を発見する。悲鳴を聞いた母親のサンドラ(サンドラ・ヒューラ

ー)が救助を要請するが父親はすでに息絶えていた。当初は転落事故として扱われていたが、

不審な点も多く、殺人事件としての捜査となり、ついに妻の人気小説家であるサンドラが容疑

者となり裁判が始まる。

 息子に無実の罪を伝えるサンドラだが、事件の真相が暴かれる中で、本当の夫婦仲や隠され

た秘密、嘘が明らかになっていく。登場人物の数だけ視点が変わり、真実は何なのかを観る者

に考えさせていく。

 

 冒頭のシーンのみが事件性を表すほかは、ほぼ法廷劇となるヒューマンサスペンス。この法廷

劇が二転三転。事件には関係ないことをネチネチ突かれたり、劇場型で裁判が進むなど、やっぱ

り当事者になるのは嫌だとの気持ちが湧く。物語としては、最後にあとひとひねりがあるかも?

と思いつつ鑑賞してしまうであろう。

 

 ☆鑑賞当日の3月11日は第96回アカデミー賞の発表がされていた。最優秀脚本賞を受賞してか

らの鑑賞となったが、当方が座席指定をしたときより、座席が埋まっていた。長い上映時間で、

法廷シーンがメインでありながらも飽きさせないその会話劇は、まさに最優秀脚本にピッタリだ。