大物狙いで空振りばかりしている古物商の小池則夫(中井貴一)は、お宝を探しに大阪の堺にやってきた。
ひょんなことから出会ったのは、腕は立つのにくすぶれていた陶芸家の野田佐輔(佐々木蔵之介)。
お互い不平を言いあっていたところ、ある大御所鑑定士(近藤正臣)にいっぱい食わされ、足を引っ張られていたことを知る。
そこで、小池と野田は結託して、〝幻の利休の茶器〟をつくりあげ、大御所鑑定士に一泡吹かせようと一発逆転の大勝負を仕掛ける。
ベテラン俳優たちが、丁々発止。バラエティー豊かで、誰もがコメディ向きというなんとも言えないキャスト。芸達者たちが、軽妙に物語を進める。
誰がどうだまし、だまされているのか、最後にちょっとしたオチも。
日本人向きの日本人らしい骨董ロマンがちりばめられているが、大どんでん返しな展開はないので、なんといっても高齢者はとっつきやすい作品だろう。大阪では、堺が舞台ということもあり、撮影場所を知っているといった話が聞かれた。
中井貴一の娘には森川葵、佐々木蔵之介の息子には前野朋哉。ほかに、友近、堀内敬子、坂田利夫、芦屋雁之助、近藤正臣など。
監督は『百円の恋』の武正晴。