ドラマからの人気シリーズ「新参者」からの映画化。連続ドラマ、スペシャルドラマ、映画『麒麟の翼 劇場版・新参者』に続く。原作は東野圭吾の人気推理小説。阿部寛が主人公の加賀恭一郎を演じる。
これまで描かれなかった父との確執、母の失踪といった加賀自身の謎も明らかになる。
東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人は姿を消し、なぜ滋賀県在住なのに東京で殺されたのか、なぜやって来たのか。その住人と押谷との接点が見つからず捜査は難航する。
そんな中、押谷が中学校の同級生である舞台演出家の浅居博美を訪ねていたことが判明。浅居と加賀のつながりも含めて、徐々に事件が解明されていく。
浅居博美を演じるのは松嶋菜々子。ほかに、小日向文世、山崎努、及川光博、伊藤蘭、溝端淳平、田中麗奈などが顔をそろえた。
大袈裟な犯人追跡や追い込みがないのが、本シリーズの特徴である。普通に平穏に過ごしたいと思っている人が、何かのボタンの掛け違いで、誰でも殺人を犯してしまう可能性がある。そういったことを描いてきたが、今回も同じ。監督が福澤克雄になってもスタンスは変わらず。真面目に生きてきた人がなぜ犯罪に手を染めたのか?犯罪の影の部分、人物の背景や環境を映し出すことに努めている。刑事ドラマというより人間ドラマの観点にあるので、鑑賞後にすっきりできてしまう。
(公開は1月27日)