昨年9月半ばの民主党代表選で菅直人を支持、対抗馬小沢一郎の悪口を仁義もなく言い振らしていた民主党副代表の坊主憎けりゃ、袈裟まで憎しの石井一がここのところマスコミに取り上げられ、一躍脚光を浴びることとなった。
菅仮免のマスコミ釣りが芳しくない評価・評判が多いことを反映してか、石井一の今回のマスコミ釣りも同種の扱いとなっている。
石井一は民主党の副代表を務めている。民主党最高顧問が羽田孜と渡部恒三。最高顧問というのはお飾りに過ぎないだろう。
党代表が菅直人。代表は党のトップ。これ程までに無能・無指導力のトップというのも珍しいが、このことが統一地方選大惨敗に代表される今日の民主党の体たらくを招いている。
代表代行が仙谷由人。かつて影の総理大臣であったばかりか、影の党代表と言ったところか。だが、誰が影に控えていようと、影が表を補って全体の底上げを図るところまでとてもとてもいかないのは表の無能が底なしであることを物語って余りある。
そして副代表が筆頭が石井一で、山岡賢次と直嶋正行と鉢呂吉雄と岡崎トミ子と石毛子の6人。大盤振舞いの一山いくらの叩き売りといったところか。
ところがこの民主党副代表兼民主党東日本大震災対策本部副本部長が大震災対策をほっぽらかして「日本・フィリピン友好議員連盟」のメンバーとしてフィリッピンに行き、ゴルフに打ち興じていた。
「日本・フィリピン友好議員連盟」のメンバーとしての行動だから、当然公務となる。勿論、単なるメンバーというだけではなく、民主党筆頭副代表という地位と東日本大震災対策本部副本部長という地位を同時に背負った公務であるはずだ。
どのような場面でも民主党筆頭副代表としての器量・品格を常に内に秘めていなければならないことは断るまでもないし、東日本大震災は日本一国で終わる問題ではなく、各国から援助を受けていると言うことだけではなく、経済的影響や原子力政策に関して深く世界が関わっている問題でもあるのだから、民主党東日本大震災対策本部副本部長としての使命感を震災問題が解決するまで常に頭に置いて行動しなければならないはずだ。
その使命感を打ち忘れてゴルフに打ち興じていたのだから、その時点で既に民主党筆頭副代表としての器量・品格を失っていたと看做さざるを得ないことになる。
尤も党代表の菅直人からして器量・品格を持ち合わせていないのだから、いくら筆頭副代表だからといって、右へ倣えで持ち合わせていないのも無理はないとするなら、今度は菅内閣の人事に於ける人材の問題へと波及することになって、それまでの話とはならない。
《民主・石井副代表ら、比でゴルフ 「目につかないと思った」》(47NEWS/2011/05/06 10:37【共同通信】)
5月5日、大震災被災者が今なお不自由な避難生活に苦しめられていることなどスッカラカンのオッパピーで忘却の彼方に打ち捨て、マニラ首都圏郊外でゴルフに打ち興じた。
つるんでいたのが反小沢で有名な生方幸夫元副幹事長と反か親か、那谷屋正義(なたにや まさよし)参院議員。石井一と生方が反小沢だから、つるんでいる関係からして一人だけ親小沢と言うことはないから、那谷屋にしても反小沢に違いない。
外国に出たとしても、民主党東日本大震災対策本部副本部長としての使命感を常に担って行動しなければならないにも関わらずその使命感を打ち忘れた石井一とつるんで共々ゴルフに打ち興じたのから、生方も那谷屋も同罪だろう。
同罪の那谷屋が正義(せいぎ)という字を当てて「まさよし」と読ませているこの逆説は何を意味するのだろうか。
石井一は東日本大震災後、ゴルフをするのは初めてだと記事は書いている。
石井一「国外であれば目につかないと思った。被災者の方から見れば『何だ』という気持ちになるでしょうね。あくまで公務」
公務だから許されると思っているらしい。公務には常に民主党副代表、民主党東日本大震災対策本部副本部長という肩書き・使命がついて回るからこそ問題だという認識がない。
だが、ゴルフに打ち興じたことに被災者に対して少なからざる罪悪感を感じていた。その罪悪感を大切にするどころか、「国外であれば目につかない」からと抜け道を策した。被災者に対して誤魔化しを働いたことになり、余計に始末に悪い。民主党筆頭副代表としての器量・品格を打ち捨てたも同然である。
いや、既に触れたように最初から持ち合わせていなかったとしたら、いくら党代表の菅直人に見習って持ち合わせていないとしても、こういった不謹慎な問題を起した以上、本人の問題と言うだけではなく、党代表としての菅直人の任命責任も問わなければならなくなる。
《ゴルフ「もう少し自制してもよかった」 石井氏が党地震対策副本部長を辞任》(MSN産経/2011.5.9 19:36)
石井一は昨5月9日、党地震対策本部副本部長を辞任することを岡田克也幹事長に申し出て了承され、生方は衆院消費者問題特別委員の辞任を党執行部に申し出、那谷屋は西岡武夫参院議長に参院総務委員長の辞任を申し出て、三人揃って討ち死にを果たした。
だが、石井は民主党副代表の職を辞任していない。
石井一「被災者に聞けば、ネガティブな反応は出るだろう。不適切とは認識していないが、もう少し自制しても良かった」
あとで気がつく寝小便だが、「不適切とは認識していない」という認識能力は如何ともし難い。この程度の認識能力しか持ち合わせていない政治家が一政党の筆頭副代表を務めている。
民主党筆頭副代表としての器量・品格までが問われているということが認識できない。
岡田幹事長(記者会見)「被災者の気持ちを考えるとあまり適切ではなかった」
岡田幹事長にしても民主党東日本大震災対策本部副本部長としての使命感だけの問題ではないという認識を持てずにいる。
菅内閣の人事はどうなっているのだろうか。類は友を呼ぶで、同質・同程度の人材が並んだということなのだろうか。
石井一の職務上の器量・品格に関しての5月9日の党役員会での発言を次ぎの記事が伝えている。《石井一氏が震災対策副本部長を辞任 ゴルフ問題批判受け》(asahi.com/2011年5月9日21時46分)
記事は書いている。〈副本部長の辞表を提出したが、副代表や選対委員長は続投する意向だ。〉
石井一「迷惑をかけ議会人として反省している」
議会人としての器量・品格を欠いていたことの反省であろう。そこまで認識できるなら、民主党の幹部としての行動でもあったのだから、なぜ一歩踏み込んで民主党筆頭副代表としての器量・品格を欠いていたことへの認識が持てないのだろうか。
この責任を果たすには副代表辞任以外に道はないと思うが、それを許す民主党なら、国民の政治不信をなお一層招くだけのことだろう。
参考までに――
2010年3月20日記事――《小沢独裁体制批判からの副幹事長解任に見る民主党生方氏自身の功罪 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》
2010年3月24日記事――《生方議員の小沢幹事長辞任要求意志に反する副幹事長続投容認 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》
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