■岐阜基地隣接の航空宇宙博物館
1966年7月初飛行したP-2J対潜哨戒機は、1956年に16機が供与され川崎航空機(現川崎重工)により48機がライセンス生産されたP-2V-7対潜哨戒機と1957年4月から60機が供与された沿岸哨戒用のS-2F1対潜哨戒機の後継として製造されたものである。今回はJDAM搭載F-2を撮影した日に撮ったP-2Jの補修完了を特集したい。
P-2V-7との相違点は、エンジンをT-64タービンエンジン化、補助エンジンもJ3に換装し、胴体を1.3㍍延長、通路も高さを改修し屈まず歩けるようになった。レーダーを最新型のAPS-80に、ソノブイ系統やESM,MADも換装され、戦術航法士席を新設、ASA-16(もしくはHSA-116)戦術指示装置により高度なASWを展開出来た。
このP-2J対潜哨戒機は川崎重工において83機が製造(内一機は試改造機)され、驚くべきことに全機墜落による損耗ゼロつまり無事故により任務を完遂した。このうちの一機が岐阜基地に隣接する“かがみがはら航空宇宙博物館”に保存展示されている。
“かがみがはら航空宇宙博物館”は、先日T-1B練習機が搬入され、ブルーインパルスカラーのT-2練習機と並び屋内展示されており、STOL実験機飛鳥など貴重な機体が屋内展示されているが、何分、無料で見ることの出来る屋外展示機については、風雨による劣化が著しく、昨年12月に展開した際には、P-2Jは機体全体の補修作業を行っていた。
この他、名古屋市消防局において運用されていた消防ヘリや、陸上自衛隊で運用されていたV-107輸送ヘリ、日本航空機製造の国産旅客機YS-11、海上自衛隊で運用されていた哨戒飛行艇PS-1などが野外展示されており、残念ながら劣化が進んでいるのも事実である。
しかしながら、冒頭にあげた写真のように、予算さえあれば現役時代の機体と遜色ない程の補修が可能である(ただし外装だけであり、コックピット内部などの日光などによる劣化が著しいのも事実である)。小牧の航空館boonと異なり、入場料金が必要ということもあるが、規模は大きく、一見の価値はある。小生もここしばらく行っていない為、改めて行ってみたいとおもう。順番としてはその隣のPS-1が補修されるのだろうか、入場料金として小生も補修費の足しになるよう来月あたり展開したいと考える次第だ。
HARUNA
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