■海上自衛隊YS-11M輸送機
T-3が昨日も一昨日も飛行していたという情報はさておき、日本のエアラインからYS-11が引退して久しいが、現在もYS-11は日本国内では海上自衛隊、航空自衛隊、そして海上保安庁が運用を続けている。
本日、出先にて偶然YS-11Mを撮影する機会に恵まれ、その写真を掲載したい。海上自衛隊では、人員及び貨物輸送用に1966年から1973年にかけてYS-11Mを導入し、現在は全機、厚木基地の第61航空隊において運用している。加えて1969年より対潜哨戒機の乗員訓練用にYS-11TAとして下総基地第205教育航空隊に6機を導入しており、海上自衛隊では計10機が運用されている。
第61航空隊は1971年にYS-11、R4D-6を運用する海上自衛隊唯一の航空隊として発足し、2001年12月10日には、搭乗者100万人を達成している。1971年といえば、海上自衛隊厚木航空基地分遣隊が発足した年であり、航空集団司令部が置かれる今日の海上自衛隊航空の一大拠点、厚木の第一歩が記された年である。
YS-11Mは、総重量24.5㌧、全長26.3㍍、全幅32.0㍍、ターボプロップ双発の出力6050馬力で速力は249ノット。日本航空機製造のYS-11は1962年に初飛行、182機が生産された。しかし、海上自衛隊にYS-11が導入された1966年はP-2J初号機が完成した年でもあり、民間エアラインが放出した大量の予備部品があるとはいえ、老朽化が進展していることも事実である。
YS-11特集ということでアーカイブスより航空自衛隊の飛行しているYS-11を掲載したい。航空自衛隊は、貨物・人員輸送用に13機のYS-11を導入している。人員輸送型をP型、貨物輸送型をC型、汎用型をPC型と区分しており、写真は美保基地のYS-11P,この152号機はVIP仕様機であり、機体後方にラウンジを設けている。これにより定数は60名から28名となっている。
YS-11FC,Flight Checker,つまり飛行点検機である。3機が運用されており、機内には航空通信施設、自動点検装置などが搭載されている。なお、この他に入間基地総隊司令部飛行隊の電子支援隊、電子飛行測定隊に電子戦支援機YS-11Eを4機保有している。海上保安庁ではYS-11型飛行機の後継にDHC-8を内定させているが、自衛隊用YS-11の後継機の選定には今しばらく時間がかかるといわれている。
HARUNA
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