■書店順行
今日ではWebによる資料収集は非常に容易になったが、他方で学術研究におけるWeb利用は規定上、引用が難しいということもあるが、情報収集の手段といっても、資料そのものよりも資料の情報を収集する分野で用いられ、このほか、官公庁や論文のPDF文書を補完的に用いる程度であり、その主体は依然として書籍にある分野が多い。
しかしながら、書籍とは、余程売れているものを除き、研究書や専門書は、出版から五年ほどを経ると途端に入手が困難なものとなる場合も少なくない。だが、課題となれば、如何に入手困難であろうとも、入手するより他に無い。
そうした理由で、小生はその書籍を入手すべく、書店に向かった。2002年に日本語訳が出された国際政治に関する書籍なのだが、多分、入手は容易だろうとの事で、河原町三条にある京都市屈指の書店に向かった。ジュンク堂BAL店は比較的新しいく出来た書店であるものの、特に研究書の類を含め充実している。
しかし、残念ながら店頭には無いとの事で、取り寄せになるという。Web注文であれば三日ほどで届くものが多いが、店頭注文ではそれより遅く、三週間ほどかかるものもある。今日明日中に入手したい小生はそのままジュンク堂京都店に向かう。
ジュンク堂京都店は、四条高倉バス停付近にあり、建物丸ごと書店という、これまた京都最大級の書店である。各階毎に専門書が集積されており、サービスカウンターが併設、したがって必要とする書籍を効率的に探すことが出来る。
期待して探すが、ここにも無い。河原町三条付近には比較的大きなブックファースト、四条河原町付近には洋書から万年筆まで揃う、丸善があったのだがあ、残念ながら閉店されてしまった為、河原町周辺で大型書店といえばこのジュンク堂である(大垣書店も烏丸御池駅の近くにあるけれども、専門書はほとんど置かれていない)。
入手の必要性が高かった為、そのまま京都駅に向かう5系統バスに乗る。河原町通りからならば205系統であるが、ジュンク堂京都店からは5系統が便利である、その共通点は両方ともこの近辺では超満員であるという点だ。
かつては、京都近鉄百貨店に旭屋書店があり、ここもかなり充実していた。経済系の書籍はジュンク堂京都店か、旭屋書店でよく見つけることが出来たが、と考えつつ京都駅を越える。新幹線乗り場のあたり、向こう側に目指す書店がある。
このアバンティの書籍売り場は、国際法の教授に中々品揃いが良いとお教えいただいたもので、ここも比較的規模が大きいものの、端末で調べると在庫無し、聞いてみても結果は同じ、残念ながらここでも入手することが出来なかった、困った、どうしようか。
考えても仕方がないので、そのまま大阪梅田を目指し、阪急特急に飛び乗る。阪急梅田へは特急電車の運行本数が多く、また烏丸~梅田390円と比較的安価でもありことから、京都~大阪でも気軽に展開できる(ちなみに京都~神戸は三ノ宮まで600円)。
梅田駅、大阪駅と、阪急、阪神、JR、市営地下鉄が乗り入れる文字通り交通の中枢、そこから地下道を利用し少し足を進めると旭屋書店がある。8階の書店で、京都では入手できない専門書も置かれていることが多い。
1階に新刊と雑誌、2階に文庫新書にDVD、3階に金融政治経済法律、4階に歴史宗教教育、5階に医療介護音楽、6階にコンピュータとDVD、7階に児童書、8階に鉄道と軍事、そんな書店であるが、探す書籍は在庫無し。
だんだん自信がなくなってきた。だめもとで、通りの反対側にあるブックファーストへ。駅前などに多い書店であるが、正直、河原町三条にあったものを除けば、そこまで品揃えが良い印象が無い。阪神百貨店のとなりにあり、行きがけに寄ったというものである。
端末で検索すると・・・、“在庫1”、・・・、うわ~アパム~弾持って来~い!間違えた、この本を出せぇ~、そんな感じで叫びたいほどである(叫んでないよ、念の為!)。1階に新刊・雑誌・文庫・新書、2階に専門書、3階に洋書や実用書があるが、大阪で漸く見つけられたのは嬉しい限りだ。
JR大阪駅でゆっくりと珈琲を楽しむ。探していたものが見つかったので心の余裕も大きい。京都から大阪へ、図らずも移動してしまったが、すぐに入手することが出来、早速、プレゼンテーションに向けて要約とレジュメの作成に取り掛かったということは言うまでも無い。以上が書籍探しの顛末である、お帰りはこちら。
HARUNA
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