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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

速報! 航空自衛隊 岐阜基地航空祭2008 (2008年11月30日)

2008-12-01 21:03:07 | 航空自衛隊 装備名鑑

■2008 GIFU AIR FESTIVAL

 本日は、昨日11月30日に開催された岐阜基地航空祭2008の速報記事を掲載したい。飛行開発実験団が展開する岐阜基地は、航空自衛隊の保有する大半の固定翼機が装備されており、見どころの多い航空祭だ。

Img_8751  岐阜基地航空祭2008は、基地広報によれば入場者は11万8000名、大変な盛況であった。あたかも僚機から撮影したような情景は、F-15イーグルによる迫力の機動飛行。やや雲海が満ち潮のように寄ってくる天候を追い払うように、飛行開発実験団が保有する各種航空機のエンジンから咆哮が迸った。

Img_9489   青空を背景に見事な編隊で離陸するF-4EJ。こう言う写真が撮りたかった!。F-4EJも負けてはいない。ファントムの愛称にもかかわらず、J-79のエンジンが放った轟音は力強く来場者の脳裏にも残るほどの余韻を残した。航空自衛隊最古参の要撃機、しかし、国土防空の一翼を担う精鋭の機種には変わり無い。

Img_8726   晴れ渡った空を背景に、飛行開発実験団ならではの多機種編隊飛行。今年も見事な天気に、といいたいところだが、前述したように雲海が岐阜基地上空を覆ってしまうこともあり、ブルーインパルスの飛行では、完全に曇天となってしまった。この写真も雲の切れ目から射し込む陽光に、一瞬照らされた機体が写るよう、連続シャッターにて撮影した次第。

Img_0181   異機種大編隊による航過飛行。例年と異なり、岐阜基地航空祭2008プログラムでは、ブルーインパルスの飛行展示に続き、実施された。理由は、ラストフライトのパイロットへのお別れセレモニー(花束贈呈と、・・・、やっぱり放水)を実施するため。三回に渡り航過を実施、合間には小牧基地から展開したC-130Hが航過飛行を展示。

Img_9930   こちらは滑走路北側メイン会場の地上展示機。上までの飛行展示写真は、主として南側海上で撮影したもの。こちらからは、地上展示機について簡単に掲載したい。写真は、今年の目玉のひとつ、T-2CCV試験機。CCVとは、Control Configured Vehicleの略で、フライバイワイア操縦システムやカナード翼による高度な機動性を航空機に付与させる研究に用いられ、その技術はF-2の開発の重要な基礎となった。現在は退役し、岐阜基地にて永久保存されている。

Img_0045   岐阜基地航空祭地上展示二関するお知らせが岐阜基地HPに発表されたさいに、驚かせた二機、手前の機体は日本に(正確には世界に)一機しかないEC-1電子戦訓練支援機。奥の機体は、恐らく航空祭の地上展示としては初参加となるKC-767空中給油輸送機。小牧基地にて、飛行開発実験団により部隊運用に向けた試験が実施されている機体だ。

Img_9980_1   今年の岐阜基地航空祭は、テーマをつけるとしたら、地上展示については、“航空機に注意”というべきだろうか。地上展示機として、T-4練習機、T-7練習機、F-4要撃機、F-2支援戦闘機、F-15要撃機、T-400練習機、E-2C早期警戒機、EC-1電子戦訓練支援機、KC-767空中給油輸送機、F/A-18C(当日不参加)、T-2CCV研究機、AH-1S対戦車ヘリ、UH-1多用途ヘリ、とあった。

Img_9769   岐阜基地の飛行開発実験団には、航空自衛隊の大半の航空機が運用されているため、外来機種の割合が比較的少ない岐阜基地航空祭は、同時に運用試験を行う様々な装備品の展示が行われる航空祭である。見落としには注意しなくてはならない。たとえば、このASM-2を四発とAAM-3にポッドなど搭載したF-2。周囲に赤外線誘導GCS-1装備型500ポンド爆弾やJDAM、AAM-5空対空ミサイルなどが展示されていた。

Img_9789   無人機(UAV)。F-2のとなりでひっそりと展示されていた。無人機システムの研究として技術研究本部が試験中の機体。驚いた隣の御仁、「こ・これは、あの今話題の無人ミサイル・・・」と。ううむ、ほかのミサイルは有人のような言い方だ。F-15などから射出し、偵察を行った後、基地に着陸するという、往還が可能な無人機。展示して良いの?と聞いてみたりもしたほど。

Img_9892   地上展示されたF-15イーグル。928号機、つまり近代化改修機だ。IRST(前方赤外線監視装置)がコックピット前に装着されている。とりあえず、F-15近代化改修に関する記事は→http://blog.goo.ne.jp/harunakurama/d/20080228をご覧ください。IRSTについては→http://blog.goo.ne.jp/harunakurama/d/20080608を参考にどうぞ。

Img_9844   近くにいた親子連れの方からである、「パパー、スーパーイーグル!」っていう声が聞こえてきた。・・・、よくみればこちらも942号機!、つまりこちらはF-15近代化改修試作形態2型の機体が展示されていたのだ。近代化改修されたF-15は形態1型と形態2型の各一機、つまり、今年の岐阜基地航空祭には、F-15J改が二機とも地上展示されていたのだ。それにしても、スーパーイーグルと表現したまだ幼稚園くらいの小さなお子様、見分けが難しい近代化改修機を一発で見分けた、将来はきっと大物になるに違いない・・・。

Img_9203   地上展示機には様々な見どころがあり、米軍機は不参加であったものの、今年は見どころが多い、当たり年!岐阜基地航空祭2008だったのかな、とおもいつつ曇り空とブルーインパルスを撮影した。曇りということは、逆光になる南側地区からも多少は良い撮影環境であったということで、良かったかも。

Img_0231   南側の保存展示区は、ちびっこ広場として開放されていた。コックピットの展示では、ラストフライトを飾ったT-2練習機107号機とF-104が公開されていた。なお、こちらの展示機は、写真の通りさわり放題&乗り放題!。かつて大空を飛び回った機体は終日、お子様たちを一日搭乗員として迎えていたようだ。

Img_0184_1   さて、航空祭、すべての展示が終了し、ブルーインパルスも帰投フライトを実施。これを撮影してのち、さあ帰ろうか!というときに、C.ジョニー氏が駆け出した。出たかUFO!?と思い小生も倣うと、なんと50周年記念塗装のC-1輸送機だ!。地上展示機区からは見ることが出来ない位置にいた特別塗装のC-1、最後まで油断禁物、航空機に注意!だ。

Img_0051   航空機ではないけれども、驚いたのは、航空自衛隊にパジェロが遂に導入されていた、ということ。細かいことだが、前に記事で掲載したように、航空自衛隊の車両は、あまり長距離を走らないので寿命が長い、なかなか新型車両が入らないのだが、その航空自衛隊に陸上自衛隊の73式小型トラック(新)ことパジェロが入っていた。第2補給処の車両でした。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (3)
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