北大路機関

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USS  CVN-72 “GEORGE WASHINGTON”  in YOKOSUKA

2008-12-20 17:59:42 | 在日米軍

■横須賀の原子力空母ジョージ・ワシントン

 今年9月25日、アメリカ海軍横須賀海軍施設に、原子力空母ジョージ・ワシントンが前方展開され、12月6日には一般公開された。同日は多忙につき足を運ぶことができなかったが、このほど、空母ジョージ・ワシントンの鮮明な写真を撮影することができたため、お伝えしたい。

Img_2086  ジョージ・ワシントンが原子力空母として就役したのは、1992年の独立記念日にあたる7月4日。湾岸戦争が停戦し、ソマリアへの米軍介入が準備されている国際情勢を背景に、満載排水量102000㌧、全長332.9㍍の巨大な空母は、ニミッツ級原子力空母の六番艦としてアメリカ海軍に配備された。

Img_2027  東西冷戦はひと段落し、ソ連崩壊により、世界葉新しい時代を迎えようとする中、ソ連が建造した、最初にして最後の正規空母トビリシが、艦名をアドミラル・ゴルシコフと改め、母港のある黒海からボスポラス・ダータネルス海峡を抜け地中海に展開、世界の海事関係者から注目を集めていた時代である。

Img_2030   ソ連が冷戦に間に合わず、ようやく正規空母らしき艦船を建造した頃に、ソ連は崩壊、ロシアに国家承継された。当然、航空母艦同士の海戦は、第二次大戦以降起こり得ず、かつて海戦の主役であった航空母艦は、冷戦時代の大国間における大規模武力紛争不在の時代を経て、戦力投射の母体であり、抑止力の象徴というような地位を固めたようだ。

Img_2050  ジョージ・ワシントンが就役した時代、日本へは、前年の空母ミッドウェーが除籍かれ、空母インディペンデンスが横須賀に前方展開された年。その年の横須賀海軍施設一般公開には、新空母を一目観ようと12万もの見学者が押し寄せたとのこと。同じくアメリカ本土では練習空母レキシントンが除籍され、空母アメリカが後継の練習空母に就いた時代だ。

Img_2077  ジョージ・ワシントンが就役した頃に、海上自衛隊では、次期輸送艦として8900㌧型、つまり、今日の“おおすみ”型が計画されている頃で、第3護衛隊群には、“あまつかぜ”が現役、まもなく、護衛艦8隻、艦載哨戒ヘリコプター8機を基幹とした八八艦隊の四個体制が完成しようとしていた時代で、随分昔のように思えてくるのは当方が若いからだろうか。

Img_2176  冷戦終結ソ連崩壊を背景に就役した原子力空母ジョージ・ワシントンは、その大きな船体と原子力推進という機動性の高さから、フロム・ザ・シーやテロとの戦い、という新しい時代の軍事力に対する多彩な要請に応え、今日では、太平洋正面における従来型武力紛争をも見据えた任務に対応するべく、こうして横須賀を拠点として構えている。

Img_2431  さてさて、今回の一連の写真は、横須賀のヴェルニー公園から毎日運行されている“横須賀軍港めぐり”の船上から撮影したもの。空母ジョージ・ワシントンは、地上からは見えにくい位置に停泊しているため、“横須賀軍港めぐり”から風景がいちばんである。運賃は1200円、長浦地区などもまわり、さまざまな艦艇をみることができる。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (9)
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