■自衛隊関連行事2008
まもなく2008年もおわり、明日が大晦日である。そこで、本日は今年展開した自衛隊、米軍関係の記念行事全16を概括して掲載したい。
第一空挺団創設記念/習志野駐屯地祭(4月6日)。中央即応集団隷下におかれた日本唯一の空挺部隊であり、その精鋭さは全自衛隊に響き渡る。首都防衛から周辺事態にまで対応する緊急即応部隊として知られる部隊。式典は快晴に恵まれ、満開の桜を背景に、部隊整列、観閲行進、降下展示などを実施した。空挺用89式小銃や9ミリ機関けん銃などに加え、機械化が進む空挺団の姿を展示した。
第1師団創設記念/練馬駐屯地祭(4月13日)。首都防衛を担う第1師団の創設記念行事、早朝まで降っていた雨もおさまり、石原東京都知事臨席のもと式典が行われた。観閲行進では、頭号師団といわれるだけに高機動車と普通科隊員が揃った行進をみせ、訓練展示では創意工夫に溢れた戦闘展示を実施した。重火器こそ少ないが、近接戦闘を筆頭に高い訓練を重ねた精強な師団という印象を与えた行事だった。
第33普通科連隊創設記念/久居駐屯地祭(4月27日)。第33普通科連隊は、中部方面隊で最初に軽装甲機動車を受領した部隊であり、近接戦闘から野戦まで鍛えられた連隊だ。久居駐屯地も、旧軍から数えて創立百周年という記念すべき駐屯地祭であった。式典は訓練場にて実施され、観閲行進、訓練展示などが実施された。
岩国日米フレンドシップデイ(5月5日)、アメリカ海兵隊岩国航空基地の一般公開行事で、米軍再編により厚木航空基地の空母航空団が移駐する予定の基地であり、恐らく展開する部隊としてはアジアでも有数の航空基地となるだろう基地の一般公開。海上自衛隊岩国航空基地展開部隊や、航空自衛隊などの航空機も外来機として地上展示や、飛行展示に参加した。
中部方面混成団創立記念/大津駐屯地祭(5月11日)。新しく第2教育団と、即応予備自衛官主体の第47普通科連隊を中心に編成された中部方面隊直轄部隊である中部方面混成団の創立以来最初の駐屯地祭。第2教育団の前期教育中の二個教育大隊による迫力の徒歩行進と、第47普通科連隊による訓練展示などが展示された。
第3師団創設記念/千僧駐屯地祭(5月18日)。伊丹市に司令部を置き、京阪神地区を中心に近畿地方の防衛警備および災害派遣を担当する第3師団の創設記念行事。各連隊には複数の中隊が軽装甲機動車の配備を受けており、通常の戦闘はもちろんのこと特殊武器防護隊などを有する政経中枢師団として、訓練に励んでおり、観閲行進では充実した装備を誇示した。訓練展示は野戦と近接戦闘を織り込んだ迫力の内容であった。
第1警戒群開庁記念/笠取山分屯基地祭(6月1日)。三重県に置かれているレーダーサイトで、約200名の隊員が防空へ電子の目を光らせている。例年、霧に悩まされることで有名な行事であるが、今年は快晴。分屯基地の装備品などが開放され展示されるとともにAH-1Sによる飛行展示やT-4による編隊飛行などが展示された。
富士学校・富士教導団創立記念/富士駐屯地祭(7月20日)。陸上自衛隊の普通科、機甲科、特科部隊の職種教育及び戦術研究、装備品の評価試験などを行う部隊であり、加えて機械化された普通科連隊や自走火砲、五個中隊基幹の戦車部隊などを有する日本屈指の機械化部隊としても知られる。90式戦車、89式装甲戦闘車、99式自走榴弾砲、MLRS,88式地対艦ミサイルなどが登場し、観閲行進、訓練展示ともにさすがの迫力であった。毎年観覧席の位置の悪さが指摘される行事のひとつであったが、今年は最適、天候は霧もなく陸上自衛隊の新鋭装備などを観ることができた行事だ。
舞鶴地方隊/舞鶴基地ちびっこヤング大会(7月26日)。海上自衛隊舞鶴基地の一般公開行事。舞鶴飛行場も一般公開され、音楽演奏や艦艇の一般公開などが行われた。今年は、第3護衛隊群の旗艦はるな、が環太平洋合同演習に参加しており、舞鶴展示訓練は行われなかった為、貴重な行事であったのだが、とにかく舞鶴は暑かった。
富士総合火力演習(8月23日)。陸上自衛隊が実施する日本最大の公開実弾射撃。当方は予行を見学することができた。雨天の危惧があったが、なんとか前段演習、後段演習ともに雨天へは至らなかった。しかし、夜間演習は雨。本番に至っては豪雨であった模様。そうしたなかで、多くの素晴らしい写真を撮影することができた。
第3戦車大隊・第10戦車大隊/今津駐屯地祭(9月21日)。中部方面隊隷下の第3師団、第10師団隷下にある戦車部隊が駐屯する、日本でも有数の機甲部隊駐屯地。新しく中部方面沿岸監視隊が今津に編成されたが、その装備も展示された。観閲行進、訓練展示ともに迫力であった。式典開始直前まで豪雨であったが、奇跡的に雨が上がり、撮影することができた。
第10師団創設記念/守山駐屯地祭(10月5日)。東海北陸地方の防衛警備および災害派遣を担当する師団の創設記念行事。四個普通科連隊を基幹とする師団で、各普通科連隊は第4中隊を軽装甲機動車により装甲化するとともに、対戦車中隊を置き、戦車大隊は四個戦車中隊、特科連隊は五個大隊基幹とするなど、中部方面隊最強の火力を有する師団の行事で、小雨が時折ぱらつくなか、観閲行進、訓練展示などを実施した。
中部方面航空隊創立記念/八尾駐屯地祭(10月11日)。大阪府の八尾空港に隣接する駐屯地で、中部方面隊直轄の多用途ヘリ部隊や対戦車ヘリ部隊など航空部隊を一手に指揮する航空隊司令部の創設記念行事。燃油費高騰により参加航空機は減少したものの、編隊飛行による観閲に加え、消火展示、野戦を中心とした訓練展示を実施。地上展示には明野からAH-64Dも駆けつけた。
第10特科連隊創設記念/豊川駐屯地祭(10月25日)。中部方面隊唯一の特科連隊が駐屯し、第49普通科連隊や第10高射特科大隊、方面隊直轄の第6施設群などが駐屯する。FH-70榴弾砲が次から次へと来る行事として知られ、観閲行進から訓練展示まで砲焔が溢れる行事であった。訓練展示では、障害除去や特科射撃、対空戦闘、普通科の攻撃などが織り込まれている迫力の内容であった。
航空学校創設記念・明野駐屯地祭(11月9日)。陸上自衛隊の航空科職種教育、新装備の評価試験、戦術研究から、パイロットの養成までを一手に担う航空学校の創設記念行事。祝賀飛行などは、燃油費高騰により縮小されていたものの、AH-64D戦闘ヘリコプターの編隊飛行から機動飛行までという活躍により見どころの多い行事となった。CH-47による地上滑走体験は予定通り行われ、物凄い人気となっていた。
岐阜基地航空祭(11月30日)。航空自衛隊が運用する全航空機の評価試験を実施する飛行開発実験団が展開する岐阜基地航空祭。航空自衛隊の多種多様な航空機が編隊を組み多機種編隊飛行を筆頭にブルーインパルスの展示が行われ、地上にもF-15近代化改修機が二種、CCV実験機や無人機、KC-767空中給油輸送機、EC-1電子戦訓練支援機などが展示、注目の行事となっていた。
HARUNA
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