■北野天満宮
冬本格化、しかし小春日和戻りそして再び寒空が広がる、そんななか、本日は、北野天満宮の紅葉の様子を紹介したい。
紅葉の季節はそろそろ終わり、晩秋から月は師走とうつり、そろそろ初秋、いや、冬そのものだ。しかしながら、実際に京都を散策してみると、紅葉が真っ盛りの場所は意外と多い。聞いてみると京都以外では紅葉の名所、として知られていない場所でも、椛が鮮やかに色づいている。今回もそんな場所の写真を掲載。
今回の紅葉は、金閣寺にほど近く、桜の名所として知られる平野神社とも近い北野天満宮の情景である。北野天満宮といえば、梅の名所として知られているが、実際に参拝すると梅とともに多くの椛も境内に並んでおり、もちろんこの季節は美しい紅葉を訪れる人々に見せてくれる。
北野天満宮は、菅原道真公を祀る神社として建立。学業成就、学問の神様として崇敬を集める菅原道真公のご利益を求めてこの日も多くの受験生やその父兄が参詣に訪れていた。文字通り、賽銭を投じるとともに鈴を鳴らし大鏡が見える場所には順番に、順番に、と列ができているのがみえる。
また北野天満宮は牛が境内に多く鎮座している。少し前に金属ということで盗む罰当たりがいたようだが、そもそも菅原道真公と北野天満宮、ということを聞いて、なぜここに建立されたのか、ということが少しでも知識としてあれば、因果応報ということになるのではないだろうか。神社は参拝者のみ足を踏み入れることが許される聖域だ。
さてさて、参拝を済ませたのち、足を運んだのは御土井。参拝には拝観料を取らず開いている神社、しかし、その隣には梅の名所として有名な北野天満宮、観覧料が必要な場所も中にはある。広大な梅林を維持し、そして一定以上の入場者により踏み固められてしまうことがないように、という意味のあるのかもしれない。
御土井は、もともと別の用途があり、その関係上、すこしだけ、低くなった場所に椛が美しく色づいている。邦楽としては逆光になってしまうのだが、そこはそこ、絞り値と露光時間を調整して撮影してみた。紅葉に暖かい陽光があたり、なんとも、この季節ならではの情景になっている。
紙屋川。ここは、紙屋がその昔、紙透きに用いたことからその名がついた。金閣寺や北山に大雨が降るとものすごい、あたかも鉄砲水のように流れて危険なのだが、北野天満宮の境内は、よく手入れた椛が並んでいる。東山の方にある哲学の道は桜並木であるが、落葉が早い桜と違い、椛は色づいてもしばらく、そのままだ。
この御土井、もともとは豊臣秀吉が応仁の乱を始めとする長い戦乱によって荒れ果てた京を復興するべく、都市の防壁として、また水害への堤防として1591年に造営したものだ。ここ北野天満宮のほかに幾つか京都市内に残っており、この斜面などが防塁としての役目を期して築かれた史跡だ。
御土井と紙屋川、この間は谷間のようになっており、多くの家屋が密集するが、北野天満宮の御土井周辺には柵が設けられている。入場し、茶屋の前を通り(入場券は御菓子と引き替えられる、番茶なども楽しむことができる)しばらく足を進めてゆくと、上の写真のような場所に降りてゆく階段がある。
紅葉美しい北野天満宮、その御土井へは、ここから。さて、朱色鮮やかな椛の紅葉であるが、まだまだその様子はぎりぎり楽しめる。入場料は子供300円、一般600円、30名以上の団体には団体割引がある。北野天満宮へは、京福電鉄北野白梅町駅から徒歩、山陰線円町駅、阪急西院駅から203系統バス利用で行くことができる。
HARUNA
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