北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

新ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが 横須賀基地沖にて公試

2008-12-21 17:35:12 | 先端軍事テクノロジー

■DDH-181 ひゅうが

 海上自衛隊のみならず世界の海軍関係者から注目を集める、護衛艦ひゅうが、洋上において公試を行う様子を、今回、新たに撮影することができたので、掲載したい。

Img_2211  ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが。この角度からみれば、砲を搭載せず、全通飛行甲板による航空機運用を重視した艦だ。文字通りこれまでの護衛艦とは異なる、いわゆる戦力投射能力を、従来の対空対潜対水上戦闘任務への対応能力に加えた運用思想に基づいて建造された護衛艦である。

Img_2109  はるな型ヘリコプター搭載護衛艦は、「はるな」・「ひえい」。ひえい後継となる、ひゅうが型2番艦の建造も今年五月から横浜で建造されている。しらね型護衛艦の建造は、しらね修理に伴う若干の艦齢延長も加味すれば若干先に伸びるのかもしれないが、最終的には四隻の全通飛行甲板を備えたヘリコプター搭載護衛艦が護衛艦隊に揃うこととなる。

Img_2122  船体幅に比べ、飛行甲板の張り出しが少ないのは、旧海軍航空母艦を彷彿させる。後部には、薄っすらと白い何かが記載されている、おそらく“ひゅうが”であろう。この位置には、固定翼航空機を運用する艦船には、エンジン試験区画を設けることが多いのだが、ひゅうが後部には、そのようなものは見当たらない。

Img_2157  艦首上甲板や、艦尾バルジ部分にはCIWSが設置されているのがみえる。ひゅうが型護衛艦は、搭載するFCS-3多機能レーダーにより、高い自己完結戦闘能力を有し、垂直発射器(VLS)に搭載されるミサイルを駆使すれば、艦砲こそ機関砲以上のものは搭載していないものの、現用の汎用護衛艦を上回る対空戦闘能力を有する。

Img_2180  他方で、従来型の護衛艦に、高い航空機運用能力を付与させたという、ひゅうが型の設計は、航空母艦としては異なる設計であり、強襲揚陸艦の能力を強化した戦力投射艦とも、また異なる設計である。いわば、海上自衛隊の護衛艦隊隷下にある護衛隊群が予想される多種多様な任務に対処するべく設計したヘリコプター護衛艦であり、それ以上の規模の航空機運用能力を付与させる艦船の導入は、より上の政治レベルの話となろう。

Img_2206  さて、今回のヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、横須賀沖での公試に関する模様は、横須賀軍港めぐり船上から撮影したもので、昨日掲載した原子力空母ジョージ・ワシントンを観た直後に、洋上に遊弋している姿を撮影したもの。夏にも横須賀を散策していると、沖に、ひゅうが・はるな、という情景を撮影することができた。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文および写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする