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ハイチPKOへの自衛隊活動状況 防衛省統合幕僚監部2010年4月6日発表

2010-04-07 23:33:25 | 防衛・安全保障

◆中米ハイチでは現在も第二次派遣要員が任務中

 統合幕僚監部は4月6日、ハイチPKO活動状況を発表しました。本日はその概要を紹介します。原文はこちらです:http://www.mod.go.jp/jso/pko_minustah_activity/pko_haiti_100406.pdf

Img_4555  日本国内では、復興会議が行われていること以外、テレビ報道や新聞の紙上にあがることは稀なのですが、任務は継続中です。国際緊急援助隊の活動は以下の通りです。1月14日先遣チーム派遣命令が発令され16日に調査チームが出国、18日に派遣準備指示が下令されました。一方で21日に医療援助隊が出発、2月12日に活動終結命令が出され、18日には医療援助隊は無事帰国しています。

Img_3975  ハイチ派遣国際救援隊はPKOとして1月25日に準備指示が発令、2月5日に行動命令下令、6日から第一次要員の出国が開始、16日には初任務にあたっています。24日には第二次要員の出国が開始され、3月18日に第二次要員主力が展開完了、19日に第一次派遣隊から第二次派遣隊へ指揮を転移させて、現在、活動中とのことです。

Img_6278  ハイチPKOに関する部隊の展開状況は以下の通りとなっています。ハイチ国内、ポルドープランスを中心に派遣救援隊、司令部要員が展開し、連絡調整要員も展開しています。そして隣国のドミニカ共和国サントドミンゴには派遣救援隊ドミニカ分遣隊が展開。そしてアメリカ国内にはフロリダ州マイアミに派遣救援隊フロリダ分遣班が展開しているとのことです。

Img_6646  現在、ハイチPKOとして派遣されている自衛隊の活動についてです。活動内容としては第一に耐震診断、第二に経済財政庁の瓦礫撤去、第三にドミニカ国境道の補修、以上です。3月11日から実施されています耐震診断には四名が任務に当たっています。3月22日から開始された任務である被災した経済財務庁庁舎の解体及び撤去任務には約10名と油圧ショベル、小型ドーザが当たっています。3月29日から開始されたドミニカ国境道の補修には、約10名の隊員が油圧ショベルを以てあたっています。

Img_6697  終了した任務についても以下に列挙します。第一にWFP資材集積場の整地任務、2月16日に実施されたこの任務には10名の隊員とバケットローダーが参加して行われました。第二に倒壊した美術館の瓦礫撤去、2月22日から3月19日にかけて実施されたこの任務には油圧ショベル、ダンプを用いて約10名の隊員が任務に当たり完了しました。第三に隣接WFP地域の排水施設の補修、3月22日から25日にかけてこの任務に3名の隊員が油圧ショベル、大型ドーザーを以てあたり完遂しています。

Img_6759  ハイチでの任務実績は続きます。第四にマダン・ガノ水路の浚渫、3月25日から26日にかけて実施された任務には10名の隊員が油圧ショベルをもってあたりました。第五には隣接キャンプ予定地の造成、こちらは2月22日から3月29日にかけて比較的長い期間行われていたのですが約10名の隊員が中型ドーザ、ダンプを以て任務に当たっています。第六に日本隊宿営地拡張工事、3月26日から30日まで行われ20名の隊員が油圧ショベル、大型ドーザ、グレーダ、バケットローダ、ダンプをもって行われました。

Img_6786  続けてハイチでの任務。第七にWFPフォークリフトの輸送任務、3月30日に2名がトレーラを用いて実施しました。第八にタバレイッサ避難民キャンプ予定地の造成、2名がグレーダを用いて3月27日から4月1日にかけて行っています。第九にMINUSTAH後方支援施設拡張工事、3名の隊員が大型ドーザを用いて3月30日から4月2日まで実施しています。第十にゴヤビエ山通信塔取付道の補修、参加要員は5名で資材運搬車、小型ドーザを用いて3月22日から4月5日にかけて実施しています。

Img_4556  ごらんの通り、複数の任務を同時進行して復旧任務にあたっているのですが、一方で、自隊任務を宿営地で行っていますので、この点重要です。こうした自活任務は自己完結型の軍事機構でなければできないものですからね。日本国内では殆どハイチでの任務について報道は、ありませんが、防衛省統合幕僚監部の方から発表されていましたので掲載してみました。

Img_4075  しかし、大規模直下型地震による被害、そしてこれに対する復旧状況や自衛隊の対応というもの、そして日本の国際貢献のあり方という意味で、報道ももう少し注目して現地への取材班派遣を考えてもいいのではないでしょうか、カメラマンの派遣は行われているのでしょうが、テレビ報道には上がりませんね。国内問題ならば火事や失踪まで扱うのですが、五桁もの人命が失われ、そこへ自衛隊が派遣されている。こうした状況を報じなければ視野狭窄に陥ってしまいます。任務は継続中、これからも実績は増えてゆく事でしょう。

HARUNA

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