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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

駒門駐屯地創設50周年記念行事2010.04.04速報

2010-04-18 23:47:08 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆戦車・装甲車の観閲行進

 駒門駐屯地創設記念行事、50周年行事という節目の年であった事から、初めて足を運んだのですが正直驚きの連続でした。

Img_42861  駒門駐屯地は第1戦車大隊の駐屯地、という印象が強かったので今津駐屯地祭の行事と同じようなものかな、という先入観がありましたけれども、昨年の武山駐屯地祭では第一教育団の第一機甲教育隊が74式戦車と90式戦車を観閲行進と訓練展示に参加させていましたし、多少は教育用に配備されているのかな、という考えにて富士山麓へ足を運びました次第。

Img_3976  国際活動教育隊、教育隊であり教育任務と評価支援を行う80名規模の部隊なのですが、中央即応集団指揮下の部隊、つまり幕直接部隊であることから隊長には1佐が当てられている、ということはしっていたものの、駒門駐屯地司令を務められていたとはしりませんでした。式典などで秋葉駐屯地司令が国際教育隊長だったと聞きまして驚きました次第。

Img_3922  国際教の車両などは清水港祭で見学していましたが、軽装甲機動車、96式装輪装甲車などを運用しているということは知っていました。しかし、教育支援部隊が小隊規模ときいていましたから、もう少し規模は小さな部隊、と思っていたのですけれども、車両などは多かったように印象づけられました。一方、73式大型トラックの装甲型も装備されているのですけれども、重度の花粉症、実際には風邪にてそこまで探す気力はありませんでした。

Img_4182  第一戦車大隊。二個戦車中隊の精鋭が有事に備えています。第一師団の機動打撃を担当する部隊なのですけれども、かつて三個戦車中隊を基幹としていた編成は、第一師団の改編とともに戦車よりも普通科部隊を重視する編成に移行したことで二個戦車中隊を基幹とする編成に縮小されました。第一師団は普通科を重視し市街地での任務に備える、ということですが、対戦車隊は解体され重火力は激減、そして市街地では不可欠な装甲車も不十分、一方で戦車火砲は大幅削減と、防衛大綱の装備削減という弊害をもろに受けている印象。

Img_4239  74式戦車は、戦車としては旧式化していることは否めないのですけれども、打撃力は105ミリ砲に新型砲弾を採用して攻撃力を維持するなどまだまだ侮れない能力をもっていますし、戦車の位置づけ、ポテンシャルというものはかなり高いものがあります、戦車をこちらが運用しているということは有事の際には相手にも対戦車戦闘の準備を強いることになりますし、この点重要でしょう。日本では有事の際には専守防衛を貫く限りかならず戦場は市街地になります。そこで最大の防御力と高い機動力、高度な監視能力と強力な打撃力を持つ戦車、もっと配備数の面で重視してもいいと考えるのですけれどもね。

Img_4020  第一高射特科大隊。第一中隊に近接した目標に対処する93式近距離地対空誘導弾、第二中隊に81式短距離地対空誘導弾が装備されています。93式は恐らく12両、81式は4セットが配備されていて、対空レーダーP14,低空レーダーP18とともに組織的な対空戦闘を展開することが可能です。81式は対空疎開に限界のある火力や拠点の防空にあたり、93式は突発的な脅威に備えます。師団の規模を考えますと装備密度はかなり高く、陸上自衛隊の空からの脅威への真剣な姿勢がみてとれます。一方で、もう少し機関砲の有用性と評価してもいいのでは、とも思ったりします。

Img_4330  第一機甲教育隊。観閲行進では次々と戦車が行進してきますので、駒門といえば第一戦車大隊よりも第一機甲教育隊の戦車の方が多かったのか、という驚きがありました。少なくとも一個中隊が90式戦車により編成されていまして、第一中隊が90式戦車と87式偵察警戒車、第四中隊が74式戦車、第五中隊が74式戦車を観閲行進へ参加させていました。

Img_4368  教育隊は、機甲科の新隊員教育、陸曹候補生教育を担当します。戦車中隊は、陸曹教育中隊と陸士教育中隊から成っていて、前述しましたように武山駐屯地の第一教育団に所属しています。首都近辺の戦車部隊は、第一戦車大隊に加えて、この第一機甲教育隊、そして富士教導団の戦車教導隊が富士駐屯地に駐屯していますので、戦車中隊だけで十個中隊規模の戦車が富士山麓に控えているということに。これらを考えると、日本海側から首都圏へ向けての脅威が冷戦時代にあったわけなのですけれども、準備は相応に為されていたのか、と国家の防衛への決意のようなものを感じましたね。

Img_4418  駒門駐屯地祭の観閲行進は、こういう意味で思った以上の戦車が行進していて、90式戦車もかなりの数が行進していました。驚きましたね。新戦車、10式戦車になるのでしょうか、来年度には富士教導団の富士駐屯地祭でお目見えするのでしょうかね、併せてこの第一機甲教育隊にも配備されるのでしょうか、新型戦車の来年度行事での登場を少し期待して待ちたいです。

Img_4257  第一後方支援連隊第二整備大隊の78式戦車回収車、駒門には戦車部隊、高射特科部隊、国際教のほか、そして方面直轄施設群の第364施設中隊などが駐屯しています。陸上自衛隊ですが、なるほど戦車はまだあるところにはあるということで、驚かされることの多い50周年行事でした。

HARUNA

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