◆いずれも重大事故に発展せず負傷者なし
26日から27日にかけて、米空軍のF-16が青森空港へ緊急着陸、航空自衛隊のT-4練習機が新田原基地滑走路上でタイヤ脱落、三沢基地のF-2に脚部トラブルが発生するなどトラブルが相次ぎました。
東奥日報より引用・・・F2戦闘機が尻もち事故/空自三沢:27日午前9時45分ごろ、航空自衛隊三沢基地で点検中だったF2戦闘機の引き込み式主脚が突然折りたたまれ収納、機体が尻もちをつく事故があった。パイロットなどにけがはなかった。空自は操作ミスや故障の可能性を含め、事故原因を調べている。機体の詳しい損傷状況は「確認中」とし、明らかにしていない。県は27日、同基地に原因究明と再発防止を要請した。http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2010/20100427213951.asp
新聞記事を参照した限りでは、格納庫、三沢基地ですから航空機掩体の可能性もありますが、この内部で整備を行っていたところ、油圧系統に誤信号か誤操作、もしくは損傷があって脚部が折り畳まれた、という事故のようですね。機体が尻もち、とありますから胴体部分の脚部が折り畳まれたのでしょう。整備員や搭乗員が下がってくる機体に挟まれて、というような負傷者もいなかった、とのことですが、これが誤操作以外の原因となれば、F-2は原因が究明されるまで飛行停止となる可能性が、早急な原因の究明が望まれます。F-2は三沢基地の他、築城基地、松島基地、岐阜基地などで運用されています。
読売新聞より引用・・・米軍三沢基地F16、青森空港に2機緊急着陸:緊急着陸した米軍のF16戦闘機。滑走路の安全が確認され民間機は運航(26日、青森空港で)=三上津与美撮影 26日午後4時頃、青森市大谷の青森空港に米軍三沢基地所属のF16戦闘機2機が相次いで緊急着陸した。 けが人はなかったが、滑走路の安全確認のため、到着便に17分の遅れが出た。 青森空港管理事務所などによると、2機のうち1機のエンジントラブルが原因。僚機のもう1機も5分後に緊急着陸した。2機は飛行訓練を終え、同基地に帰還する途中だった。(2010年4月26日20時32分 読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100426-OYT1T01190.htm
在日米軍機でもトラブルです。こちらも三沢基地所属の機体で問題があったのはF-16戦闘機、エンジントラブルとありますが、米空軍では多少でも機体が異常を示す信号を搭乗員に伝えた場合確認よりも緊急着陸を優先させる運用を採っていますので、これがどの程度の事故か、という事は不明です。青森空港は三沢基地とは別の場所にある民間空港で、緊急着陸した機体がどの程度の時間を経て、三沢基地へ帰投したのかが、トラブルの度合いを測る方策といえるでしょう。しかし、残念ながら引用した記事にはそこまでの記載はありません、航空専門誌の掲載を待ちましょう。
宮崎日日新聞より引用・・・空自機タイヤ脱落、火花散らし着陸:新田原基地:2010年04月27日 26日午前11時20分ごろ、新富町の航空自衛隊新田原基地で、着陸した練習機の左タイヤが突然外れた。 練習機は火花を出して滑走路上で停止。搭乗していた同基地の自衛官2人にけがはなかった。 同基地によると、事故機は第5航空団のT4練習機で、着陸した直後、何らかの原因で左主脚のタイヤが脱落。練習機は滑走路上で停止したが、火が出たため隊員が消火活動を行った。http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=25600&catid=74
九州新田原基地ではT-4練習機がトラブルです。安全が確認されるまで航空自衛隊全てのT-4に飛行停止措置が採られているとのこと。岩国でのブルーインパルス飛行展示へは影響が出るのでしょうかね。着陸後にタイヤが外れた、ということですが、着陸中に外れていれば大事故に繋がるところでした。パンクとは表現されていないのですが、消防車が出動、とあるものの、報道写真などを見る限り脚部が折れたのではなく、やはり脱落、念のため放水、という措置が採られたようです。自衛隊では航空機運用時、滑走路付近に航空機火災用消防車を常駐させ不測の事態には即座に駆けつけ、消火することが出来る体制を整えています。以上の通り、事故が相次いだのですが幸い負傷者は無く重大事故へはつながりませんでした。それにしても航空機トラブル、というのは何故か一定の時期に一度起こると連鎖するのですよね、危険とともにあるだけに安全第一を願いたい次第です。
HARUNA
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