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平成22年度陸上自衛隊主要演習概要発表 日米共同訓練・協同転地演習・方面隊実動演習・派米実射訓練

2010-04-19 23:48:25 | 防衛・安全保障

◆師団協同転地演習は第14旅団が担当

 陸上自衛隊は平成22年度主要演習の概要を発表しました。発表は8日で、15日付朝雲新聞に掲載されていたものですが本日はこちらを紹介。

Img_9923  発表されたのは、日米共同訓練、方面隊実動演習、協同転地演習、派米実射訓練について。今年度の日米共同訓練は西部方面隊が担当、方面隊指揮所演習“ヤマサクラ”を日米合同で実施、実動演習を北部方面隊と米陸軍、中部方面隊が米海兵隊と日本国内の演習場で、西部方面隊が米海兵隊とアメリカ国内で実施予定とのことです。

Img_6820  日米共同訓練は、現在でもイラク、アフガニスタンにおいて大規模な軍事行動を行う米軍から実戦経験に基づく様々なものを修得し、加えて同盟国である日米の部隊が協働しての要領を学ぶことで有事の際の連携を強化する、という意味から非常に重要な訓練であり、得るものの多い訓練となっています。

Img_6430  中央即応集団の演習も、東部方面隊管区内において実施を予定しているとのことです。日米共同訓練ではありませんが、緊急時や国際貢献任務に際しては大臣直轄部隊として緊急出動する部隊となっていて、その訓練内容や装備密度などもかなり配慮されたもののとなっているようです。

Img_3456  協同転地演習とは、かつて北方機動演習として北海道において有事の際に増援部隊を本土から迅速に派遣するための要領を錬成することが目的の訓練で、近年、北方重視から全国の部隊の展開能力を高めるための訓練として、名称を協同転地演習と改め、その位置づけが大きく変化してきました。

Img_4887  協同転地演習となりますと、昨年度は第十師団が実施したのですが、本土から北海道に展開させて、広大な演習場を利用し、大規模な訓練を併せて実施することから、車両、鉄道、輸送機、旅客機、艦船とあらゆるものを利用して北海道へと展開する大規模な演習としてしられています。

Img_3454  師団による協同転地演習は、中部方面隊が担当して、善通寺駐屯地の第14旅団が六月下旬から八月上旬にかけて北海道矢臼別演習場などで実施する予定です。連隊規模での協同転地演習は東北方面隊が担当、神町の第6師団が実施、七月に東富士演習場において実施するとのことです。

Img_1566  方面隊実動演習について。方面隊実動演習は、北部方面隊が担当、8月から9月にかけて北部方面隊管区において実施されるほか、西部方面隊が担当して11月から12月にかけて西部方面隊管区において、それぞれ実施されるとのことですが、実施部隊は現在検討中、とのことです。

Img_9732  派米実射訓練について。派米実射訓練は、射程が非常に長く日本国内の演習場では実射訓練が困難な装備品をアメリカ国内の射撃場を借りて実施するものです。射程180kmの88式地対艦誘導弾部隊は六個部隊が九月下旬から十一月上旬においてカリフォルニア州ポイントマグー射場において実射訓練を実施します。

Img_9725_1  地対空ミサイルについても方面隊が運用する射程の長いものについてはアメリカで訓練を行います。ホーク部隊や03式中距離地対空誘導弾部隊は各高射特科群、下志津の高射教導対から17個中隊が、九月下旬から十二月上旬にかけてニューメキシコ州マクレガー射場において実射訓練を行うとのことです。

HARUNA

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