北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

第10師団創設52周年記念&守山駐屯地祭 (2014-09-21) PowerShotG-16撮影速報

2014-09-21 23:30:14 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆師団改編後初の師団祭

 本日、名古屋市の第10師団司令部が置かれる守山駐屯地祭へ行ってまいりました。

Dbdimg_2942 第10師団は東海北陸地方の防衛警備及び災害派遣を担当する即応近代化師団で、第14普通科連隊、第33普通科連隊、第35普通科連隊、第10特科連隊、第10戦車大隊、第10高射特科大隊、第10施設大隊、第10後方支援連隊等を基幹として任務に当たっています。

Ddbimg_2935  東海北陸地方は政令指定都市名古屋を中心とする中京都市圏を抱えると共に若狭湾原発集中地域という戦略上の要衝を抱えると共に北陸地方の日本海沿岸の長大な海岸線を警備管区に持ち、加えて管区内に大演習場はもちろん中演習場が無い訓練場の難点を抱えつつ精鋭を求められる、という厳しいところ。

Dbimg_2948 加えて警備管区は戦後最大の台風被害を叩きつけた伊勢湾台風という過去の災害の経験を持ち、木曽三川という水害の脅威を受ける地域であると共に、近い将来発生が懸念される東海地震の警戒地域ともなっており、大規模災害という有事へも警戒を高めねばならない。

Dbdimg_2956 この重責を担う第10師団は第10混成団を元に1962年の陸上自衛隊師団制度導入とともに師団へ改編、2002年の師団改編により第49普通科連隊が創設され、特科火砲や戦車定数などが増勢、各普通科連隊にも対戦車中隊が新編され軽装甲機動車等の配備も開始、その火力及び戦闘能力を大きく向上させました。

Dbdimg_2975 2014年、新年度と共に第10師団は近代化改編を受けました。この改編にともない第49普通科連隊は中部方面混成団へ管理替えとなり、第10師団は4個普通科連隊基幹の編成から3個普通科連隊基幹編成へと縮小されるとともに、戦車大隊や特科連隊の中隊数や大隊数も縮小されています。

Dbdimg_2980 戦車大隊は4個中隊約50両を基幹とする編成から2個中隊30両に縮小改編を受け、特科連隊も全般にあたる第5大隊を廃止し普通科連隊の管理替えと共に第4大隊も廃止、火砲定数は60門から30門へと大きく削減、普通科連隊からは対戦車中隊が廃止され、重MATが全廃されています。

Dbdimg_2983 一方で、師団要員の即応予備自衛官基幹編成部隊を方面混成団へ管理替えするか現役要員へ配置転換し、これにより即応予備自衛官部隊の充足を待って対応する体制から師団を現役要員のみで対応することとなったため、有事の際の即応性が根本的に向上することとなったため、単なる縮小とは言い切れません。

Dbdimg_2990 しかしながら、戦車大の縮小により各普通科連隊が有事の際に編成する連隊戦闘団へ、各1個戦車中隊を配置する体制が1個戦車小隊を配置する編成となり、師団の全般支援火力であった火砲20門の特科第5大隊も廃止、この縮小を置き換える程度の装甲車両などの増勢が行われたかったことは問題といえるでしょう。

Dbdimg_2994 師団の即応性は向上しましたが、74式戦車が10式戦車へ、FH-70榴弾砲が自走榴弾砲たる火力戦闘車へ、軽装甲機動車に続き将来装輪装甲車が普通科連隊の高機動車化中隊を置き換え、対戦車中隊には中距離多目的誘導弾が、高射特科大隊の近接戦闘車と共に機動打撃を展開、という一昔の展望は難しいもよう。

Dbdimg_2995 新装備としては、今年度より07式機動支援橋が配備を受け、今回の駐屯地行事の目玉となったのですが、近年に中距離多目的誘導弾と74式戦車を置き換える機動戦闘車か場合によっては暫定的に10式戦車の配備が考えられ、遠くない将来に火力戦闘車が配備されることとなるでしょう。

Dbdimg_2999 記念式典ですが、今年度は観閲行進の撮影位置を観閲台右に定め観閲行進を撮影しました。少々撮影角度が限られていますが、今回の記事に使用したG-16で無難な広角を撮影し、EOS-7D及び300mm望遠を装着しましたEOS-50Dを以て観閲台近くの観閲行進の様子を撮影しました。

Dbimg_3017  撮影方法は、EOS-7DとEOS-50Dを装備しつつG-16を簡易三脚に配置し、膝上の高さから一眼レフを操作する片手でレリーズを同時操作し、異なる写真のアングルを同時に撮影する、という毎回の奇妙奇天烈な撮影方法を今回も踏襲しています。

Dbdimg_3005 観閲行進は交通誘導要員のかたの背後から撮影する形となり撮影角度に少々の工夫を凝らして撮影することに。観閲行進に続く訓練展示は、幸いいつもお世話になっている方からスタンド席に余裕があるとのお話を頂き、そちらから撮影することが出来ました。

Dbimg_3004  思えば守山駐屯地祭はこのWeblog北大路機関が運営開始となった2005年から一年も欠かさず足を運ぶことが出来ている数少ない行事で、今年11月30日にOCNブログ人サービス運営終了に伴い新ブログへ移転するこのWeblog北大路機関を考えますと、ふと感慨深い気持ちにもなりましたしだい。

Dbdimg_3025 訓練展示模擬戦は野戦方式を主として展開しまして、名古屋市内の駐屯地ですが74式戦車が各車数回の主砲空包射撃を展示、FH-70榴弾砲はもちろん小銃に機関銃の長い射撃とともに迫撃砲の射撃展示などが工夫されており、その迫力は多くの観衆には圧巻で凄いのひとこと。

Dbdimg_3030 本日は当初若干の悪天候が週間予報にて報じられていたものの写真の通り快晴に恵まれ、昨年は諸般の事情で展開されなかった一般スタンド席も本年は設置、昨年ほどの無茶苦茶な混雑も無く、改編成ったのち初の政令指定都市の即応近代化師団司令部行事を関心を以てみることができました。

北大路機関:はるな

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