◆PowerShotG-16撮影速報
自衛隊最新装備、基地防空用地対空誘導弾を本日撮影することが出来ました。
基地防空用地対空誘導弾は航空自衛隊が基地防空用として運用している81式短距離地対空誘導弾の後継として導入を開始したもので、ミサイル本体が同型で細部が異なる陸上自衛隊の11式短距離地対空誘導弾の姉妹装備といえる最新の誘導弾です。
千歳基地の基地防空教導隊より配備が開始されましたが、浜松基地には今年六月、第二術科学校へ装備が開始され、本日の浜松基地航空祭が基地防空用地対空誘導弾初の地上展示となり、基地防空用地対空誘導弾配備されている千歳基地では今年の航空祭で展示されなかったため、本邦初の一般公開となっています。
基地防空用地対空誘導弾はアクティヴレーダーホーミング方式を採用しており、81式短SAMのレーダー誘導型の射程と同等とすればその射程は15km程度、ということになります。81式短SAMには赤外線誘導型とレーダー誘導型がありましたが、基地防空用地対空誘導弾と11式短SAMに赤外線誘導型は現在のところありません。
その最大の特色は従来の短SAMが対航空機戦闘に重点をおいていたのに対し、航空機からのスタンドオフ兵装が一般化し射程外から精密誘導弾により攻撃されるという現状に鑑み、超音速小型空対地ミサイルや巡航ミサイルに対しても迎撃能力を付与した点が挙げられるでしょう。
システムは、四連装発射装置2両とレーダーを搭載した射撃指揮装置1両により構成され、同時多目標対処が可能です。航空団基地防空隊には4セットが配備されているとのことで、これは師団高射特科大隊の短SAM中隊の装備数と同数にあたります。陸上自衛隊の11式は3t半トラックにより機動していますが、航空自衛隊は高機動車により機動している。
この点について質問をしてみますと、術科学校の方の解釈としまして、野戦運用での不整地突破能力と路外機動性を重視するのか、あくまで航空基地やレーダーサイトを防空するため、機動性よりは秘匿性などを重視するかにより運用車体が異なっているのではないか、ということでした。
ミサイルの本体を収めたコンテナはかなり大型となっていますが、その装填はクレーンにより実施され、コンテナ式ミサイル装填方式を採用するため、長期間の射撃体勢継続が可能であるため即応性が向上したほか、再装填での人力作業部分を自動化したため、次弾装填能力等を含めた総合的な能力は大きく向上しているとのこと。
今後全国の基地防空隊へ配備されてゆきます。高射教導隊本部が置かれている浜松基地ですが隷下の基地防空教導隊は千歳基地に置かれているため、見れないと思いきや今回展示されているものを撮影出来、速報としました次第です。航空祭は快晴、遙か北では御嶽山が噴火中ですが、航空祭は多くの来場者でにぎわっていました。
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