■現実化する半島有事懸念
北朝鮮KN-20大陸間弾道弾開発は、経済制裁の協調を巡る米中対立へと事態が拡大するとともに、朝鮮半島有事への懸念が同時に高まっています。
北朝鮮大陸間弾道弾開発の進展と共に、着実にアメリカ本土へ迫る核攻撃脅威、北朝鮮が保有するVXガス等の脅威が顕在化しています。対抗策は核関連施設及びミサイル関連施設への軍事攻撃か、北朝鮮指導部への限定攻撃か、北朝鮮港湾などへの海上封鎖か、北朝鮮への経済制裁強化へ経済関係を維持する中国ロシアへの制裁まで拡大しての経済封鎖か。
中国による北朝鮮への経済制裁が不充分である為にミサイル開発を阻止できない、という立場を執るアメリカのトランプ大統領は北朝鮮への経済制裁の延長として、中国企業への経済制裁を開始し広範に資金凍結等の指定を行う構えであり、このアメリカによる次の段階の経済制裁は、米中対立へと発展しつつあり、広島原爆の日が近づく中、緊張は高まる。
アメリカが仮に北朝鮮への軍事攻撃を行う場合ですが、第一に北朝鮮の長距離砲射程内にある同盟国韓国の首都ソウルからのアメリカ国民退避勧告が行われ、同時に日本周辺海域への強力な航空打撃力を持つ空母戦闘群や巡航ミサイル原潜の複数展開、グアムのアンダーセン基地と横田基地や嘉手納基地へ増援部隊展開、という準備を経て行われるでしょう。
日本は弾道ミサイル脅威への我が国への現実的対応として、ミサイル防衛に重点を置きイージス艦からのSM-3迎撃ミサイル、ペトリオットミサイルPAC-3による終末迎撃態勢等を構築しています。しかし、アメリカが何れかの対応策を採った場合でも、北朝鮮の弾道ミサイルが完全に廃棄されない限り、やはり日本が攻撃される可能性は否定できません。
日本が標的とされる可能性ですが、アメリカの同盟国であり、日本が環太平洋地域における西太平洋での自由主義圏の要衝である点、邦人拉致事案を背景とした世界で最も厳しい経済制裁の実施、また、朝鮮戦争時代からの歴史的経緯等から蓋然性は高いのです。ミサイル攻撃対象として、政経中枢、原子力関連施設、在日米軍施設等が考えられるでしょう。
VXガスを搭載した化学弾頭と、核兵器を搭載した弾道ミサイルが最大の脅威ですが、日本のミサイル防衛は現在の防衛予算がGDP1%という厳しい自主規制の中で進められ、実質、イージス艦とPAC-3による二重の防空体制を維持できているのは、PAC-3が展開する防衛省本省の置かれる新宿の市ヶ谷基地から15km以内、嘉手納基地等米軍基地周辺のみです。
航空自衛隊による迎撃が難しいならば、航空攻撃によりミサイルを発射前に撃破する事は出来ないのか、という視点があるでしょうが、不可能です。第一にミサイルは移動発射装置により機動する為発見できません。更に航空自衛隊は専守防衛を逸脱するとして日本国土での山間部低空侵攻訓練さえ実施出来ておらず、防空と対艦攻撃に注力されてきました。
ミサイル攻撃警報についての通知が内閣府広報により繰り返されていますが、実際のところ航空自衛隊には広範囲のミサイル迎撃が可能なTHAAD迎撃ミサイルは無く、多数が配備されるペトリオットミサイルは対航空機を想定した位置に展開している為、現実的には警報と共に、地下室や地下駐車場や地下鉄、地下街とトンネルに退避するほかありません。
疎開や被害局限を重点として、現実的な弾道ミサイルへの警戒を行うべきでしょう。核攻撃に備え放射性降下物からの退避、化学剤治療用PAM等薬品の事前集積等が求められます。補正予算によりTHAADミサイルの緊急調達を行い、迎撃態勢を強化する選択肢はありますが、調達し配備を完了するまで、仮に明日調達しても数か月から一年以上を要します。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
北朝鮮KN-20大陸間弾道弾開発は、経済制裁の協調を巡る米中対立へと事態が拡大するとともに、朝鮮半島有事への懸念が同時に高まっています。
北朝鮮大陸間弾道弾開発の進展と共に、着実にアメリカ本土へ迫る核攻撃脅威、北朝鮮が保有するVXガス等の脅威が顕在化しています。対抗策は核関連施設及びミサイル関連施設への軍事攻撃か、北朝鮮指導部への限定攻撃か、北朝鮮港湾などへの海上封鎖か、北朝鮮への経済制裁強化へ経済関係を維持する中国ロシアへの制裁まで拡大しての経済封鎖か。
中国による北朝鮮への経済制裁が不充分である為にミサイル開発を阻止できない、という立場を執るアメリカのトランプ大統領は北朝鮮への経済制裁の延長として、中国企業への経済制裁を開始し広範に資金凍結等の指定を行う構えであり、このアメリカによる次の段階の経済制裁は、米中対立へと発展しつつあり、広島原爆の日が近づく中、緊張は高まる。
アメリカが仮に北朝鮮への軍事攻撃を行う場合ですが、第一に北朝鮮の長距離砲射程内にある同盟国韓国の首都ソウルからのアメリカ国民退避勧告が行われ、同時に日本周辺海域への強力な航空打撃力を持つ空母戦闘群や巡航ミサイル原潜の複数展開、グアムのアンダーセン基地と横田基地や嘉手納基地へ増援部隊展開、という準備を経て行われるでしょう。
日本は弾道ミサイル脅威への我が国への現実的対応として、ミサイル防衛に重点を置きイージス艦からのSM-3迎撃ミサイル、ペトリオットミサイルPAC-3による終末迎撃態勢等を構築しています。しかし、アメリカが何れかの対応策を採った場合でも、北朝鮮の弾道ミサイルが完全に廃棄されない限り、やはり日本が攻撃される可能性は否定できません。
日本が標的とされる可能性ですが、アメリカの同盟国であり、日本が環太平洋地域における西太平洋での自由主義圏の要衝である点、邦人拉致事案を背景とした世界で最も厳しい経済制裁の実施、また、朝鮮戦争時代からの歴史的経緯等から蓋然性は高いのです。ミサイル攻撃対象として、政経中枢、原子力関連施設、在日米軍施設等が考えられるでしょう。
VXガスを搭載した化学弾頭と、核兵器を搭載した弾道ミサイルが最大の脅威ですが、日本のミサイル防衛は現在の防衛予算がGDP1%という厳しい自主規制の中で進められ、実質、イージス艦とPAC-3による二重の防空体制を維持できているのは、PAC-3が展開する防衛省本省の置かれる新宿の市ヶ谷基地から15km以内、嘉手納基地等米軍基地周辺のみです。
航空自衛隊による迎撃が難しいならば、航空攻撃によりミサイルを発射前に撃破する事は出来ないのか、という視点があるでしょうが、不可能です。第一にミサイルは移動発射装置により機動する為発見できません。更に航空自衛隊は専守防衛を逸脱するとして日本国土での山間部低空侵攻訓練さえ実施出来ておらず、防空と対艦攻撃に注力されてきました。
ミサイル攻撃警報についての通知が内閣府広報により繰り返されていますが、実際のところ航空自衛隊には広範囲のミサイル迎撃が可能なTHAAD迎撃ミサイルは無く、多数が配備されるペトリオットミサイルは対航空機を想定した位置に展開している為、現実的には警報と共に、地下室や地下駐車場や地下鉄、地下街とトンネルに退避するほかありません。
疎開や被害局限を重点として、現実的な弾道ミサイルへの警戒を行うべきでしょう。核攻撃に備え放射性降下物からの退避、化学剤治療用PAM等薬品の事前集積等が求められます。補正予算によりTHAADミサイルの緊急調達を行い、迎撃態勢を強化する選択肢はありますが、調達し配備を完了するまで、仮に明日調達しても数か月から一年以上を要します。
北大路機関:はるな くらま
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