北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.09.03-2022.09.04)

2022-09-02 20:22:50 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 九月に入りましたが今週末の自衛隊関連行事には嬉しい航空祭の話題があります。

 芦屋基地航空祭2022、T-4練習機を運用する第13飛行教育団の基地です。芦屋か行けるぞと阪急電鉄に走ろうとする方はちょっと待って、福岡県の基地ですので阪九フェリーの方へ走らなければなりません。さてこの芦屋基地航空祭ですが、当初は事前登録制という方式が執られていましたが9月2日時点で確認しますと、完全一般開放に切り替わりました。

 第13飛行教育団の芦屋基地航空祭は2019年の那覇基地航空祭以来、長らくCOVID-19感染対策により実施できず行ったとしても抽選や事前登録制であった航空祭から、久々に、2020年と2021年と2022年の8月まで体験できなかった、自由に入る事が出来る航空祭の再開となりました。なお、基地HPでは万全の感染対策等を来場者に要請しています。

 芦屋基地航空祭2022、0900時からのT-4練習機とU-125救難機の編隊飛行によるオープニングフライトからはじまりまして、0935時からは芦屋救難隊による救難飛行展示がUH-60J救難ヘリコプターとU-125救難機の参加と共に行われます。そして1020時からはF-15戦闘機2機の、1035時からはF-2戦闘機2機による機動飛行が行われるとのこと。

 ブルーインパルス飛行展示は1050時から1225時まで。なお、芦屋基地では300mmを超える望遠レンズなどの撮影機材のエプロン地区での使用制限があるようです。さて、心配なのは、よりにもよってという台風11号の動静です。台風は4日日曜日昼ごろには沖縄本島と中国の上海の中間地域を北上する予報で、動きが読めず最新の情報をご確認ください。

 砕氷艦しらせ室蘭港一般公開。南極観測支援などに当る海上自衛隊の砕氷艦で、3日土曜日と4日日曜日に予定されています。会場は室蘭市祝津4丁目にあります室蘭港祝津ふ頭、一般公開に際しての特別な事前手続きはありません。両日とも0900時から1600時までが一般公開時間となっていまして、最終手続きは1500時となっています。時間には余裕を。

 護衛艦あまぎり四日市港一般公開。土曜日には事前応募制の特別公開が行われ、日曜日に一般公開が行われます。なお注意点が。会場は四日市港千歳地区となっていますが、千歳地区に駐車場はありません、シャトルバスが近鉄四日市駅東口から運行されるとのことで、シャトルバスは0830時から1110時までと1240時から1410時まで一定間隔で運行される。

 あまぎり一般公開、ポートタワーから徒歩で、と思われるかもしれませんが四日市港千歳地区はトラック等の往来が多く危険とのことで、シャトルバスを利用するように呼び掛けています。運行間隔は10分から20分間隔とのこと。感染対策の観点から見学を終えた後には寄り道する事無く直帰を呼びかけています。一般公開では艦上まで登れるとのこと。

 ミサイル艇くまたか増毛港一般公開、はやぶさ型ミサイル艇が入港します。時間は3日土曜日に1430時から1600時まで、限られた時間ですが予約不要で自由に見学できます。増毛港の近くには江戸時代にロシアの侵略に備えた秋田藩陣屋が歴史的建築物として維持されており博物館として見学が出来ます、なお留萌から先は鉄道が有りませんのでご注意を。

 台風11号、しかし心配なのは方向が読めない巨大台風です、一時は920hpsまで成長し本日1800時の時点では935hpsと若干勢力を落としてはいますが、火曜日には九州北部へ接近する予報です。雨も強くなっており、現時点で大阪府堺市市内一部に避難指示、先程まで静岡県浜松市にも避難指示が出ていました。九州西日本では少し時間があります、準備が必要です。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・9月3日:ミサイル艇くまたか増毛港一般公開・・・https://www.mod.go.jp/pco/asahikawa/
・9月4日:砕氷艦しらせ室蘭港一般公開・・・https://www.mod.go.jp/pco/sapporo/index.html
・9月3日・4日:護衛艦あまぎり四日市港一般公開・・・https://www.mod.go.jp/pco/mie/event.html
・9月4日:芦屋基地航空祭2022・・・https://www.mod.go.jp/asdf/ashiya/index.html

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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台湾軍が国籍不明無人機撃墜-金門県獅嶼島上空,中国外務省は中国側関与を否定-難しい平時における無人機対処

2022-09-02 07:01:44 | 国際・政治
■臨時情報-台湾海峡情勢
 台湾上空に侵入を繰り返した小型無人機を台湾が9月1日、撃墜しました。台湾上空ですが台湾本島ではなく離島上空であり無人機は国籍不明で軍用か民間人の悪戯かも不明だ。

 金門県の獅嶼島上空に所属不明の無人航空機が繰り返し進入、同島を警備する中華民国台湾軍は繰り返し警告を行いましたが、数日間に渡り不審な飛行を繰り返し、とうとう撃墜という強硬手段が執られました。所属不明の無人航空機であり、中国軍の関与有無などは定かではありませんが、同島は中国本土厦門から4kmの距離にあり、飛行圏内にあります。

 獅嶼島上空の無人機、台湾軍はその様子を撮影していますが、中国国内SNSではその無人機から撮影した画像が投稿されています。その映像には警備哨の十数m付近まで接近する内容が含まれ、余りに接近した為に警備哨の兵士が投石する様子なども含まれていました。無人機の侵入は十日間以上に渡り、台北では厳しい措置を警告、遂に実施されたかたち。

 中国当局は現在のところ対抗措置などの示唆には至っていません。中国外務省は9月1日、無人機撃墜については中国当局が感知するものではない、としていますが、同時に無人機撃墜を直接批判するものではありませんが、台湾当局についてこの領空侵犯を口実として台湾側からの緊張増大を行わないよう遠まわしに警告しています。ただ、頭の痛い問題だ。

 無人航空機に対する対領空侵犯措置は、長年課題とされてきました。空中で鹵獲する方法も確立しておらず、放置か撃墜か、どちらかしかありません。他方でこの問題は日本も無関係ではありません、無人航空機による領空侵犯事案は既に発生している為です。そして小型無人機であっても操船インフラや電子機材等を狙う攻撃に転用する事は可能という。

 スウォーム攻撃、スウォームとはアメリカの昆虫パニック映画タイトルにも用いられているものですが蜂雲、大量の蜂の群れを示す用語ですが、一つ一つ攻撃力は小さくとも数百数千の無人機を同時運用する事で、なにしろ手榴弾を運べるクワッドドローンはタングステン製の20mm機関砲弾の半額以下、威力は小さくとも弾幕の様に飛ばし威力を高める。

 電子妨害という選択肢が無人機対策の王道と成り得ます、しかしこれも金門県では難しい、無人機の通信帯域を遮断する電子妨害を行えば、対岸にある中国本土の都市部を電子妨害する事となり、これこそ電子攻撃、台湾から中国への攻撃とみなされかねません。放置する事も電子妨害で無力化する事も出来ない為に撃墜する、これしか選択肢がなかった。

 継続追跡権を行使できるならば、領空侵犯した無人航空機を軍用無人機により追跡する事は可能でしょう、例えば領海侵犯事案等については侵犯船が領海を出た後でも継続追跡する権利が国際慣習法として認められています。これが無人機に対しても適用出来るならば、誰が発進させたかを中国本土まで追跡出来る事になりますが、適用は事実上難しいのだ。

 ただ、中国外務省が発表した通りに中国当局が関与していないのであれば、中国政府は取り締まるべきで、これが許されるならば第三者が中国国内に対して同様の無人機浸透を行ったとしても批判できない事となります。逆にこれが偽旗作戦等に悪用される懸念もあり、無人機の不審な行動に対して、どのように対応するのか、日本も検討せねばなりません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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