北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】富士学校開校70周年富士駐屯地祭(7)訓練展示-90式戦車と16式機動戦闘車(2024-07-21)

2025-01-30 20:21:13 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■訓練展示
 戦車の有用性というものは実物を見るとよく分かるのですよね。島国には今の反撃能力のような装備が必要という声が有りますが離島攻撃があったとしていきなり敵国の首都をミサイル攻撃するのは難しい。

 戦車大隊は250名です。こうかきますといやいや460名だよという反論が来るのかもしれませんが、戦車中隊が2個まで痩せ細った第3戦車大隊の定員が250名でした、第3偵察戦闘大隊新編時に前日廃止の第3戦車大隊のかたに聞いたので間違いありません。

 普通科連隊の定員は1200名で、これも旧陸軍の歩兵連隊と比較しますとかなり人数が少なく、いや自衛隊創設当時の管区隊普通科連隊は普通科大隊も置かれていてもっと重厚ではあったのですけれども、連隊の数が多くなった今では1200名の定員となった。

 少子高齢化の時代、この1200名という数字ですがもう少し考えられないのかと思う、いや歩兵はアタマカズだよ、といわれるのかもしれませんが中身です。現代第一線火力の発展は装甲化されていない軽歩兵には生存が難しくなっているのですから、ねえ。

 塹壕陣地にこもればどうなるか、一昔ならば装甲車やへリボーンで迂回されるという反論でしたが、2023年以降はロシアウクライナ戦争開戦一年後からロシア軍が滑空爆弾を陣地攻撃に多用するようになりまして、この威力が昔の艦砲射撃なみの一発で。

 滑空爆弾というのはSu-30戦闘爆撃機などに精密誘導型の3tくらいの有翼爆弾を装着して100kmほど先から発射するもの。短距離地対空ミサイルの射程圏外で、精密誘導爆弾は本来付随被害を局限するために威力と落として目標を狙うのが常識でしたが。

 ロシアウクライナ戦争で使用される滑空爆弾は、陣地に命中させるために100km先から投射しても目標に到達するという意味で精密誘導、225kgの500ポンドJDAMとは威力が根本から異なり、塹壕陣地をまるごと吹き飛ばすという爆弾が、日常使用されている。

 地形防御だ、歩兵は歩くことで地形を味方に、という反論もあるのでしょうが、ロシアウクライナ戦争を見ますと、ロシア軍は装甲車不足で、もともと無かった自衛隊とことなりロシアの場合は散々撃破されて数が無いという理由ですが、歩いていて。

 攻撃発起点から徒歩機動10kmの先に敵前哨陣地がある、という想定でロシア軍は徒歩攻撃を加えていますが、前哨陣地到達の頃には、迫撃砲弾や擲弾と無人機攻撃で疲労困憊していて、しかも負傷してしまうと10kmを帰れず、味方に"処置"されるという状況で。

 装甲化するほかない、そしてできるだけ戦車をつけるべきだ、とまあこういう感想になるのですね。戦車大隊の定員は250名でしかない、すると普通科連隊を思い切り縮小して、その分戦車大隊を増やせば、少なくとも人数の面では帳尻があうのではないか。

 第1普通科大隊の定員は380名である、第1普通科大隊ってどこだよ、と反論があるかもしれませんが、習志野の空挺団、普通科群が2004年に廃止されて3個普通科大隊が編成されたものの一つ。考えてみるともう普通科大隊新編から20年も経っていることに驚く。

 普通科大隊と戦車大隊を合計すると630名という。この2個大隊を基幹に連隊を組めば、本部管理中隊の関係で700名規模にはなってしまうでしょうけれども、1200名の普通科連隊よりも装備密度を高く、有事の際の生存性をかなり高く出来る部隊とはならないか。

 24式装輪装甲戦闘車の調達費用が10式戦車の費用よりも高くなっている様子を見ますと、もう戦車300両体制という時代は過去の、少なくとも台湾海峡有事の蓋然性やロシアウクライナ戦争開戦後には過去の話となっているのだから、戦車増勢を、と思うのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-ハリコフ戦線,ロシア軍がT-80戦車等を含む30両以上の機械化車輛による攻撃

2025-01-30 07:01:11 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 機械化装備の計画的な備蓄を行わなければという一例か。

 ロシア軍はT-80戦車等を含む30両以上の機械化車輛による攻撃をハリコフ州において実施した、ISWアメリカ戦争研究所う1月24日付ウクライナ戦況報告によれば、ハリコフ州のウクライナ軍旅団報道官の発言として紹介、ウクライナ軍はこの攻撃を撃破したとのこと。ロシア軍は攻撃準備に一ヶ月以上を要したようですが、この規模の攻撃は珍しい。

 T-62など旧式戦車ではなくこの攻撃には近代化改修を受けたT-80戦車も含まれていたという。一方、ロシア軍はライマン方面においては歩兵突撃を多用しており、4名程度の歩兵を多方向から絶え間なく突入させる運用を採っており、一方でその結果、ロシア軍の歩兵被害は多大な規模になっているともISW報告は付け加えています。

 シヴェルスク方面においては、ロシア軍は23日、民間車両やオートバイ40両以上による攻撃を実施したとしています。ポクロフスク戦線について、ロシア軍は包囲機動をとっていたポクロフスクを、このところ北方と南方から迂回しようとしているとのこと。ただ、迂回するいっぽうで、市街地に対する火砲やミサイルによる攻撃も実施しているという。

 戦域全般の状況として、ロシア軍はスジャ北西地域と南方地域で前進、チャシブヤール南方地域で前進、クラホヴェ南西地域で前進、ヴェリカノヴォシルカ東部と中央部で前進、トレツク西方において前進、多大な死傷者を出していますが、そして距離ではわずかではあっても後退していないという点は重要なのかもしれません。

 ウクライナ軍は23日から24日にかけ、大規模な無人機攻撃を実施、攻撃目標は石油精製施設と軍需工場であり、ブリャンスク市内の電子工場、リャザン市内の石油精製視閲、リャザン市内の石油パイプ関連施設等を攻撃したとのこと。一方で、ロシア軍はこの日、121機のウクライナ軍無人機を撃墜したと発表しています。

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