北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

岸田-ゼレンスキーキエフ首脳会談,日本が約束した"非殺傷の装備品"とはなにが現地で必要とされているか

2023-03-24 07:00:33 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 非殺傷の装備品、装備品というからには民生品や仮設住宅などではなく自衛隊に装備されているものなのでしょうが何を示すのだろう。

 岸田総理大臣はウクライナのキエフを訪問し、ゼレンスキー大統領との間で初の首脳会談を実施、総理は手土産に“しゃもじ”を手渡しました。ステルス機の暗号名称でも新型ミサイルの略称でもなく、あのご飯とかを盛る特大のしゃもじです。宮島しゃもじという広島県の特産物で、海上自衛隊の方曰く、まあ最悪の場合フネを漕ぐのに使えるよね、と。

 縁起物ではあるそうですが、しかし戦時下のキエフに何を持ちこんでいるのだ、と。イギリスはチャレンジャー2主力戦車を、フランスはカエサル自走榴弾砲を、アメリカはHIMARS高機動ロケットシステム、ドイツはレオパルド2主力戦車、カナダはバイソン装輪装甲車、イタリアはFH-70榴弾砲、日本はしゃもじ、G7主要国の中で一つ浮いている。

 非殺傷の装備品を中心に供与する。確かにしゃもじは映画潜水艦イ57降伏せず劇中で艦内の喧嘩に水雷科の水兵さんを主計科の水兵さんが引っ叩くのに使ったくらいで、非殺傷用ですが、例えば退役させる82式指揮通信車を装甲救急車として内部に担架を設置して供与とか、軽装甲機動車を供与するとか、退役するUH-1J多用途ヘリコプターなど出来ないか。

 90式戦車の退役が始りますが、このあたりを供与してはとも思う、ロシア軍がT-62戦車を復帰させているのだから能力的には退役進む74式戦車を供与してももう漏れる情報はほとんどないし、ロシアが鹵獲し74式戦車への対抗策を練ったとしても、供与条件に戦後に鹵獲したT-90戦車残骸などロシア製装備バーターを要請するならば十分帳尻は合います。

 渡河器材や築城器材、非殺傷装備といいますとこの当たりをもう少し真剣に考えてみてはと思う、特に今後ウクライナ軍がドニエプル川を超えての反撃を行う場合にウェットギャップの克服に渡河器材はどれだけあっても足りません、なにも供与するものが最新の07式機動支援橋でなくとも、こちらの生産を急ぎ旧型の81式自走架橋柱を供与してもよい。

 しゃもじ供与では、日本の品格が疑われる。もちろん非殺傷の装備品を供与することは盟約しているのですから、なんらかの装備品を供与するのでしょうけれども、野外炊具一号とか野外洗濯システムⅡ型のような、現地が死活的に必要とはしていない装備よりは、例えば毎年数百両が廃棄されている高機動車、何故か廃車をロシア軍が使っている、こういったものの方が現場では歓迎されるでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 南海トラフ連動地震と十二年... | トップ | 令和四年度三月期 陸海空自... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・政治」カテゴリの最新記事