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ウクライナ情勢-黒海上空サイクロン"ベチナ"の影響とアヴディイフカ挟撃,ロシア軍一日平均死傷者数931名

2023-12-11 07:00:22 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 悪天候と云いますと今年夏のイタリア空軍小松基地展開が台風により大幅に遅れた事を思い出すのですがウクライナではロシアに非常に厳しい状況を強いている。

 黒海を大荒れの天候が襲っている、ISWアメリカ戦争研究所11月27日付戦況報告によれば、黒海とウクライナ南部でサイクロンが発生し、ロシア南部沿岸及びウクライナ南部ロシア軍占領地に多大なインフラ被害を引き起こしているとのこと。ただ、ウクライナの前線、気象用語ではなく軍事用語、影響を与えているが停止させるには至っていません。

 べチナ、とロシア報道が名付けた暴風雨は今世紀最大の破壊力とされる。吹雪による視界不良はロシア軍とウクライナ軍両軍の軍事行動に、進捗を妨害する程度の影響を及ぼしているとのこと。なお、アヴディイフカでの戦闘について、ロシア軍は市街地を六方向から攻撃し、北東部アヴディイフカコークス工場と南東部工業地帯からの攻撃が激しい。
■ロシア一日平均死傷者数
 この数字を見ると航空戦力など近接戦闘を避け最大限の打撃力を与えられる防衛力の重要性を感じ取れるのですが。

 ロシア軍の一日平均死傷者数は931名に上る、イギリス国防省11月27日付ウクライナ戦況分析により示されました。これは11月の平均値をウクライナ参謀本部が示したもので、ロシア側は自軍の損害について2023年に入り具体的な数字は示していません。この大きな損耗はドンバス地方のアヴディイフカへの断続的な攻撃を続けた為とみられる。

 アヴディイフカ攻防戦の前にはバフムトが膨大な死傷者を出していました、2023年3月にバフムトへのロシア軍攻撃がロシア軍自身に膨大な損耗を強いたのは記憶に新しいものの、そのバフムト攻撃が最も激化していた3月のロシア軍一日平均死傷者数でさえ776名であったため、現在のロシア軍損耗はバフムト攻防戦を超える規模となっています。
■アヴディイフカ挟撃
アヴディイフカが厳しい。

 アヴディイフカ挟撃を進めるロシア軍は市街地北方で若干の前進に成功した、イギリス国防省ウクライナ戦況報告11月28日付発表にその概況が示されました。10月からの二か月間、ロシア軍は2㎞という距離を前進し、これはロシア軍にとり2023年4月以降では最大の戦果といえるものですが、この2㎞の代償に膨大な戦死者を出しています。

 アヴディイフカのウクライナ軍防衛拠点は工業地帯を利用していて、ロシア軍は北部での攻撃によりウクライナのアヴディイフカ北方防衛拠点となっているアヴディイフカ石油化学プラントへさらに迫っているとのこと。ただ、ウクライナ軍はアヴディイフカが挟撃されているものの、幅7㎞の回廊を保持し、市内への補給路を維持し続けています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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