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中国軍台湾周辺軍事演習常態化の懸念-沖縄与那国島は東シナ海のゴトランド島か,紛争の戦争化防ぐ要諦

2022-08-08 07:01:51 | 国際・政治
■臨時情報-台湾情勢
 戦争は抑止する為の厳しい努力を防衛と外交の両面で行わなければ危機の段階は一つ一つ進み、最後には選択肢が無くなってしまう。

 中国軍の演習は終了予定日であった7日も台湾周辺海域において継続的に展開、このまま中国軍の軍事演習が常態化するのではないかという懸念が出ています。そして中国外務省は我が国EEZ排他的経済水域へのミサイル着弾に関する講義に対し、この海域での日本のEEZ設定を認めない発言を報道官が示し、今も撤回されていません。どうなるのか。

 常態化するならば、自衛隊の南西諸島警戒監視体制は、南西諸島防衛体制強化へ一段進めなければほんとうに戦争が起こる状況となりかねません。そして台湾有事の現実化を防ぐ事ができるかは、インド太平洋諸国はじめ有志の協力が必要となるのですが、その為にも南西諸島、台湾の北側に軍事空白地帯を許し、戦争を流れ込ませてはならない構図がある。

 与那国島を筆頭に南西諸島南部は台湾有事を抑止する為の要諦となる、恰もバルト海に浮かぶスウェーデン領ゴトランド島のように。中国軍がこのまま台湾周辺への緊張状態を高めれば、日本の直ぐ南で第二次世界大戦後最大の海上戦闘がおこりかねない状況です。その戦闘は日本のシーレーンの半分を遮断し、流れ出た浮流機雷は日本の港湾も閉塞させる。

 戦争を防ぐ事は出来ないか、この為には台湾有事に際して日米がこの地域において軍事力による現状変更は許さず、中華民国台湾と中華人民共和国の統合は平和的で民主的手続きによる台湾住民投票によるほかない、この姿勢を示さねばなりません。そしてウクライナ戦争と違い、大量の自国民救出などへ各国が軍用機により関与する可能性も示す必要が。

 ゴトランド島、さて、欧州でウクライナにおける緊張が高まると、ウクライナから遥か離れたスウェーデン軍は、ウクライナとは隣接すらしていないバルト海のゴトランド島へ機械化部隊を派遣、レオパルド2主力戦車とCV-90装甲戦闘車からなる強力な部隊を派遣しました、これはスウェーデンが異なる地域でのロシア軍活動を抑止する必要を感じたため。

 スウェーデン軍は、バルト海の中央部に位置し直ぐ隣をロシア海軍バルチック艦隊が航行するゴトランド島が万一ロシア海軍歩兵や空挺軍により占拠される状況となれば、ウクライナに続いてロシアの飛び地であるカリーニングラードと友好国ベラルーシを結ぶ東欧諸国の回廊、スヴァルキギャップに侵攻する為の策源地となる可能性を抑止力で塞ぎました。

 与那国島を筆頭とする南西諸島南部は、北東アジア地域においてアメリカ軍最大拠点の一つである在沖米軍と台湾を結ぶ中間点にあり、ここを台湾侵攻の前段階として中国軍に占拠されるような状況となれば、アメリカの同盟国や有志連合は台湾に近づく難易度が非常に高くなるのです。そして与那国島は現在、沿岸監視隊が駐屯するのみ、手薄な状況です。

 戦車部隊だけでも北海道から緊急展開させる事は出来ないか、戦車部隊であれば見た目は厳ついですが、戦車砲は中国本土まで届かず中国は言いがかり以外で刺激することもありません。しかし、中国本土への脅威は及ぼさないが中国軍が与那国島を侵攻する意図がもし僅かでもあれば、喩え戦車小隊と機械化普通科中隊だけでも、巨大な抑止力となります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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