■グローバルホーク撃墜は初
ホルムズ海峡で新しい緊張の火種です、ペルシャ湾とホルムズ海峡でのタンカー連続襲撃事件を受け有志連合と共に警戒を強化していたアメリカ軍の無人偵察機が、撃墜されました。
イラン革命防衛隊がアメリカのRQ-4無人偵察機を撃墜したと発表しました。イラン南部のホルモズガン州上空で撃墜した、イラン国営プレスTVの報道がCNNなど世界中で引用報道されました。コクカカレイジャス号など六件のタンカー連続襲撃事件を受け警戒が強化されていた中での無人偵察機撃墜は中東地域の緊張を一気に加熱させる懸念があります。
RQ-4無人偵察機とは。グローバルホークの愛称で知られる、全幅35mという巨大な無人偵察機で、最長36時間に渡り滞空し、監視任務を継続することが可能です。航空自衛隊も導入を計画している機種であり、実用上昇限度は19800m、国際線の旅客機が飛行機雲を曳く高度よりも遙かに上空に留まり、長時間にわたる警戒監視任務に当たることが可能です。
ボーイング737-700ER旅客機の全幅が34.3mですので、RQ-4機体、この全幅35mという機体がいかに大きいかがわかります。また、36時間という飛行時間は、U-2偵察機やP-1哨戒機では、乗員の疲労という問題から無人機でなければ不可能であり、また、RQ-4は非常に高価な機体ですが、今回のように最悪撃墜された場合でも人的損害だけはありません。
革命防衛隊はホルモズガン州上空を領空侵犯していたと発表しています。過去にはRQ-170無人偵察機等がイラン側に捕獲された事例や、またタンカー襲撃事件前にはMQ-9無人攻撃機が攻撃を受けていました。しかし、RQ-4はそれよりも遙かに高い高度を飛行するため、意外でした。こういいますのも、高高度を飛行するRQ-4はその分、遠距離を監視可能です。
SAR合成開口レーダーはEO-IR複合光学監視装置と併用することで130km以遠の1m規模の解像度を有しており、一機で同時に10万平方kmを監視可能とされています、EO-IRにはスポットズーム機能があり、これにより狭視野ながら0.3mの精細画像を200kmの距離でも撮影が可能といい、ホルムズ海峡を監視する場合、対岸のオマーンからも可能です。
革命防衛隊の主張が事実であれば、これはイラン領内に墜落した事となり後日残骸などが公開されるでしょうが、RQ-4はイラン内陸部の戦術拠点や部隊移動を監視していた事となります。問題はRQ-4の運用が基本的に高高度を飛行する、という点です。これはMQ-9無人攻撃機のように低空に展開する運用を想定しない為で、これまでになかったRQ-4撃墜報道には驚かされた。
高度19000mを飛行するRQ-4,実際には上昇限度よりももう少ししたを飛行するのですが、それでも携帯地対空ミサイル等では撃墜できず、例えば自衛隊の装備では改良ホーク地対空ミサイルや03式中距離地対空誘導弾、航空自衛隊のペトリオットミサイル規模のような戦域防空システムでなければ撃墜できません、言い換えれば、これが使われたということ。
平時においても戦域防空システムが使用される、特に平時の手順で有れば旅客機の高度よりも高い高度を飛行する大型機を撃墜するのです、本来の手順で有れば角栄防衛隊はイラン政府を通じて領空侵犯の非難をアメリカ政府に通知すると共に証拠画像等を報道発表し、これが続いた場合に撃墜、という手順を取るべきでしょう。しかし現実は、撃墜でした。
戦域防空システムが使用されたと共に、現在運用されている無人偵察機の中でRQ-4は最も高い高度で運用される監視型無人機の一つです、これが初めて撃墜されたという事は、アメリカがホルムズ海峡周辺におけるタンカー襲撃を阻止する為に必要な情報を収集する際の障害が増えた事を意味し、その障害を排除する為の次の手段を迫った構図にもなるでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
ホルムズ海峡で新しい緊張の火種です、ペルシャ湾とホルムズ海峡でのタンカー連続襲撃事件を受け有志連合と共に警戒を強化していたアメリカ軍の無人偵察機が、撃墜されました。
イラン革命防衛隊がアメリカのRQ-4無人偵察機を撃墜したと発表しました。イラン南部のホルモズガン州上空で撃墜した、イラン国営プレスTVの報道がCNNなど世界中で引用報道されました。コクカカレイジャス号など六件のタンカー連続襲撃事件を受け警戒が強化されていた中での無人偵察機撃墜は中東地域の緊張を一気に加熱させる懸念があります。
RQ-4無人偵察機とは。グローバルホークの愛称で知られる、全幅35mという巨大な無人偵察機で、最長36時間に渡り滞空し、監視任務を継続することが可能です。航空自衛隊も導入を計画している機種であり、実用上昇限度は19800m、国際線の旅客機が飛行機雲を曳く高度よりも遙かに上空に留まり、長時間にわたる警戒監視任務に当たることが可能です。
ボーイング737-700ER旅客機の全幅が34.3mですので、RQ-4機体、この全幅35mという機体がいかに大きいかがわかります。また、36時間という飛行時間は、U-2偵察機やP-1哨戒機では、乗員の疲労という問題から無人機でなければ不可能であり、また、RQ-4は非常に高価な機体ですが、今回のように最悪撃墜された場合でも人的損害だけはありません。
革命防衛隊はホルモズガン州上空を領空侵犯していたと発表しています。過去にはRQ-170無人偵察機等がイラン側に捕獲された事例や、またタンカー襲撃事件前にはMQ-9無人攻撃機が攻撃を受けていました。しかし、RQ-4はそれよりも遙かに高い高度を飛行するため、意外でした。こういいますのも、高高度を飛行するRQ-4はその分、遠距離を監視可能です。
SAR合成開口レーダーはEO-IR複合光学監視装置と併用することで130km以遠の1m規模の解像度を有しており、一機で同時に10万平方kmを監視可能とされています、EO-IRにはスポットズーム機能があり、これにより狭視野ながら0.3mの精細画像を200kmの距離でも撮影が可能といい、ホルムズ海峡を監視する場合、対岸のオマーンからも可能です。
革命防衛隊の主張が事実であれば、これはイラン領内に墜落した事となり後日残骸などが公開されるでしょうが、RQ-4はイラン内陸部の戦術拠点や部隊移動を監視していた事となります。問題はRQ-4の運用が基本的に高高度を飛行する、という点です。これはMQ-9無人攻撃機のように低空に展開する運用を想定しない為で、これまでになかったRQ-4撃墜報道には驚かされた。
高度19000mを飛行するRQ-4,実際には上昇限度よりももう少ししたを飛行するのですが、それでも携帯地対空ミサイル等では撃墜できず、例えば自衛隊の装備では改良ホーク地対空ミサイルや03式中距離地対空誘導弾、航空自衛隊のペトリオットミサイル規模のような戦域防空システムでなければ撃墜できません、言い換えれば、これが使われたということ。
平時においても戦域防空システムが使用される、特に平時の手順で有れば旅客機の高度よりも高い高度を飛行する大型機を撃墜するのです、本来の手順で有れば角栄防衛隊はイラン政府を通じて領空侵犯の非難をアメリカ政府に通知すると共に証拠画像等を報道発表し、これが続いた場合に撃墜、という手順を取るべきでしょう。しかし現実は、撃墜でした。
戦域防空システムが使用されたと共に、現在運用されている無人偵察機の中でRQ-4は最も高い高度で運用される監視型無人機の一つです、これが初めて撃墜されたという事は、アメリカがホルムズ海峡周辺におけるタンカー襲撃を阻止する為に必要な情報を収集する際の障害が増えた事を意味し、その障害を排除する為の次の手段を迫った構図にもなるでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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