北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

北朝鮮第二次軍事偵察衛星打ち上げ予告期間-前回は韓国西方沖落下,沖縄南西諸島ミサイル防衛部隊厳重警戒

2023-08-24 07:00:09 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ミサイル防衛
 夏休みの観光シーズンである沖縄県に緊張が走っています。

 北朝鮮は本日8月24日から31日にかけ、軍事偵察衛星打ち上げを行うと我が国海上保安庁へ通告しました。軍事偵察衛星の打ち上げロケットは朝鮮半島から沖縄県に向け発射され、切り離したロケットはフィリピン近海に落下するとされています。ただ、5月にも同様の発射を行い失敗、その結果朝鮮半島西方沖に落下し大量の破片が回収されました。

 マルリギョンⅠ号偵察衛星という、5月の打ち上げ失敗は、新型ロケットチョルリマⅠ型が二段エンジン点火に失敗し落下したという実情があります。なお、ロケットの日本本土への落下を警戒し政府は自衛隊へ破壊措置命令を発令、周辺海域にイージス艦を遊弋させるとともに南西諸島へペトリオットミサイル部隊を派遣し、警戒を強化しています。
■沖縄県が危険
 ロケット打ち上げの何が危険なのかについて。

 人工衛星について、留意すべき点は多段式ロケットを用いて偵察衛星の周回軌道に乗せるために沖縄県上空を飛翔する点で、特に前回失敗したロケット打ち上げの際には韓国軍が洋上でその残骸を回収しており、液体燃料ロケットであった事が燃料タンクから判明しています。宇宙を目指すロケットは酸化剤を添加しなければ酸素がなく燃焼できません。

 ロケットの燃料タンクが落下した場合は酸化剤を添加されたロケット燃料が拡散することとなり、ロケット燃料の酸化ヒドラシンなどは発癌性を持つ有害物質となっています。これが人口密集地域へ落下する可能性は高いとは断言できないのですが、上昇中に空中分解した場合は広範囲に破片が拡散する為、その経路上の沖縄県が危険だとされる所以です。
■沖縄県での迎撃態勢
 イージス艦とペトリオットミサイルが備えています。

 沖縄県での迎撃態勢について。石垣島では沿岸部へペトリオットミサイル部隊が展開しており、ミサイルが配置される射撃陣地は市道と接している為、ミサイル発射時にはブラスト被害などが発生する懸念があるため、発射時には自衛隊員が指導を通行しないよう呼びかけるとしており、市道通行に対しては射撃の際を除いて交通規制は行われないという。

 宮古島では航空自衛隊のレーダーサイトが置かれる宮古島分屯基地へペトリオットミサイルPAC-3-MSEが展開しているもようで、MSEはPAC-3よりも射程が延伸しており周辺地域の防空が可能とのこと。与那国島では自治体情報連絡室が置かれ24時間体制で警戒態勢を執り、ロケット発射の場合には防災無線により退避を呼びかけるとのことです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【京都幕間旅情】妙心寺,法堂... | トップ | 北朝鮮偵察衛星打ち上げ失敗-... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防衛・安全保障」カテゴリの最新記事