■海外装備ライセンス生産
個人的には小松製作所に再生産を依頼し排気量規制などは他の協力企業が改修する方式を模索してはと思うのですが。
軽装甲機動車の後継車両について、小松製作所は開発に応募せず、三菱重工も新規開発ではなく海外装備のライセンス生産を提案しています、これは設計と試作費用を防衛省が惜しんでいるために既存装備から好きなものを選べ、という事なのかもしれません。個人的には開発候補の車両性能を見る限り、高機動車などを原型として国産がいいよう思う。
三菱重工業はタレスオーストラリア社のハーケイ軽装甲車のライセンス生産を、丸紅エアロスペースはスイスのモワク社製イーグルⅣ装甲偵察車を提案しています。ハーケイはオーストラリア軍が13億ドルで1100両を調達中、イーグルは2017年にデンマークが36両を3500万ドルで調達、共に痛感するのは製造費用が100万ドル前後という費用だ。
国産装備は高い、という1990年代の認識で2020年代に円安の日本円で防衛装備を調達しようとしますと、防衛予算がGDP2%の時代でも不足するのかもしれません、いや、防衛予算は増額する中でもその増額分は必要な新しい装備の調達に用いれるのですから装甲車両の調達に充てられない可能性も残り、一個連隊に軽装甲車8両、という可能性さえ。
ハーケイ軽装甲車もイーグル軽装甲車も、9600万円で調達した96式装輪装甲車よりも高くなるものなのだから、これを本当に毎年100両以上、多い年には202両調達した軽装甲機動車の後継に揃えられるものなのか、仮に軽装甲機動車の調達予算と同額しか財務省が認めない場合には毎年の調達数はせいぜい35両前後となり、全く数が揃いません。
軽装甲機動車、富士重工スバルとAH-64D戦闘ヘリコプター中断問題に際して351億円の賠償金を支払うことで防衛省と富士重工が和解したように、ここはひとつ小松製作所に防衛省が謝罪しては、と思うのです。元をたどればこれは装輪装甲車(改)という防衛装備品開発に際し、小松製作所が落札し厳しい防衛省の要求仕様下で開発した事が始まり。
装輪装甲車(改)、防衛省が96式装輪装甲車の後継として要求し開発したもので、小松製作所はNBC偵察車を原型とした装輪装甲車(改)を提案、これの製造費用見積もりは1.7億円といい、対して道微視重工が16式機動戦闘車派生の機動装甲車を2.5億円で提案しましたが、装輪装甲車(改)の方が安価で、また車幅を2.5m以内に抑えた点が評価された。
2.5mというのは重要な点で、これを超える大きさの車両は道路運送車両法の特殊大型車両となる、何故かというと車幅がセンターラインをはみ出すために対向車に衝突するか歩道に乗り上げガードレールを破壊する為です、一部国道や片側二車線道路ならば問題はないのですが、特殊大型車両は所轄警察署など道路管理者に届け出を出さねばなりません。
NBC偵察車、饗庭野演習場や東富士演習場で演習参加車両を何度か見せていただきましたが、一部の方が言うような不整地突破能力の低さを感じるものではありません。同じ演習場でストライカー装輪装甲車を見せていただき、乗せてもらう貴重な機会もありましたが、言われるほどストライカーに不整地突破能力の高さを感じず、そんなものかと感じた。
ストライカー装輪装甲車を比較に挙げたのは実は演習中のボクサー装輪装甲車やパトリアAMV装甲車を見たことがないために、比較できるのがこれくらいという印象で示したものなのですが、NBC偵察車や96式装輪装甲車と比較した場合にそれほど国産車が劣っている印象がない、74式戦車と共に96式装輪装甲車で移動した際も乗り心地は良かった。
装輪装甲車(改)についてなのですが、完成した車両は地雷からの防護能力を想定して車高を高くしてほしいという要求と務めて2.5m以内に収めてほしい、との要求を反映して、かなり難しい形状となっていて、地雷防護を度外視してNBC偵察車からNBC関連機材を取り外したものをそのまま装輪装甲車(改)とすればよかったのに、とは考えたところ。
防衛省は装輪装甲車(改)について、将来発展性として砲塔を載せられないという要求仕様になかった問題点を指摘、防御力も不十分であるとして不採用を決定しました。開発費を返還するよう求められたことで小松製作所が激怒、特に要求仕様にない点を問題視されては設計などできない、として防衛産業の新規設計からの撤退を表明、という結果に続く。
コスト管理の面では国産装甲車は比較的成功していた、乗ってみた感想として装輪装甲車の安定性も、優れているとは言わないまでも倍額の海外製装甲車と比較して半分以下の性能とまではいかず、まあほぼ同じ性能を発揮できていた。国産を少し検討したうえで、現実的に1954両を20年弱で揃えられるのかを明確化し、装備を決定してほしいのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
個人的には小松製作所に再生産を依頼し排気量規制などは他の協力企業が改修する方式を模索してはと思うのですが。
軽装甲機動車の後継車両について、小松製作所は開発に応募せず、三菱重工も新規開発ではなく海外装備のライセンス生産を提案しています、これは設計と試作費用を防衛省が惜しんでいるために既存装備から好きなものを選べ、という事なのかもしれません。個人的には開発候補の車両性能を見る限り、高機動車などを原型として国産がいいよう思う。
三菱重工業はタレスオーストラリア社のハーケイ軽装甲車のライセンス生産を、丸紅エアロスペースはスイスのモワク社製イーグルⅣ装甲偵察車を提案しています。ハーケイはオーストラリア軍が13億ドルで1100両を調達中、イーグルは2017年にデンマークが36両を3500万ドルで調達、共に痛感するのは製造費用が100万ドル前後という費用だ。
国産装備は高い、という1990年代の認識で2020年代に円安の日本円で防衛装備を調達しようとしますと、防衛予算がGDP2%の時代でも不足するのかもしれません、いや、防衛予算は増額する中でもその増額分は必要な新しい装備の調達に用いれるのですから装甲車両の調達に充てられない可能性も残り、一個連隊に軽装甲車8両、という可能性さえ。
ハーケイ軽装甲車もイーグル軽装甲車も、9600万円で調達した96式装輪装甲車よりも高くなるものなのだから、これを本当に毎年100両以上、多い年には202両調達した軽装甲機動車の後継に揃えられるものなのか、仮に軽装甲機動車の調達予算と同額しか財務省が認めない場合には毎年の調達数はせいぜい35両前後となり、全く数が揃いません。
軽装甲機動車、富士重工スバルとAH-64D戦闘ヘリコプター中断問題に際して351億円の賠償金を支払うことで防衛省と富士重工が和解したように、ここはひとつ小松製作所に防衛省が謝罪しては、と思うのです。元をたどればこれは装輪装甲車(改)という防衛装備品開発に際し、小松製作所が落札し厳しい防衛省の要求仕様下で開発した事が始まり。
装輪装甲車(改)、防衛省が96式装輪装甲車の後継として要求し開発したもので、小松製作所はNBC偵察車を原型とした装輪装甲車(改)を提案、これの製造費用見積もりは1.7億円といい、対して道微視重工が16式機動戦闘車派生の機動装甲車を2.5億円で提案しましたが、装輪装甲車(改)の方が安価で、また車幅を2.5m以内に抑えた点が評価された。
2.5mというのは重要な点で、これを超える大きさの車両は道路運送車両法の特殊大型車両となる、何故かというと車幅がセンターラインをはみ出すために対向車に衝突するか歩道に乗り上げガードレールを破壊する為です、一部国道や片側二車線道路ならば問題はないのですが、特殊大型車両は所轄警察署など道路管理者に届け出を出さねばなりません。
NBC偵察車、饗庭野演習場や東富士演習場で演習参加車両を何度か見せていただきましたが、一部の方が言うような不整地突破能力の低さを感じるものではありません。同じ演習場でストライカー装輪装甲車を見せていただき、乗せてもらう貴重な機会もありましたが、言われるほどストライカーに不整地突破能力の高さを感じず、そんなものかと感じた。
ストライカー装輪装甲車を比較に挙げたのは実は演習中のボクサー装輪装甲車やパトリアAMV装甲車を見たことがないために、比較できるのがこれくらいという印象で示したものなのですが、NBC偵察車や96式装輪装甲車と比較した場合にそれほど国産車が劣っている印象がない、74式戦車と共に96式装輪装甲車で移動した際も乗り心地は良かった。
装輪装甲車(改)についてなのですが、完成した車両は地雷からの防護能力を想定して車高を高くしてほしいという要求と務めて2.5m以内に収めてほしい、との要求を反映して、かなり難しい形状となっていて、地雷防護を度外視してNBC偵察車からNBC関連機材を取り外したものをそのまま装輪装甲車(改)とすればよかったのに、とは考えたところ。
防衛省は装輪装甲車(改)について、将来発展性として砲塔を載せられないという要求仕様になかった問題点を指摘、防御力も不十分であるとして不採用を決定しました。開発費を返還するよう求められたことで小松製作所が激怒、特に要求仕様にない点を問題視されては設計などできない、として防衛産業の新規設計からの撤退を表明、という結果に続く。
コスト管理の面では国産装甲車は比較的成功していた、乗ってみた感想として装輪装甲車の安定性も、優れているとは言わないまでも倍額の海外製装甲車と比較して半分以下の性能とまではいかず、まあほぼ同じ性能を発揮できていた。国産を少し検討したうえで、現実的に1954両を20年弱で揃えられるのかを明確化し、装備を決定してほしいのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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「2台で8名」輸送している訳で、しかも操縦手まで下車するという運用な訳です。96式装輪装甲車は操縦手と車長+8名です(高機動車も同じ?)。
つまり、軽装甲機動車2.5台で96式1台分な訳です。これで価格差はほぼなくなります。しかも
・軽装甲機動車は、車内が狭くて、歩兵の装備品を全て載せられないと言われます。
・軽装甲機動車は軽装甲であり、これは装甲車としての装甲厚より装甲が薄いという定義です。
つまり、軽装甲機動車を「兵員輸送車」として使うと、96式よりも高価で低性能だったのではないでしょうか?
陸自の1500両の軽装甲機動車のうち、1000-1200両くらいがもし「兵員輸送車」として使われれいるのだとすると、その代替は装甲兵員輸送車400-500両で十分です。装甲が厚く搭載力もより大きいなら、これでも大幅改善かと。
軽装甲機動車の後継は、300-500両程度のイーグル(or ハウケイ)と、400-500両程度の「和製ブッシュマスター」あるいはブッシュマスターそのものの国産化で良いのではないでしょうか?
装甲車両の調達費および維持費が足りないなら、遠慮なく陸自の人員を削減すべきです。少子化に伴い、隊員の確保はどんどん難しくなりますし、隊員一人一人の命はもっと大事になります。「装備充実、人数削減」しか未来はないのですから、その方向へ舵を切るべきです。とくに装甲兵員輸送車は、高齢化して体力が低下してきた隊員でも前線近くまで機動できる重要な装備と思います。
つづく。。。
・3両で1個小隊39名。
・小銃小隊3個と中隊本部=12両で1個中隊150名。
・3個中隊+火器中隊+大隊本部=60両で1個大隊700名。
3000両あれば(予備車を1割、他用途を1割として)40個大隊相当を編成できます。3個大隊に兵站部隊や火力部隊、旅団本部、施設中隊を加えて、5個大隊相当300両3500名で完全装甲自動車化された「機械化歩兵旅団」を8個は編成できます。これで陸自の(数の上での)主力を編成できます。
16式MCVによる「装甲偵察中隊」、軽装甲機動車後継による「軽装甲偵察中隊」を適宜組み込めば、定員3700名程度の世界的にみてバランスの取れた旅団ができるかと。
あとは、戦車とIFVと8輪装甲車を擁する「機械化装甲(機甲)旅団」3個、「空挺・空中機動旅団」1個、「海兵旅団」1個、敢えて高機動車で編成する「軽歩兵旅団」3個で編成すればよい。
この経費は人員削減で捻出すべきものであり、定員12マン人ほどの陸自になるでしょうか。。。
まあ、編成の話は別としても、「少し車体を延長した和製ブッシュマスター」的な装甲車は必要と思います。