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ウクライナ戦争-東部戦線一週間以上の膠着と両国悩ます予備戦力枯渇,進むウクライナ用レオパルト1戦車訓練

2023-08-26 07:00:44 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナにおいて供与装備や保管装備をもとに新設旅団が次々新編されている様子をみますと、日本も用途廃止装備の扱い方を考えるべきだと思う。

 東部戦線は一週間以上膠着している、イギリス国防省ウクライナ戦況報告8月19日発表として示されました。東部戦線でもロシア軍はクピアンスク地方での威力偵察を続けており、これが攻撃の兆候である可能性はあるのですが、際立った前進などは見られないと分析、陽動であるのか再攻撃の兆候かまでは不明ですが現状で再攻撃は行われていません。

 南部戦線においてはウクライナ軍がモクリヤリー川沿いに前進を続けウロジャイン村を奪還したと分析しています。ただ、重ねてイギリスの分析では、ウクライナ軍はロシア軍の構築した防御線陣地からの激しい抵抗を受けているとしており、モクリヤリー川沿いにウクライナ軍が更なる戦果拡張を行うには容易ではないという視点も付け加えています。
■共に予備戦力に余裕なく
 この予備戦力枯渇というてんでは日本も同じですね戦争していませんけれども。

 ウクライナ軍とロシア軍の共通する要素は二つある、イギリス国防省ウクライナ戦況報告8月19日発表では両軍の再攻勢や反転攻勢が進まない背景を分析しています。一つは共に予備戦力に余裕がなく攻勢を展開することの難しさがあるということ。もう一つはロシア軍もウクライナ軍も2022年末の防衛線をそうとう強化しているということ。

 2022年冬までに両軍は攻撃前進をいったん棚上げしており、特にロシア軍はウクライナ軍の春季攻勢を想定し防衛線を強化、ウクライナ軍も戦車が動きやすい冬季での攻撃を想定し防御を掃討強化していました。これにより地雷と塹壕に対戦車火器などを複々線以上にわたり巡らせている防御陣地帯を突破することは共に容易ではない、という点です。
■レオパルド1戦車訓練
 民間企業が保管していたレオパルト1が相当数あるというのが凄い話で74式戦車も万一の際に緊急に世界から戦車を調達する費用を考えれば倉庫代など大したことはないように思うのだけれど。

 ドイツ国防省はウクライナ供与予定のレオパルド1戦車訓練状況を報道公開しました。これはNHKが8月18日0623時に報道したもので、演習ではドイツ東部のザクセンアンハルト州演習場における訓練の様子が紹介、所謂NATO迷彩ではなくOD単色迷彩のレオパルド1A4戦車と思われる戦車が戦車砲を射撃する様子などが紹介されています。

 レオパルド1は第二世代戦車、陸上自衛隊の74式戦車と同世代の戦車ですが、暗視装置が改良されています。ただ、第二世代戦車の限界として防御力は徹甲弾の直撃に耐えるものではなく、一方で訓練を支援する連邦軍のマーロー中将の話として、レオパルド1の強みは三桁を供与できることだとしており、ドイツは100両を供与する計画とのことです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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