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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-北朝鮮人民軍部隊参戦による拡大懸念とロシア軍9月一日平均死傷者数1271名

2024-10-29 07:00:29 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 日本国内は衆院選による連立与党過半数割れが大騒ぎとなっていますが世界を視ますと戦争が北半球全域に飛び火する懸念がでてきました。

 北朝鮮の朝鮮人民軍兵士がロシア国内へ到着しているとの報道がつづいており、今年夏ごろに懸念されていた人民軍工兵旅団部隊の派遣という情報は、現段階では人員規模で師団規模の部隊が展開する、旅団規模の部隊が既にクルスク州に展開しているなど、人民軍派遣の可能性という範疇を超えて具体的な展開規模が報道されるようになっています。

 人民軍部隊派遣は第三次世界大戦へこのロシアウクライナ戦争が拡大する懸念に直結している、これはウクライナのゼレンスキー大統領が発言している視座ですが、この懸念の背景には、ロシア軍が北朝鮮軍兵士の大規模派遣を受ける見返りにどのような北朝鮮への支援が有り得るのか、という事です。北朝鮮は核弾頭の小型化技術を必要としている。

 ロシアと北朝鮮の関係強化は、例えば将来、北朝鮮が韓国に対して軍事行動を行う際のロシアによる支援を確約するという可能性もありますし、北朝鮮軍が決定的に遅れている航空戦力、ロシアがイランからの無人機供与の見返りにSu-30戦闘機を供与したような、軍事援助という可能性もあります。戦争はこのように、大きな転換点を迎えつつある。

 ロシア軍は9月における一日平均の死傷者数が1271名に達している、イギリス国防省10月7日付ウクライナ戦況報告によれば、これは過去最大であった5月の1262名を上回ったとのことです、この背景にはハリコフ戦線とクルスク戦線の状況が激化していることなどをイギリス国防省は分析、またこの状況が今年いっぱい続くとも分析しています。

 徒歩機動がロシア軍の基本戦術となっているもよう。このために冬期が到来しますと地面が氷結することで戦車の機動が容易になる季節が到来しても、徒歩攻撃ではこの恩恵にあずかることはできず、機動戦なども成立しないのではないかとみています。この結果、ロシア軍死傷者数は既に64万8000名以上にたっしていると分析を示しました。

 縦深防御によりウクライナ軍はロシア軍に出血を強要していますが、逆にロシア軍は大量の人員を損耗にこだわることなく投入することでウクライナ軍へ圧力をかけ続けていると分析しているため、ウクライナ軍の疲弊をはかるために、攻撃衝力を使い果たした後であってもロシア軍は同じ攻撃と大量損耗を重ね続けている状況でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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