■防衛フォーラム
今週も似たような写真を選ぶ時間が足りない程に多忙ですので岐阜基地航空祭の国産機写真とともにガンバている勧告を眺めつつ。
韓国がポーランドへ輸出するFA-50PL初号機の組立状況について、KAI韓国航空宇宙産業がその概況を発表しました。10月初旬の時点で機体部分は複合素材の塗装までは至っていませんが、胴体部分と電装品の搭載はほぼ完了し、主翼を取り付ける前の段階まで進んでいて、組み立ては完了目前の状態といえる。ポーランドは36機を取得する。
FA-50PL初号機、その機体番号は5013/001という。原型となるFA-50block20はFA-50block10がイスラエルエルタ社製EL/M-2032レーダーを搭載、これはもともと1980年代に後の未成機イスラエル国産のラビ戦闘機用に開発したもので、インドのテジャス戦闘機やトルコのF-4戦闘機近代化改修F-4E2020ターミネーターに搭載されたもの。
block20にはこれより強力なレイセオンインテリジェンスアンドスペース社製ファントムストライクAESAレーダーが搭載され、これは小型ではあるもののメーカーによればF-16V戦闘機が搭載するAPG-83に部分的に匹敵する性能を持つとし、JSMミサイルやKEPD 350K-2、天竜ALCMミサイルやAMRAAMが運用可能となっています。■
ポーランド空軍のFA-50GF戦闘機能力向上について、韓国防衛事業庁はオプション契約によりFA-50PL戦闘機水準まで改修する事は可能であると発表しました。FA-50GFはイスラエルエルタ社製EL/M-2032レーダー、FA-50PLはレイセオンインテリジェンスアンドスペース社製ファントムストライクAESAレーダーとレーダーから違います。
ただ、EL/M-2032レーダーを搭載するFA-50GFはFA-50block10相当の機体であり、ファントムストライクAESAレーダー搭載型のFA-50block20は2025年完成予定、現在韓国が各国へ販売している機種はblock10となります。この機種を改良することによりAMRAAMの搭載が可能となるのであれば、販路はさらに開ける事でしょう。
FA-50戦闘機は改良を積み重ねることでAMRAAMの運用能力を持ち、航続距離はF-16戦闘機などと比べかなり短いものとなっていますが、局地戦闘機のように中小国が大国の第4.5世代戦闘機の脅威にさらされた場合の有用な自衛手段となるとともに、その取得費用をかなり抑えているという点から注目すべき戦闘機と言えるでしょう。■
韓国国防省はAH-64E追加調達の中止を検討中とのこと。これは国防相が10月18日に発表したもので、現在韓国陸軍は36機のAH-64Eアパッチガーディアン戦闘ヘリコプターを運用していますが、この追加調達としてアパッチガーディアンを更に36機調達する4兆7000億ウォン規模のオプション契約を再検討するかたち。
AH-64Eアパッチガーディアン戦闘ヘリコプターの再検討は36機の追加調達を部分的に見直すか、完全に白紙撤回するかを含めて検討中とのこと。この背景には第一次契約の時点で441億ウォンであったアパッチガーディアンが再検討の時点では733億ウォンに取得費用が高騰し、戦闘ヘリコプターそのものの有用性にも疑義が生じたため。
戦闘ヘリコプターの有用性については、ロシアウクライナ戦争においてロシア軍戦闘ヘリコプターがウクライナ軍に対して有用に機能を果たせていないという評価もあるもよう。ただ、2023年ウクライナ軍夏季反転攻勢を阻止したのはロシア軍戦闘ヘリコプターによる戦力集中であり、ロシア軍の運用稚拙もありその判断は尚早にも思えます。■
韓国のKAI韓国航空宇宙産業はサーブ社との間でグローバルアイ早期警戒機に関する提携を結びました。韓国空軍は既にE-7早期警戒機を運用中です、この機体はボーイング737の機体を原型としてカヌー型AESAレーダーアンテナを搭載した大型の機体となっていますが、サーブ社のグローバルアイはビジネスジェットを原型とした機体です。
KAI韓国航空宇宙産業はこのグローバルアイ早期警戒機の韓国空軍採用を後押しするとともに、サーブ社と共に売り込みを強化、また韓国空軍での採用が実現した場合には定期整備などの運用基盤構築と共にサーブ社からの技術移転も実施するという。E-7の導入は各国空軍では第一次航空統制機整備事業という位置づけ、これにつづくかたち。
グローバルアイは比較的小型の航空機で、その分は管制要員の搭乗数など性能面で限界が生じることは確かですが、第一線での大型早期警戒機運用は超長距離空対空ミサイル脅威などが存在し避けるという新しい潮流があります。韓国空軍へはこのほか、アメリカのL3ハリス社がG-550-AEW&C早期警戒機を提案しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今週も似たような写真を選ぶ時間が足りない程に多忙ですので岐阜基地航空祭の国産機写真とともにガンバている勧告を眺めつつ。
韓国がポーランドへ輸出するFA-50PL初号機の組立状況について、KAI韓国航空宇宙産業がその概況を発表しました。10月初旬の時点で機体部分は複合素材の塗装までは至っていませんが、胴体部分と電装品の搭載はほぼ完了し、主翼を取り付ける前の段階まで進んでいて、組み立ては完了目前の状態といえる。ポーランドは36機を取得する。
FA-50PL初号機、その機体番号は5013/001という。原型となるFA-50block20はFA-50block10がイスラエルエルタ社製EL/M-2032レーダーを搭載、これはもともと1980年代に後の未成機イスラエル国産のラビ戦闘機用に開発したもので、インドのテジャス戦闘機やトルコのF-4戦闘機近代化改修F-4E2020ターミネーターに搭載されたもの。
block20にはこれより強力なレイセオンインテリジェンスアンドスペース社製ファントムストライクAESAレーダーが搭載され、これは小型ではあるもののメーカーによればF-16V戦闘機が搭載するAPG-83に部分的に匹敵する性能を持つとし、JSMミサイルやKEPD 350K-2、天竜ALCMミサイルやAMRAAMが運用可能となっています。■
ポーランド空軍のFA-50GF戦闘機能力向上について、韓国防衛事業庁はオプション契約によりFA-50PL戦闘機水準まで改修する事は可能であると発表しました。FA-50GFはイスラエルエルタ社製EL/M-2032レーダー、FA-50PLはレイセオンインテリジェンスアンドスペース社製ファントムストライクAESAレーダーとレーダーから違います。
ただ、EL/M-2032レーダーを搭載するFA-50GFはFA-50block10相当の機体であり、ファントムストライクAESAレーダー搭載型のFA-50block20は2025年完成予定、現在韓国が各国へ販売している機種はblock10となります。この機種を改良することによりAMRAAMの搭載が可能となるのであれば、販路はさらに開ける事でしょう。
FA-50戦闘機は改良を積み重ねることでAMRAAMの運用能力を持ち、航続距離はF-16戦闘機などと比べかなり短いものとなっていますが、局地戦闘機のように中小国が大国の第4.5世代戦闘機の脅威にさらされた場合の有用な自衛手段となるとともに、その取得費用をかなり抑えているという点から注目すべき戦闘機と言えるでしょう。■
韓国国防省はAH-64E追加調達の中止を検討中とのこと。これは国防相が10月18日に発表したもので、現在韓国陸軍は36機のAH-64Eアパッチガーディアン戦闘ヘリコプターを運用していますが、この追加調達としてアパッチガーディアンを更に36機調達する4兆7000億ウォン規模のオプション契約を再検討するかたち。
AH-64Eアパッチガーディアン戦闘ヘリコプターの再検討は36機の追加調達を部分的に見直すか、完全に白紙撤回するかを含めて検討中とのこと。この背景には第一次契約の時点で441億ウォンであったアパッチガーディアンが再検討の時点では733億ウォンに取得費用が高騰し、戦闘ヘリコプターそのものの有用性にも疑義が生じたため。
戦闘ヘリコプターの有用性については、ロシアウクライナ戦争においてロシア軍戦闘ヘリコプターがウクライナ軍に対して有用に機能を果たせていないという評価もあるもよう。ただ、2023年ウクライナ軍夏季反転攻勢を阻止したのはロシア軍戦闘ヘリコプターによる戦力集中であり、ロシア軍の運用稚拙もありその判断は尚早にも思えます。■
韓国のKAI韓国航空宇宙産業はサーブ社との間でグローバルアイ早期警戒機に関する提携を結びました。韓国空軍は既にE-7早期警戒機を運用中です、この機体はボーイング737の機体を原型としてカヌー型AESAレーダーアンテナを搭載した大型の機体となっていますが、サーブ社のグローバルアイはビジネスジェットを原型とした機体です。
KAI韓国航空宇宙産業はこのグローバルアイ早期警戒機の韓国空軍採用を後押しするとともに、サーブ社と共に売り込みを強化、また韓国空軍での採用が実現した場合には定期整備などの運用基盤構築と共にサーブ社からの技術移転も実施するという。E-7の導入は各国空軍では第一次航空統制機整備事業という位置づけ、これにつづくかたち。
グローバルアイは比較的小型の航空機で、その分は管制要員の搭乗数など性能面で限界が生じることは確かですが、第一線での大型早期警戒機運用は超長距離空対空ミサイル脅威などが存在し避けるという新しい潮流があります。韓国空軍へはこのほか、アメリカのL3ハリス社がG-550-AEW&C早期警戒機を提案しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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