■最強AH-64D戦闘ヘリの飛来
青空を覆う空挺団落下傘降下の奇襲により空挺堡を確保した第1空挺団は、刹那の間を置く事無く次の行動、ヘリボーン強襲を開始します。
AH-64D戦闘ヘリコプターが空挺部隊を上空から掩護、アパッチロングボウ愛称のAH-64Dはいったん上昇し、AGM-1114ヘルファイア対戦車ミサイルを射撃する、AGM-1114は射程8km、陸上自衛隊の他に海上自衛隊もミサイル艇対策に装備している。
AH-64Dは航空学校から参加しました。13機しか装備されていない虎の子の装備ですが、元々は62機を導入予定で、かつて96機が導入されつつも、老朽化にて順次退役が進むAH-1S対戦車ヘリコプターを置き換える計画でした。弾道ミサイル防衛で調達は中断へ。
AH-64Dは一個飛行隊12機が予定、AH-1Sは16機で飛行隊を編成していましたので、62機で現在の5個飛行隊と教育所要の2機を充足できる筈でした。しかし調達は13機、この後に1機が事故で失われ、航空打撃力の再編は陸上自衛隊喫緊の課題となっています。
UH-1J多用途ヘリコプター、M-2重機関銃を航空機用銃架に一丁搭載し展開しました、AH-1S対戦車ヘリコプターの代替にはなりませんが。しかし過去に70mmロケット弾発射装置を10セット調達し火力支援機へ試験した事があります。精度が低く不採用でしたが。
M-2重機関銃の空包射撃、毎分最大635発の12.7mm弾が地上を制圧します、実は航空機搭載用にM-2/ANという上空では空冷作用が高くその分発射速度を毎分1200発に高めた派生型が1933年に開発されているのですが、陸上自衛隊は地上型のみを装備しています。
CH-47JA輸送ヘリコプターが空中機動へ展開する、UH-1J多用途ヘリコプター搭載の12.7mm機銃は、このCH-47JA輸送ヘリコプターが降着する際の降着地を制圧する任務へ展開したもよう。ヘリコプターの降着に落下傘は不要、同時に55名を一気に輸送可能です。
第1空挺団は中央即応集団の隷下部隊、そしてこのCH-47JA輸送ヘリコプターも中央即応集団隷下の第1ヘリコプター団に所属する。中央即応集団は2018年3月の陸上総隊創設に併せ幕僚機構転用へ廃止となり、空挺団とヘリコプター団は現在、総隊直轄部隊となった。
AH-64D戦闘ヘリコプターが低空を進出する、実際に航空用語として匍匐飛行というものがあり、武骨に突き出た空気抵抗の塊は全てが匍匐飛行へ障害物などを前に急停止する際に役立つ。AH-64後継機にティルトローター機の研究はあるが、個人的に懐疑的である。
空挺団本部偵察小隊の進出を掩護するAH-64D,後継のティルトローター機研究とはAH-64D開発のボーイング社が提案するものですが、高速が必要ならばF-35Bで良く、AH-64Dの空気抵抗は不期遭遇や障害物を前に急減速の際に役立つ、速度が全てではない。
CH-47JA輸送ヘリコプターから続々と展開する空挺団本部偵察小隊の偵察オートバイ、過去にはM-24軽戦車装備の空挺普通科群本部情報小隊特車班や60式装甲車装備の空挺普通科群本部直轄空挺装甲輸送隊があり、少数とはいえ、装甲車による威力偵察が可能でした。
空挺普通科群本部情報小隊特車班は軽戦車5輌を装備、空挺普通科群本部直轄空挺装甲輸送隊は60式装甲車5輌を装備、何れも廃止改編されていますが、C-2輸送機という89式装甲戦闘車や16式機動戦闘車を輸送可能な機体がある現在、再編成されるべきと思う。
AH-64D戦闘ヘリコプターと共にAH-1S対戦車ヘリコプター編隊が支援へ駆けつける。AH-1S対戦車ヘリコプターは東部方面隊隷下の東部方面航空隊第4対戦車ヘリコプター隊に所属する。ただ、AH-1S対戦車ヘリコプター減勢に伴い、部隊は縮小再編の予定です。
APG-78ロングボウレーダーを搭載するAH-64D戦闘ヘリコプターは210個の地上目標を識別追尾する能力と共に、無人機統制や敵無人機警戒監視等の新時代の任務に必要な性能を有します。自衛隊装備の機体はアローヘッド搭載、改良型AH-64Eに近い性能を持つ。
AH-1S対戦車ヘリコプターの編隊が仮設敵に向け射程3750mのTOW対戦車ミサイルと70mmロケット弾、20mm機関砲を装備し襲い掛かる。地皺の多い我が国土へは必要として導入された装備ですが、今後の無人機時代を踏まえればAH-64Dへの代替は不可欠だ。
TOW対戦車ミサイル射撃は低空から一挙に高度を上げて敵戦車を捕捉し、一気に撃ち下す、有線誘導式のTOWは、射撃誘導中に妨害された場合に回避できない為、高高度から撃ち下す事で射撃中に高射砲などの妨害を受けた際、回避した場合も慣性で敵戦車を撃破し得る。
AH-64D戦闘ヘリコプターの場合はもう少し先進的だ、APG-78には脅威電波標定能力があり、高射砲等がレーダー照準を行えば即座に逆探知、30mm機関砲や対戦車ミサイルで滅多打ち制圧が可能、機体も頑丈で192発の14.5mm弾を受けつつ翌日に修理完了の事例が。
UH-1J多用途ヘリコプターが二機編隊で進出してゆく、AH-64D戦闘ヘリコプターとAH-1S対戦車ヘリコプターはこの空中機動部隊の降着掩護、という構図で敵戦車部隊を強力な火力で制圧する任務にて展開していたのでしょう。更に多数のヘリコプターが続く。
HU-1Bを導入開始した1961年は陸上自衛隊空中機動元年というべき年度で、統合展示演習、現在の富士総合火力演習にてH-19ヘリコプター5機と大型のH-21ヘリコプター2機による空中機動にて、第一線へ急速増援部隊の戦闘加入、という展示が行われています。
UH-1J多用途ヘリコプターの先頭を往く機体には狙撃手がスキッドに足を掛けて降着と同時の即座に飛び降りる体勢に在ります、M-24狙撃銃を装備し800m先の指揮官を生活に狙撃するという。空挺団からM-24軽戦車は廃止されても、M-24狙撃銃という新顔が、と。
UH-1J多用途ヘリコプターの機内を見ますと、後部に2名分の座席を増槽用に転用し、航続距離や滞空時間を延伸している仕様となっている。UH-1J多用途ヘリコプターの輸送能力は人員11名、ただ増槽により4名分を使っている構図です。この機体は自由度が高い。
UH-60JA多用途ヘリコプターへ、1998年よりUH-1J多用途ヘリコプターを順次置き換える構想がありましたが、一機35億円というUH-60JAの取得費用は、バブル崩壊後の停滞期の日本経済では多数を調達できず、ここに弾道ミサイル防衛という新任務が加わります。
UH-1Hまではベル社のライセンス生産を富士重工が実施していましたが、UH-1Jは富士重工の独自型であり、エンジンをAH-1Sと同型とする事で整備性を高めました。対してUH-60JAは三菱重工製、整備共通性や訓練相互互換性の面で若干疑問符も残りました。
UH-60JAについては、しかし海上自衛隊がSH-60J哨戒ヘリコプターと航空自衛隊がUH-60J救難ヘリコプターとして共通機体を製造していましたので、安価に調達できる時期はありました。此処で問題点は陸上自衛隊の調達開始が航空自衛隊完納後だったのですね。
UH-1Jの後継にUH-60JAを大量調達できていれば、HH-60Jのような火力支援型をAH-1S後継機に充てる事が出来たかもしれませんし、利点はありました。ただ、1:1で置き換える事に拘らなければ、という但し書きが。ミサイル防衛に翻弄された機種といえましょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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青空を覆う空挺団落下傘降下の奇襲により空挺堡を確保した第1空挺団は、刹那の間を置く事無く次の行動、ヘリボーン強襲を開始します。
AH-64D戦闘ヘリコプターが空挺部隊を上空から掩護、アパッチロングボウ愛称のAH-64Dはいったん上昇し、AGM-1114ヘルファイア対戦車ミサイルを射撃する、AGM-1114は射程8km、陸上自衛隊の他に海上自衛隊もミサイル艇対策に装備している。
AH-64Dは航空学校から参加しました。13機しか装備されていない虎の子の装備ですが、元々は62機を導入予定で、かつて96機が導入されつつも、老朽化にて順次退役が進むAH-1S対戦車ヘリコプターを置き換える計画でした。弾道ミサイル防衛で調達は中断へ。
AH-64Dは一個飛行隊12機が予定、AH-1Sは16機で飛行隊を編成していましたので、62機で現在の5個飛行隊と教育所要の2機を充足できる筈でした。しかし調達は13機、この後に1機が事故で失われ、航空打撃力の再編は陸上自衛隊喫緊の課題となっています。
UH-1J多用途ヘリコプター、M-2重機関銃を航空機用銃架に一丁搭載し展開しました、AH-1S対戦車ヘリコプターの代替にはなりませんが。しかし過去に70mmロケット弾発射装置を10セット調達し火力支援機へ試験した事があります。精度が低く不採用でしたが。
M-2重機関銃の空包射撃、毎分最大635発の12.7mm弾が地上を制圧します、実は航空機搭載用にM-2/ANという上空では空冷作用が高くその分発射速度を毎分1200発に高めた派生型が1933年に開発されているのですが、陸上自衛隊は地上型のみを装備しています。
CH-47JA輸送ヘリコプターが空中機動へ展開する、UH-1J多用途ヘリコプター搭載の12.7mm機銃は、このCH-47JA輸送ヘリコプターが降着する際の降着地を制圧する任務へ展開したもよう。ヘリコプターの降着に落下傘は不要、同時に55名を一気に輸送可能です。
第1空挺団は中央即応集団の隷下部隊、そしてこのCH-47JA輸送ヘリコプターも中央即応集団隷下の第1ヘリコプター団に所属する。中央即応集団は2018年3月の陸上総隊創設に併せ幕僚機構転用へ廃止となり、空挺団とヘリコプター団は現在、総隊直轄部隊となった。
AH-64D戦闘ヘリコプターが低空を進出する、実際に航空用語として匍匐飛行というものがあり、武骨に突き出た空気抵抗の塊は全てが匍匐飛行へ障害物などを前に急停止する際に役立つ。AH-64後継機にティルトローター機の研究はあるが、個人的に懐疑的である。
空挺団本部偵察小隊の進出を掩護するAH-64D,後継のティルトローター機研究とはAH-64D開発のボーイング社が提案するものですが、高速が必要ならばF-35Bで良く、AH-64Dの空気抵抗は不期遭遇や障害物を前に急減速の際に役立つ、速度が全てではない。
CH-47JA輸送ヘリコプターから続々と展開する空挺団本部偵察小隊の偵察オートバイ、過去にはM-24軽戦車装備の空挺普通科群本部情報小隊特車班や60式装甲車装備の空挺普通科群本部直轄空挺装甲輸送隊があり、少数とはいえ、装甲車による威力偵察が可能でした。
空挺普通科群本部情報小隊特車班は軽戦車5輌を装備、空挺普通科群本部直轄空挺装甲輸送隊は60式装甲車5輌を装備、何れも廃止改編されていますが、C-2輸送機という89式装甲戦闘車や16式機動戦闘車を輸送可能な機体がある現在、再編成されるべきと思う。
AH-64D戦闘ヘリコプターと共にAH-1S対戦車ヘリコプター編隊が支援へ駆けつける。AH-1S対戦車ヘリコプターは東部方面隊隷下の東部方面航空隊第4対戦車ヘリコプター隊に所属する。ただ、AH-1S対戦車ヘリコプター減勢に伴い、部隊は縮小再編の予定です。
APG-78ロングボウレーダーを搭載するAH-64D戦闘ヘリコプターは210個の地上目標を識別追尾する能力と共に、無人機統制や敵無人機警戒監視等の新時代の任務に必要な性能を有します。自衛隊装備の機体はアローヘッド搭載、改良型AH-64Eに近い性能を持つ。
AH-1S対戦車ヘリコプターの編隊が仮設敵に向け射程3750mのTOW対戦車ミサイルと70mmロケット弾、20mm機関砲を装備し襲い掛かる。地皺の多い我が国土へは必要として導入された装備ですが、今後の無人機時代を踏まえればAH-64Dへの代替は不可欠だ。
TOW対戦車ミサイル射撃は低空から一挙に高度を上げて敵戦車を捕捉し、一気に撃ち下す、有線誘導式のTOWは、射撃誘導中に妨害された場合に回避できない為、高高度から撃ち下す事で射撃中に高射砲などの妨害を受けた際、回避した場合も慣性で敵戦車を撃破し得る。
AH-64D戦闘ヘリコプターの場合はもう少し先進的だ、APG-78には脅威電波標定能力があり、高射砲等がレーダー照準を行えば即座に逆探知、30mm機関砲や対戦車ミサイルで滅多打ち制圧が可能、機体も頑丈で192発の14.5mm弾を受けつつ翌日に修理完了の事例が。
UH-1J多用途ヘリコプターが二機編隊で進出してゆく、AH-64D戦闘ヘリコプターとAH-1S対戦車ヘリコプターはこの空中機動部隊の降着掩護、という構図で敵戦車部隊を強力な火力で制圧する任務にて展開していたのでしょう。更に多数のヘリコプターが続く。
HU-1Bを導入開始した1961年は陸上自衛隊空中機動元年というべき年度で、統合展示演習、現在の富士総合火力演習にてH-19ヘリコプター5機と大型のH-21ヘリコプター2機による空中機動にて、第一線へ急速増援部隊の戦闘加入、という展示が行われています。
UH-1J多用途ヘリコプターの先頭を往く機体には狙撃手がスキッドに足を掛けて降着と同時の即座に飛び降りる体勢に在ります、M-24狙撃銃を装備し800m先の指揮官を生活に狙撃するという。空挺団からM-24軽戦車は廃止されても、M-24狙撃銃という新顔が、と。
UH-1J多用途ヘリコプターの機内を見ますと、後部に2名分の座席を増槽用に転用し、航続距離や滞空時間を延伸している仕様となっている。UH-1J多用途ヘリコプターの輸送能力は人員11名、ただ増槽により4名分を使っている構図です。この機体は自由度が高い。
UH-60JA多用途ヘリコプターへ、1998年よりUH-1J多用途ヘリコプターを順次置き換える構想がありましたが、一機35億円というUH-60JAの取得費用は、バブル崩壊後の停滞期の日本経済では多数を調達できず、ここに弾道ミサイル防衛という新任務が加わります。
UH-1Hまではベル社のライセンス生産を富士重工が実施していましたが、UH-1Jは富士重工の独自型であり、エンジンをAH-1Sと同型とする事で整備性を高めました。対してUH-60JAは三菱重工製、整備共通性や訓練相互互換性の面で若干疑問符も残りました。
UH-60JAについては、しかし海上自衛隊がSH-60J哨戒ヘリコプターと航空自衛隊がUH-60J救難ヘリコプターとして共通機体を製造していましたので、安価に調達できる時期はありました。此処で問題点は陸上自衛隊の調達開始が航空自衛隊完納後だったのですね。
UH-1Jの後継にUH-60JAを大量調達できていれば、HH-60Jのような火力支援型をAH-1S後継機に充てる事が出来たかもしれませんし、利点はありました。ただ、1:1で置き換える事に拘らなければ、という但し書きが。ミサイル防衛に翻弄された機種といえましょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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最近、陸自も島しょう部防衛と範囲が広がり、機動力も求められています。それがキーワードで戦闘ヘリが更新される可能性は無いでしょうか?
無人島しか敵が攻めて来ない事は無いですから。
機動力が共通ワードとなっていますが、基盤的防衛力整備を捨てたことが実はパンドラの箱だったのだろう、と考えています
機動力には、戦略的には輸送艦と輸送機、戦術的には相手に先手を打たれた後を想定するのだから、緊急展開と装甲打撃力が不可欠となります。次期装甲車一つとっても恐ろしいほどに高性能重視、すると部隊を再編しない限り充足は難しく、第一線部隊の意味が形骸化、最悪の場合は隣や中央から部隊を集めれば良い、という視点に基づく、種類豊富総数減退、という状況が続く懸念の方が大きいのでは無いでしょうか