■臨時情報-NATO
航空戦力は戦力の集中と分散を行う上で機動力が最も高い点が重要なところですが、現在その空軍力を集中した大規模な演習が実施されています。
エアディフェンダー23演習、ドイツにおいてNATO創設後最大規模となる航空演習が12日から明日23日までの日程で実施されています。演習空域はドイツを中心にチェコとオランダを含み、航空機250機と人員10000名、NATO加盟国を中心に25か国が参加し、参加国には戦闘機こそ派遣しませんが、オブザーバー参加として日本も含まれています。
演習にはアメリカ州兵空軍が大規模に参加し、アメリカからの参加航空機は100機であり、全米から42州の州兵空軍が参加しています。州兵空軍は州によってはF-35戦闘機やF-22戦闘機とB-1爆撃機等を運用するとともに基本的に非常勤の予備役部隊として機能しています。こうした部隊の参加は欧州有事の際の動員と増援を念頭に実施しているのでしょう。
■ドイツ弾薬備蓄枯渇
弾薬について、自衛隊の弾薬備蓄が細い事は政治の場でも指摘される事となりましたがドイツ軍の野砲弾が自衛隊よりも深刻な枯渇状況にあるもよう。
ドイツ連邦軍の155mm砲弾備蓄が2万発まで減少している、ロイター通信が6月20日にドイツシュピーゲル紙を引用する形で報道しました、シュピーゲル紙によればこの2万発という数字はドイツ国防省が議会への予算緊急要求を行う際の内部資料として作成したもので、1基数で砲弾はおおむね40発、戦闘では3基数を装備するとされます。
連邦軍は保有する唯一の155mm火砲であるPzH-2000の可動装備をウクライナへ供与したために深刻な砲兵火力不足に陥り、ラインメタル社へ緊急増産を要求するも数年を要するといわれている中、火砲そのものと同時に弾薬備蓄もウクライナ供与により、その生産能力から再編しなければならない厳しい状況にあることが見て取れるでしょう。
■ロシア軍再生弾薬
ドイツ軍も大変とされていますがロシア軍は2023年製造ソ連製砲弾という良くわからない状況となっている。
ロシア軍はウクライナでの大量砲弾消費により1960年代に製造した古い弾薬を再活用しています、ロシアは砲兵火力を重視するとともに広大な国土に大量の備蓄倉庫を建設する余裕がありましたが、それでもウクライナでの一年四か月に及ぶ弾薬消費は冷戦時代のNATOとの全面対決をも凌駕する状況となっています、そこで古い備蓄という。
ソ連時代に生産した1960年代から1990年代までの弾薬について、ソ連崩壊後のずさんな管理により使用に適さない砲弾が含まれていることから、一旦砲弾を分解したうえで再度成形する方式が用いられ、2023年製のソ連製砲弾という不思議な弾薬が第一線へ届けられているもよう。ウクライナ支援のNATOともども弾薬不足は大きな課題です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
航空戦力は戦力の集中と分散を行う上で機動力が最も高い点が重要なところですが、現在その空軍力を集中した大規模な演習が実施されています。
エアディフェンダー23演習、ドイツにおいてNATO創設後最大規模となる航空演習が12日から明日23日までの日程で実施されています。演習空域はドイツを中心にチェコとオランダを含み、航空機250機と人員10000名、NATO加盟国を中心に25か国が参加し、参加国には戦闘機こそ派遣しませんが、オブザーバー参加として日本も含まれています。
演習にはアメリカ州兵空軍が大規模に参加し、アメリカからの参加航空機は100機であり、全米から42州の州兵空軍が参加しています。州兵空軍は州によってはF-35戦闘機やF-22戦闘機とB-1爆撃機等を運用するとともに基本的に非常勤の予備役部隊として機能しています。こうした部隊の参加は欧州有事の際の動員と増援を念頭に実施しているのでしょう。
■ドイツ弾薬備蓄枯渇
弾薬について、自衛隊の弾薬備蓄が細い事は政治の場でも指摘される事となりましたがドイツ軍の野砲弾が自衛隊よりも深刻な枯渇状況にあるもよう。
ドイツ連邦軍の155mm砲弾備蓄が2万発まで減少している、ロイター通信が6月20日にドイツシュピーゲル紙を引用する形で報道しました、シュピーゲル紙によればこの2万発という数字はドイツ国防省が議会への予算緊急要求を行う際の内部資料として作成したもので、1基数で砲弾はおおむね40発、戦闘では3基数を装備するとされます。
連邦軍は保有する唯一の155mm火砲であるPzH-2000の可動装備をウクライナへ供与したために深刻な砲兵火力不足に陥り、ラインメタル社へ緊急増産を要求するも数年を要するといわれている中、火砲そのものと同時に弾薬備蓄もウクライナ供与により、その生産能力から再編しなければならない厳しい状況にあることが見て取れるでしょう。
■ロシア軍再生弾薬
ドイツ軍も大変とされていますがロシア軍は2023年製造ソ連製砲弾という良くわからない状況となっている。
ロシア軍はウクライナでの大量砲弾消費により1960年代に製造した古い弾薬を再活用しています、ロシアは砲兵火力を重視するとともに広大な国土に大量の備蓄倉庫を建設する余裕がありましたが、それでもウクライナでの一年四か月に及ぶ弾薬消費は冷戦時代のNATOとの全面対決をも凌駕する状況となっています、そこで古い備蓄という。
ソ連時代に生産した1960年代から1990年代までの弾薬について、ソ連崩壊後のずさんな管理により使用に適さない砲弾が含まれていることから、一旦砲弾を分解したうえで再度成形する方式が用いられ、2023年製のソ連製砲弾という不思議な弾薬が第一線へ届けられているもよう。ウクライナ支援のNATOともども弾薬不足は大きな課題です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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