ヤマユリを見ると、いつも父と最後の夏を過ごした夏休みを思い出す。もう今から20年近くになるが、大病を患ってその治療をし、仕事に戻る前に実家で家族で夏休みを過ごした(数か月後の秋には再発し急逝してしまう)。家族で海水浴に行ったのだが、その時に、父が岬の頂上に神社があるはずなので、一緒に登ろうと私を誘ってくれた。二人だけの時間は、意外とあるようで無く、強烈な思い出となった。
ほんの30分位の行程であったが、私には理解しにくかった父の姿を垣間見た旅のようだった。草の生い茂る道を登り、瀬戸内海を見渡せるところで休みつつ、最後に頂上付近の荒れ果てた神社に到達した。そこで、二人で手を合わした。そこは、父が若いころ、出征する友達や家族が沢山お参りした地元では有名な神社だったそうだ。それが余りに荒れ果てていたので、父も悲しんでいた。父はたまたま不思議な縁で、兵役を免除されたが、友達の多くが戦争で亡くなったそうだ。
父は大病を患っていたこともあり、ちょっとした勾配で息が切れ、休み休み登った。そんな時にヤマユリが咲いているのを私が見つけた。私は感激したのだが、父はそばによって覗いたが、何も言わなかった。それが自分の気になる違和感で、ヤマユリが何故か今でも気になる。父の思いは何だったのだろうか。
30分の行程は、自分の感情と静かに向き合った貴重な時間であった。
感情は自分の理想と現実のギャップから湧き起る。父に生き続けてもらいたいという理想とか、もっと外の話でもしてくれたらという自分の理想、これしきの坂を楽に登ってもらいたいという理想・・・様々な自分の隠れた理想。それが父との30分程度の行程の中で、感情(深い悲しみとか、期待感、・・・)という不思議なものを通してあぶり出されるのだ。
本当の感情は、自分の様々な本音(こころ、身体、魂の領域からくる)を正直にあぶり出す。その中で、我と汝の対話が行われたりする。
湧き起る感情には、正直なところ感じたくない感情もある。しかし、流れる感情の意味を考えることが、意外にも人生の宝(気づきへの先行情報)であることを識ると(生き甲斐の心理学のお陰である)、どんな感情でも恐れずにいられるようになってくる。自己嫌悪している自分、意外に女性的に錯乱している自分、男の嫉妬をしている自分、いろいろな姿が見えてくる。勿論、そんな自分が見えれば、客観的に解釈して、ベストな行動もとれやすい。
世阿弥は、中世の能や芸術論での天才であるが、≪離見の見≫ということを言った。舞う自分をどこか、違う視点から客観的に自分が見ている。そんな感じなのだろうか。
受容⑨(暮らしの中のカウンセラーの基本の基本 9/30)
ほんの30分位の行程であったが、私には理解しにくかった父の姿を垣間見た旅のようだった。草の生い茂る道を登り、瀬戸内海を見渡せるところで休みつつ、最後に頂上付近の荒れ果てた神社に到達した。そこで、二人で手を合わした。そこは、父が若いころ、出征する友達や家族が沢山お参りした地元では有名な神社だったそうだ。それが余りに荒れ果てていたので、父も悲しんでいた。父はたまたま不思議な縁で、兵役を免除されたが、友達の多くが戦争で亡くなったそうだ。
父は大病を患っていたこともあり、ちょっとした勾配で息が切れ、休み休み登った。そんな時にヤマユリが咲いているのを私が見つけた。私は感激したのだが、父はそばによって覗いたが、何も言わなかった。それが自分の気になる違和感で、ヤマユリが何故か今でも気になる。父の思いは何だったのだろうか。
30分の行程は、自分の感情と静かに向き合った貴重な時間であった。
感情は自分の理想と現実のギャップから湧き起る。父に生き続けてもらいたいという理想とか、もっと外の話でもしてくれたらという自分の理想、これしきの坂を楽に登ってもらいたいという理想・・・様々な自分の隠れた理想。それが父との30分程度の行程の中で、感情(深い悲しみとか、期待感、・・・)という不思議なものを通してあぶり出されるのだ。
本当の感情は、自分の様々な本音(こころ、身体、魂の領域からくる)を正直にあぶり出す。その中で、我と汝の対話が行われたりする。
湧き起る感情には、正直なところ感じたくない感情もある。しかし、流れる感情の意味を考えることが、意外にも人生の宝(気づきへの先行情報)であることを識ると(生き甲斐の心理学のお陰である)、どんな感情でも恐れずにいられるようになってくる。自己嫌悪している自分、意外に女性的に錯乱している自分、男の嫉妬をしている自分、いろいろな姿が見えてくる。勿論、そんな自分が見えれば、客観的に解釈して、ベストな行動もとれやすい。
世阿弥は、中世の能や芸術論での天才であるが、≪離見の見≫ということを言った。舞う自分をどこか、違う視点から客観的に自分が見ている。そんな感じなのだろうか。
受容⑨(暮らしの中のカウンセラーの基本の基本 9/30)
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