8月20日(土) 雨 寒い 雨
昨日から続く雨、天気予報ではこの先一週間くらい晴れの日がないようにされている。雨が降っているので午前中の予定、草刈りも道普請止めとした。
午後二時から町の歴史を研究しようという会、たてしな歴史研究会が開かれた。15分前に公民館に着くと既に大方の会員が来て机が並べられていた。会が終わり軽トラで走り出すと道に何かがある。直前まで行くとまだ幼い姿のスズメだが動かない。エンジンの音もワイパーがガラス擦る音にも反応しない。
カバンからカメラをだしてシャッターを押していると、キィキィキィと警戒音を発しながら親スズメらしいのが舞い降りた。しかし、小雀は動こうとしない。目が不自由なことはないだろうが、音を聴くことが出来ないのだろうか?少し間を置いて親スズメが小雀にぶつかるようにして二羽が飛び立った。
研究会の話に戻るが、今年度二回目の集まりだが、集まった人が多い。雨のせいもあるのだろうか?
今回のテーマは「町誌」を読むと題し、“たてしなの方言”となっている。講師は竹花初雄先生、自ら用意したレジュメを判りやすく読み上げ解読してくれる。言葉の語源や江戸言葉、関西の言葉など、この町の方言では今でも当たり前に使われている言葉に深い意味があることを学んだ。
講座の中で竹花先生が20年前に構成した「ふるさと立科カルチャー」という冊子があるという。俺も以前だれかれに譲ってもらった記憶があり、本箱を探すとあった。この冊子は当時の老人クラブ連合会が発行して町の味、細工、やきものといろいろな文化活動のことがまとめてある。
冊子の中には 方言を使った川柳が100首以上掲載されている。幾つか上げてみると・・・
おてこもり 箸よりさきに 口をつけ (おてこもり→山盛り)
てづくなに 目のない子ほど 可愛がり (てづくな→手あそび → 手料理・手づくり)
地域の言葉では、俺もこの町に移り住んだときに戸惑ったことを懐かしく思った。集会所に初めて行ったときに“おしずかに”と云われて、沈黙を通したが、今思えばこの意味は『おらくにしてください』と意味でしかも、丁寧語なのだった。畑でのこと、昼前に婆さまが帰りしなに“おあがりなんし”のことばを掛けて帰った、また、野菜を置いていって呉れたのかと思い、辺りを探したが何もなかったこともある。これは『お先に』と云うことが判ったのは数年経ってからだった。また、非定型では“ダレダレ~”と云う。
使い方を文字にすると
Aさん あいつぁ いいやつだな
Bさん ダレダレー えぶせってー たーくらったーだに(だめだめ むさくるしいやつで いい加減な者だ)となる。
この町誌は五巻揃いで、歴史編(上下巻)、民族編、自然編と歴史年表となっている。俺もこの町に移り住むことを決めたときに、教育委員会に頼み郵送して貰った。平成8年に発行され当時は多くの家庭で購入したそうだ。しかし、その後本を開くことなく世代が変わってる家庭もある。
90分の学習会も高齢者が多く皆が先生となって、説明には“間の手”がタイミング良く入るのが楽しかった。会員H氏が持って来た佐久地方の方言を手ぬぐいに染め抜いたものをS会長が披露する。直ぐ近くでありながら言葉の違いがあり、中には隠語と思われる逆さ語も昔から疲れていたようだ。
方言も業界用語も同じ意味合いをもつのだろうが、俺が社会にでて初めて隠語をしったのは、「アキナイニモトデナシ」と云い、値札の裏に“キシ”とか書いてあった。その表には25000円とあり、“キシ”は値切られたときこれ以下にはするなと教えられた。また、音楽仲間では言葉を逆に使っていたが、今ではテレビタレントが自慢げに使う。シーメ、シータク ・ ・ ・ 下品な言葉だとクラシック音楽の世界では仲間内の隠語としていた。役者やタレントが楽屋話をしたらお仕舞いと聞いたことがあるが ・ ・ ・ 今のテレビはお仕舞いなのだろう。