物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

藤田英一先生

2007-12-05 11:40:01 | 物理学

藤田英一先生が83歳で亡くなったという訃報が2,3日前の新聞に出ていた。大阪大学名誉教授で金属学が専門の先生である。

藤田先生に直接的には私は関係がないのだが、親友のY君の属していた講座の教授であった。

人柄もよく、学問的にも尊敬できる人だったという。Y君は藤田先生のもとで学位も取ったし、助手もしていた。だから後で私がY 君と同僚になったときにも藤田先生のことは何度か聞いた。海軍兵学校の出身で戦後に東大に入りなおされたらしい。

私たちが物理を教わったことのあるO先生に藤田先生も海軍兵学校で教わったので、Y君のO先生をあまり評価しないという、O先生評には賛成されなかったと聞いている。

また、私の勤めていたE大学の金属工学科に多年にわたって非常勤講師として講義に来られていた。そのときに学生が講義を聞いて感激して、はじめて金属学の面白さを知ったという。

これは私は学生から直接聞いた話ではなく、その当時金属工学科に所属していたある先生Mさんから聞いたことである。

学生を感激させるような講義ができる先生はすばらしいと思う。私などは学生を感激させるどころか、嫌悪感さえ抱かせたようである。私の人間性が素直でなく、ひねくれているせいだろうか。



電磁場の多重極展開

2007-12-05 10:59:02 | 物理学

電磁場の多重極展開がどういう意味を持っているのか書いたものを見たことがなかった。だからどういう意味を持っているのだろうかなと疑問に思っていた。

あるとき砂川重信著『理論電磁気学』(紀伊国屋書店)をみたら、電磁場の多重極展開の意味が書いてあるのを発見した。他の電磁気学の本にも書いてあるのかもしれないが、書いてある他の本を私は知らない。

この砂川さんの著書は電磁気学としては難しい方の部類に入るもので、初心者の通読には適していないが、これが載っているだけでもこの書の価値があるような気がする。

アマゾンコムの書評で初心者にこの本は難しすぎるとか書いてあり、その通りだとは思うが,「電磁場の多重極展開の意味が書いてあってこの本がいい」と言った人はいなかったと思う。それでいつかこのことをぜひブログに書き留めておきたいと思っていた。


(2024.2.1付記)電磁場の多重極展開についてのこの記事が久しぶりに読まれたことがわかった。あまり関心を引かなかったブログの項目であるが、このことに関心をもった、または、必要性ができた学生がおられたのであろう。

私も学生のころに電磁場の多重極展開についてそれをつかった本とか論文を読む機会があったように思うが、これがどういう意味だったのかよくわからなかったと思う。それでここに書いたようなことを書き留めたのだと思う。