Johさんへの返事として書いたことの一部をこのブログに再録しておく。
オイラーの公式の4つの導き方はその内の3つがcos x+isin xという式を基本にしており,これが複素数の極形式表示に関係している導出法が2つ、後一つはcos ^{2} x+isin ^{2}x=1を複素数で因数分解することからcos x+isin xという因数が出て来て、これが指数法則に従っていることを示し、それから微分方程式をつくり、オイラーの公式を出すという方法である。
オイラー自身は調和振動の方程式の見かけの違った解が二つ(三角関数型の解と指数関数型の解)得られたことから、その二つの表現が等しいということを級数展開で分かったらしい。この導出も入れると5つになる。
志賀浩二さんの「無限の中の数学」(岩波新書)を読むと上に述べた4つの導出法はいずれもオイラーの考えに起源があることが窺われる。後世の著名な数学者の誰かが「オイラーを読め」といったとかいうのもうなずける。
いずれにしても近頃はある種のオイラーブームのようである。オイラーうんぬんといった本が日本で数冊出ている。もちろんこのうちの少なくとも1冊は翻訳であるが。