物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

eの導入1

2008-03-28 12:23:56 | 数学

べーレントの「5分でたのしむ数学50話」(岩波書店)の第2話に自然対数の底eのことが出ている。

そこでeの新たな定義が出ていると思って「eの導入(補遺)」にとりいれようとしたのだが、どうもこれが話がきちんと論理的にできているのかどうか疑わしくなった。

この点については友人の数学者N先生に聞いてみたい。

私の理解ではどうも仮定=新しいeの定義みたいに思えてならない。そこで少し自分で修正をしようと思って志賀先生の高校数学のテキスト(岩波書店)に書かれていることをを引用して述べてみようとしたのだが、これだとべーレントの言っていることと離れてくる。

ある関数がその導関数と等しいときに、それは自然対数の底eの指数関数であることが一義的にきまる。(その他にも条件があるが、微分可能性とかはすべて仮定している)。そしてf(0)=1とすれば、x=1のときの値f(1)=1=eと定義できるというのである。

べーレントはf(x)=e^{x}をどこかから出してきていて、それでx=1とおいてf(1)=eとしているのだが、このf(x)=e^{x}をどこから出してきたのかがはっきりしない。eの定義なしにf(x)=e^{x}を出してくることは可能なのだろうか。

志賀先生のテキストからは微分とは関係なしに指数関数であることは出てくる。悩ましい所である。